2021年3月

2021.03.28
その他

申告処理の遅れ

この所、昨年の申告で還付申請をしたのだが、未だに還付されていないという声をよく聞く。時間がたつと一体どうなっているのかと思うし、申告内容が適切でなければ、それなりの手紙が来ても良いが、それもなくとにかく時間がかかっている。 IRSは還付がある場合に、過去の未払いの税金があれば、その分の税金を還付額から差し引いて還付する。未払いの税金が還付額より大きい場合、当年に還付額があってももらうことができない。 2021年の処理を先行して還付金を渡したとする。後から2020年の申告を処理し、2021年分での還付金は本来渡せないものなので、還付金を返してくださいと言えないだろう。と言う事は、古い申告書が処理をされないと、玉突きで新しい申告書の処理も遅れていく。 3月23日付のTIGTAレポートを見ると、2020年12月25日現在、未処理の紙での申告は個人法人を合わせて1170万件だ。書類が倉庫の中に山積みになっている。 自分がIRSの職員で、この件はどうなっていると特定の納税者から問い合わせを受けたとする。何百万件もある書類を見て立ちすくみ、その中から、特定の書類を探し出すのは不可能だ。 コロナウイルスの給付金が昨年末から1月にかけて行われ、さらに現在、3回目の給付金お支払いが行われている。コロナウイルスのワクチン接種や治療が最優先課題なので、医療サービスもそこに集中する。結果として従来の病気の診療は後回しになる。これと同じだろう。 申告書の処理だけではない。懸案事項の処理に関しても、IRSはつなぎの手紙を1度ならずと送ってくる。曰く、きちんとした回答をするために必要な処理が済んでおりません。60日以内にお答えをします。現時点では何もしなくてもいいです。これが2度も3度も送られると言うのはどういう事だろう。IRSは納税者の手紙を読んで、きちんとタイムリーに処理をできる余裕がありませんと言っているようなものだ。 申告書の処理がその年のうちに終わり、IRSに手紙を書いて2,3か月のうちに回答が返ってくるような状態になるまでには2-3年かかるのではと言う声も聞く。

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2021.03.21
所得税

Form 1040の申告期限が延長される

3月17日、財務省とIRSは連邦個人所得税の申告期限を5月17日まで延期することを発表した。この延長は自動延長なので申請することは不要だ。納付期限も同じく5月17日まで延長されて、1か月延長に伴うペナルティや金利もつかない。IRSは詳細が近日中に通知されるとしている。 海外からの申告は、もともとの4月15日の申告期限に2か月の自動延長があり、6月15日期限となっている。今回の1か月の申告期限を発射台にして2か月の延長になるのか、6月15日のままで不変なのかは、現時点でははっきりしていない。 なお法人の申告は延長されていない。また、2021年の第1期分の予定納税については4月15日のままだ。これは2020の申告が期限内に終わったと思ったら、2021年の第1期分予定納税は期限後になっているという状況になる。同期させた方がわかりやすいが変更なしだ。 この1か月延長は中途半端ではないかと思うかも知れない。それでも延長されないよりはましだと言うも、この先、この1か月はさらに延長されるかどうかは不明だ。 州税については、見た限りではほとんど連邦税の申告期限と足並みをそろえ、連邦の5月17日期限に同期する。 CA州:同期 CT州:同期 MA州:同期 NY州:同期 OR州:同期 PA州:同期 各州ごとの決定については各州のサイトで確認が必要だ。

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2021.03.14
国際税務

教授条項の廃止

この所J-1ビザを持っている方から、アメリカ入国後2年もたっていないのに、報酬に課税されるが間違いではないかと言う質問を受ける。 これは日米租税条約の第20条のいわゆる教授条項の事だ。日本からアメリカに出かけて大学等で教育や研究を行う対価としての報酬は、従来アメリカに入国してから2年間は、アメリカでの課税は免除されると言うものだった。 これについて2019年8月30日に「所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の条約を改正する議定書」が発効し、従来の第20条の教授条項は廃止となっている。8ページ目の第7条だ。 ただし、改正議定書の発効日の8月30日において現行条約の特典を受ける権利を有する教授等については、同日以後も、その特典を受ける権利を失う時まで、その特典を受ける権利を引き続き有するとしている。 今までは日本の非居住者で、なおかつアメリカで2年間課税の免除と言うのは、両国の課税からすり抜けてしまう所得があったかも知れない。それからすれば、普通の課税関係に入るわけで、わかりやすいとも言える。日米租税条約の第20条廃止に気を付けてアメリカの申告を忘れないでいただきたい。 アメリカの大学のサイトを見ると、依然として日本との租税条約で教授条項が有効と記載しているものもある。個別の国との租税条約の改訂までなかなかフォローアップできないのだろう。

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2021.03.07
所得税

死んでも生きている

アメリカの税務においては、死んだ人でもアメリカへの申告をしなくてはならない。自分は死んだのだから、後は良きに計らってくれとはいかない。 死んだからこの世のすべての義務から解放されるかと言えばそうはいかない。死んでもなお未払いの入院費や薬代、医療サービスのお金は払わなくてはいけない。所得だって生じているケースがある。預金利子や配当が発生し、不動産を持って賃貸所得があれば申告をしなくてはいけない。 その点、アメリカは夫婦合算申告と言う制度があるので、残された配偶者が故人の所得を含めて所得税の申告を行うことができる。亡くなった日を境に夫婦合算申告ができなくなると言う事ではない。あくまでその年の年末日までは生きているものとする。だから、12月31日を基準に婚姻関係を判断するので、夫婦合算申告は可能となる。亡くなった年の申告が最終申告となる。 しかしながら、独身の場合はどうするのか。遺言書で管財人を指定しているので、管財人が故人に代って申告を行う。遺言書がない場合、裁判所の任命する管財人が行う。 現実にはそれで終わらないこともありえる。故人の財産が所得を生み続ける。一方、相続でその財産が誰に帰属するのか決定できないことがある。裁判があって5年、10年と争うこともありえる。故人を代理する遺産財団の管財人が、その間も遺産財団(=故人)として申告を行う。

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