遺産税・贈与税

2019.12.08
遺産税・贈与税

アメリカの共有財産

アメリカでは夫婦間で財産を共有することが多い。配偶者が亡くなった時に、生きている配偶者がその共有分をもらう形が典型と言える。相続が発生した場合、その共有財産を取得した時に誰がいくらお金を出したのかと言う事が問題になる。 アメリカ人同士の夫婦では、相手が資金を出していなくても、共有にした時に半分が相手のものになる。そこで、残りの半分だけが相続財産の対象となる。 一方、外国人(=日本人とか)の場合は、いくらお金を出して取得したかが問題になる。共有と言いつつも、持ち分を証明する証拠書類を提出できなければ、すべてが遺産税の対象に含まれてしまう。何とも不公平に思えるかも知れない。 しかし、かえってこれが良い結果をもたらすこともあり得る。2019年では1140万ドル(約12億円)の控除がある。外国人の場合は、この控除を満額使えないにせよ、10%で1.2億円、20%ならば2.4億円の控除を使える(日米の財産比率で変動)。1億円程度の財産ならば控除額以内なので、遺産税はかからない。 もともと3,000万円で不動産を買っていたものとする。アメリカでは遺産税に取り込まれた部分が、死亡日の市場価格におきかわって取得コストになる。この時点で1億円の不動産を1億円で譲渡しても、所得税では譲渡益が発生しない。 自分の持分50%ならば、この分は遺産税に入らない。その結果、50%分しか死亡日の市場価格に置き換わらない。上述だと3,000万円×50%+5,000万円=6,500万円が取得コストだ。1億円で譲渡すると3,500万円の譲渡益が出てしまう。 アメリカの財産を譲渡しても、日本の所得税の対象になる。日本の所得税では取得コストが置き換わらない。この点は要注意だ。

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2019.05.26
遺産税・贈与税

アメリカの不動産の鑑定は必要か

遺産税を計算する時に、死亡日での財産評価額が必要になる。2019年では控除額が$11.4 million(日本円で12億円強)ある。日本人の場合、この控除額を100%使えるとは限らないのだが、半分だとしても6億円となれば、税額が発生することは少ない。 遺産額は全然、そのレベルではないので、不動産の鑑定評価は必要ないと考えていいだろうか。死亡日の後にすぐ譲渡してしまうなら、それが評価額と言っても違和感はないだろう。 しかし、相続人が不動産をそのまま持ち続けることもある。5年、10年後にその不動産を譲渡する。死亡日の鑑定評価はない。そこで、このぐらいだという価格をコストだとして所得税の申告する。IRSから客観的な証拠書類を出すことを求めらる。しかし購入時の売買契約書しかない。20年・30年前のもので当時の購入額は、譲渡額の20%とか30%だったと言うこともあり得る。それを適用されると、とんでもなく譲渡益が発生してしまう。論争になった時に、全く証拠がなければ立場は弱い。 相続人の間で財産を相続する時に、不動産の価値の主張が人によりバラバラならば、まとまる話もまとまらないことになりかねない。 もしもこうしたリスクがあるのであれば、死亡日での鑑定書を残しておくことも考えておくべきだろう。

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2019.05.19
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ステップアップはありがたくない

親から相続した財産を売ることになれば、譲渡益が出る限り税金を考えなければならない。アメリカでは取得コストが相続発生日の公正市場価格に付け替えられてしまう(ステップアップ)。 これにより、財産を譲渡した時に譲渡益が出ないケースが多いはずだが、その逆になることもある。親が株式を500万円で購入している。相続が発生し、その時点での市場公正価格が300万円だった。株式を相続し、そのまま持っているうちに、株価が値上がりして1,000万円になった。ここで、株式を譲渡する。 この場合、取得コストが300万円に付け替えられているので、譲渡益は700万円になる。ステップアップしなければ、譲渡益が500万円なのに、望ましくないことも起きてしまう。 何とかして購入時の500万円の取得コストを使いたい場合は、生きている間に贈与を行う。贈与では取得コストがそのまま贈与された人に受け継がれるからだ。 こうしてみると、ありがたいステップアップもありがたくない結果もあり得る。財産ごとに価値をチェックし、相続と贈与をうまく考えなければいけない。

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2019.05.12
遺産税・贈与税

ステップアップはありがたい

親から相続した財産を売ることになれば、譲渡益が出る限り税金を考えなければならない。簡単な例で言えば、相続した家を1億円で売る。その取得コストが3,000万円ならその差額7,000万円が譲渡益になり、20%の税率だと1,400万円の税金が発生してしまう。 この大きな枠組みがアメリカの相続では必ずしもそうはならない。取得コストの取り方が違うからだ。アメリカでは取得コストが相続発生日の公正市場価格に付け替えられてしまう(ステップアップ)。 相続発生日に家の公正市場価格が1億円だったとする。相続した人がその家を右左に1億円で譲渡してしまう。アメリカの譲渡益はゼロとなるので税金は発生しない。上述の例で言えば7,000万円の譲渡益があっても税金を払うことはなくなる。残された相続人の生活を守ると言う観点ではありがたいステップアップだ。 しかしこの相続をする人が日本に住んでいる人ならば、日本の税金の対象になる。日本ではステップアップはしないので、あくまでも取得コストで税金を計算することになってしまう。

