我々は税金の申告をしなければいけないの事をどうして知ったのだろうか。小学校か中学校だかの社会科で憲法では税金を納めること(納税)は国民の義務と言われたからだろうか。どのくらい時間をかけて教えてもらったか、覚えていない。 日本に住んでいる人ならば、日本の社会の中で生きており、アメリカの税金は見たことも聞いたこともないというのに近いだろう。ある日突然、アメリカの申告をしなければならないことを知り愕然とする。日本の確定申告だってよくわからないのに、ましてアメリカの申告書を学ぶ機会は殆どない。 アメリカの税金について、習っていなかったことが免罪符になり、申告をしなくても良いというわけには行かない。 動物だって、赤ちゃんが生まれてすぐ、一人で生きて行けない。親が子供に生きるすべを教え、子供が生きていく能力を身につけて、親から離れていく。何も知らない子供が親からいきなり水の中に投げ込まれ、バタバタしている間に泳げるようになるのでよいのだろうか。 どうこう言っても、残念ながらIRSは日本語でアメリカの税務を学ぶ機会をほとんど提供していなかった。IRSのサイトもスペイン語、ロシア語、中国語、韓国語、ベトナム語のページがあっても日本語のページは見たことがなかった。それだけニーズが低いからだろう。 しかしながらこの9月に初めてIRSのサイトに日本語のページが登場した。人類が初めて月に降り立ったような感覚になる。今後の大きな発展を期待したい。
Form 8854を提出しなかったり、FBARの申告をしていないとか、遅れて申告をする。遅れて提出をする時に、なぜ遅れたのかという合理的な説明をする理由書を提出するように言われることがある。事情を汲んでペナルティを減額する事もあるからだ。 FBARの提出遅れは次の選択肢から選ぶようになっている。 • 忘れていた • 申告する必要があるのを知らなかった • 金額が申告要件以下だと思った • 外国口座だと知らなかった • 口座の報告書を無くしたり期限内にもらえなかった • 情報が不十分で、それを入手するに時間がかかった • 配偶者のサインを期限内にもらえなかった FBAR以外はこうした選択肢はなく、遅れるに至った合理的な説明を求められる。 1.何がいつ発生したのか 2.どんな原因でそうなったのか 3.どうして期限を守れなくなったのか 4.どんな努力をどれだけしたのか 5.状況が変化した時に、どのようにリカバリーしたのか 自分の責任によらず、外的な理由といえば、自然災害(地震・火事・台風・水害など)、病気、戦争、内乱等だろう。しかし、病気ならば第三者の証拠書類を求められる。なかなか難しい。 2019年分の申告書の提出でいえば、コロナウイルスを理由にして、何ヶ月か遅れましたということは言えるかも知れない。だけども3年も、5年も申告書を提出していないことの合理的な理由とはならないだろう。 自分としては善管注意義務を果たして、やるべきことをやった、落ち度はなかったと言いたくても、説明は難しい。申告の義務を知らなかった・日本に申告をしていたので十分だと思っていた・忘れていた等が正直なところではないだろうか。 初めてのことならば、まあまあということもあるかも知れない。しかし、2回も、3回も同じことが起きている場合、事情を汲んでもらえるかどうかは難しい。
10月15日が、2019年の個人所得税の延長申請をした場合の最終申告期限だ。 申告書の作成で苦労するというのは致し方ない話だ。やっとの思いで申告書を作成し、税金を支払うために銀行に出かけてドルの小切手を作ってもらう。数年前までは面倒だと思ってもそれなりにできていた。 今はどうなのか。 納付する税金のドル小切手を作ろうと銀行に行く。払い込み先をIRS指定のpayable to U.S. Treasuryとすると、銀行は小切手作成に応じてくれない。相手先の銀行口座への振込しかできない。ならば郵便局に行って国際郵便為替証書を作成してもらおうとするも、取り扱いがなく応じてもらえない。 全く手がないわけではなく、IRS向けの支払いならば、IRSのサイトでオンラインでの支払いを選択して、クレジットカード払いもできる。いろいろ記入しなくてはならず一手間かかる。 申告をして還付金を受け取ることもある。外国向けにはIRSはドル小切手を送付してくる。さて、この小切手を都市銀行に持ち込んで円に換えてくださいと言う。もう2年前からそのサービスは無くなりましたと言われる。Prestia(SMBC信託銀行)のみが可能な状態だ。ドル小切手をもらっても、換金できずに机の引き出しに入れてしまうと、あっという間に1年が過ぎてしまう。小切手の有効期間が過ぎてしまい、期限切れのままでは換金ができなくなる。 郵便局でアメリカ向けに郵便を送ろうとEMSのサービスを申し込もうとしても、アメリカに書類を送るサービスは4月以来停止されたままだ。Private Delivery Serviceを使うしかない。 申告書の作成以外にいろいろ手間がかかることがある。
NYタイムズの記事によれば、トランプ大統領の納付した個人所得税の税額は、2016年と2017年には連邦個人所得税は$750だ。年間8万円程度の税金を払っている。2000年から2015年の15年で10年は$0となっている。Factbaseによれば2017年の所得は約$6億だ。$1=100円としても600億円以上で、数字が大きすぎて計算するのも大変だ。しかし、損失が出て課税所得がなければ税金を払わない。税法に合致して損失をうまく使っているのだろう。 アメリカ人は一体どのくらい税金を払っているのだろう。 この資料では、アメリカの平均値は2018年では総所得$78,635で連邦税が$9,032、州税が$2,285、その他$78の合計$11,394を納税している。 Source: Consumer Expenditure Survey, U.S. Bureau of Labor Statistics, September, 2019 $750というのは、2017年の税額表では課税所得が$7,500と言う事になる。国のトップとなるリーダーが、ほとんど税金を払っていないと言う事は、どのように説明できるのだろう。
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