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2018.09.02
遺産税・贈与税

2倍になった遺産税の控除額

Tax Cuts and Jobs Act (TCJA)では遺産税の控除額が2017年$549万から2018年は$1,118万ドルに引き上げられた。これは個人の金額で夫婦だとこの2倍となるので$2,236万ドルとなる。この金額はインフレ調整を受けながら2025年まで継続される。 ドル表示なのでピンとこないかも知れないが、$1=110円として計算すると、1,118万ドルは約12.3億円で、$2,236万ドルでは約24.6億円の控除がある。ちなみに日本の相続税の基礎控除は3,000万円だから、12.3億円だと日本の控除の約40倍の大きさだ。 遺産額が12億円までは税金が発生しないので、ほとんどの米国市民は亡くなっても遺産税の心配をする必要がない。 一方、外国人に関しては、これだけの控除はなく6万ドル($1=110円で約700万円)のまま不変だ。アメリカに不動産を求めた外国人が亡くなってしまうと、6万ドル(約700万円)以下の不動産でなければその恩恵にあずかることはない。ただし日本は相続税条約をアメリカと結んでいるので救いはある。

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2017.12.24
遺産税・贈与税

年末年始で大きく変わる

2018年減税法(The Tax Cuts and Jobs Act)が12月22日に成立した。法人税率を21%まで引き下げることだけでなく、個人においても大きく変わる。その中の一つは、連邦遺産税・贈与税の控除額が2018年1月1日より2倍に引き上げられる。 即ち$5.6百万ドルから$11.2百万ドル($1=110円として$6.2億円から12.3億円)という控除額となり、2025年末まで、毎年インフレ調整が行われ大きくなる。この数字は一人当たりなので夫婦だと$22.4百万ドル($1=110円として24.6億円)となる。 実際には現行の$5.6百万ドル($1=110円として$6.2億円)の控除でも、多くの人には、それだけ財産がないので、使いきれないのが実態だ。 日本に住んでいる日本人には、ストレートにアメリカの控除額を使えるわけではないので、全く同じ控除額というわけにはいかない。しかしながら相続税条約のために、かなりメリットを享受できるはずだ。 本当にお金持ちの人にとっては、2017年と2018年では大きく違ってくる。

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2017.08.13
遺産税・贈与税

ステップアップ

アメリカの相続では、相続財産のコストは相続時点での公正市場価格となる。 例えば、何十年か前に家を買った時に、10万ドルであったものが、現在100万ドルの公正市場価格ならば、コストは100万ドルである。 相続した人が、すぐにその家を100万ドルで売却を行えば、売価=コストなので売却益が発生しない。このように、コストを現状に引き上げるやり方はステップアップと言われ、譲渡益を認識しなくなることがある。 日本では相続した財産のコストは、故人のコストを使うので上記の例では10万ドルのままだ。100万ドルで譲渡した場合は90万ドルの譲渡益が発生してしまう。 贈与では贈与者のコストを引き継ぐ(キャリーオーバー)。生前に贈与が行われた場合は、90万ドルの譲渡益が発生する。日本のケースと同じことになる。 結果的に、贈与ではなく相続した財産を譲渡すると、譲渡益の課税が無くなることがある。となると贈与をするのではなく、コストが高くなっている限り、相続をさせる方が有利ではないかと考えてもおかしくはない。 ただし、市場価格が元のコストよりもさらに値下がりしていることもある。この場合は必ずしもそうは言えない。

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2017.08.06
遺産税・贈与税

贈与を受けた財産のコスト

贈与を受けたものを譲渡する。そのコストはたいていの場合は、贈与者のコストと同一だ。 AさんはXYZ株100株(贈与日で$10,000の時価) をBさんに贈与する。Aさんの取得コストは$8,000だった。贈与税は発生しない。Bさんの取得コストも$8,000のままだ。Bさんが$10,000で株を譲渡すると、$2,000のキャピタルゲインが発生する。 ということは、贈与を行った人のコストを知っていないと動きが取れない。 同じ状況で、Aさんのコストは$13,000だったとする。Bさんが$10,000から$13,000の間で株を譲渡しても利益・損失ともに発生しない。 Bさんが$7,000で譲渡した場合、譲渡損失$3,000 (時価$10,000)となる。 時価が贈与者のコストを下回る場合: 譲渡益あり – 贈与者のコストを使う 譲渡損あり – 贈与時の時価を使う

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2017.07.23
遺産税・贈与税

条件付きの贈与

贈与なのだから、所有権は完全にもらった人のものにならなければいけない。条件が付いた贈与はどうなるのだろうか。 例えば、AさんがBさんに対して、一生懸命勉強して試験に受かればご褒美として$1,000をあげましょうとお金をわたす。ところが試験に落ちてしまったらお金を返しなさいと言う条件が付く。 試験に合格しなければ贈与の約束はなかったことになる。条件付きの贈与は完全な贈与ではないので、贈与とは言えないことになる。 CさんがDさんに対して結婚を約束して指輪を渡す。婚約者と言えども、結婚していないのだから婚約期間中に元に戻りましょうとなり、DさんはCさんに指輪を返してしまうこともあり得る。これも不完全な贈与となってしまう。 EさんがFさんに$30,000相当の自動車をあげる。対価はもらわないので、贈与となる。しかし、それに見合う金銭や相当のものをFさんからEさんがもらうなら、贈与ではなく有償の譲渡になる。一方、Fさんから$5,000の対価をEさんに支払う条件ならば、$30,000と$5,000の差額$25,000が贈与となる。

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