アメリカの税金は自動車の運転免許証のように、18才以上でなければ申告できないと言ったことはない。あるいは年齢が高くなり、運転免許証を返納して自動車を運転しないように税金を卒業することもできない。年齢にかかわらず、一定の所得があれば申告をしなくてはいけない。 親にしてみれば子供を扶養家族として入れているので、何もしなくても良いと考えるかも知れない。しかし所得があれば申告をしなくてはならない。 こうした場合には、親が子供のために申告を行う。親が子供の申告書を作り、親とか後見人がサインする。 但し、子供の所得金額が一定額に達しない場合は申告をすることを要さない。 2022年ベース(=2023年に申告) 働いて得たお金:$12,950 利子や配当など:$1,150 子供がForm W-2をもらっていることがある。しっかり連邦税や州税を源泉徴収されている。こうした場合は、申告要件に満たない場合でも、申告を行い源泉徴収分の還付を申請できる。 さらに、子供の所得を親の申告書に加算して申告を行い、子供は自分の申告書を提出しないやり方が許されている。 子供の所得は利子・配当・譲渡益に限定される。その他にも、いくつか条件があり、年齢で言えば子供は19歳未満(フルタイムの学生なら24歳未満)となる。
紙の申告に比べて電子申告の簡便さは比較しようもない。還付金だって早くもらえるし、紙の申告書にサインしてアメリカに郵送する煩わしさもない。 もちろん電子申告ができない申告がある。電子申告ができるはずなのに、電子申告がうまくできないこともあり得る。申告要件や技術的な問題に起因するなら仕方がない。 何の問題がないのに、申告をしてみたら、何と申告書が受け付けられないこともあり得る。例えば、既に申告がなされていると言う。 自分では申告をしていないのに、申告書が既に申告されていて受理できないとはどういうことだろう。 申告書は名前とSSNで初めにチェックされている。とすれば誰かがSSNの番号を一桁間違えたり、数字を倒置させたりすることがあるかも知れない。しかし、日本人ならばローマ字の綴りが長い。全く知らない第三者が自分の名前を申告書に間違えて記入できるかと言えば、ほとんど不可能だろう。さらにSSNまでがぴたりと一致することは考えられない。自分だけではなく、配偶者や子供まで及んでいるとなるとこれはあり得ない。 2021年分では$1,400/人のコロナウイルスの給付金がある。これをそっくり持って行かれる。なんともひどい話だ。 もしもこうした話に巻き込まれたら、次のサイトが助けになる。 Taxpayer Guide to Identity Theft Tax-Related Identity Theft 自分の情報をすっかり盗まれてしまうことがないように、十分に注意が必要です。
アメリカのコロナウイルスの給付金のドル小切手をもらって、机の中に入れて忘れていないだろうか。 2020年では$1200と$600での2回小切手が発行されている。最近は$1=130円あたりなので2枚合わせると、23万円程度もらえるはずだ。 そこで、机の中から小切手を探し出して銀行に持って行く。日本国内でドル小切手の現金化の案内がある。 しかし、銀行は小切手の買取に応じてくれない。小切手の有効期間が過ぎてしまっていると言う。 確かに確認してみると小さな字で金額があるところの下にVOID AFTER ONE YEARと書いている。財務省の発行する小切手は発行日から1年間有効で、州の還付小切手は6カ月しか有効でないこともある。 23万円がただの紙屑になってしまった。困ったと思うかも知れないが、もう一回、新しい小切手を発行することをIRSに依頼することができる。 「これこれの理由によって小切手を現金化する前に1年過ぎました。お手を煩わせてすみませんが、新しい小切手を送ってください」と手紙を書く。期限切れの小切手の裏側にVoidと記入して、手紙と共に発行元に送る。 新しい小切手を日本にいつ送ってくれるかは、現状では時間がかかると見た方が良いだろう。新しい小切手を入手したらすみやかに銀行に持ち込む。 2021年に$1,400の小切手も発行されている。これも1年をすぎないように注意が必要だ。
申告関連の仕事をすべて電子申告で処理できるとありがたいのだが、必ずしもそうはいかない。仕方なく郵便局に行ってIRSに書留やEMSで書類を送ることがある。日本からはテキサス州の処理センターに送付する。 あて先はIRSのサイトに次のように書かれている。 Department of the Treasury Internal Revenue Service Austin, TX 73301-0215 この住所は、日本で言えば“東京都東京都庁”のような書き方だ。郵便局ではちゃんとした地番がわからないと困るので、きちんと記入してくださいと求められる。United States Postal ServiceはIRSのサービスセンターに、固有のZIPをつけているので大丈夫といってもらちが明かない。 IRSのサイトで地番を探すと次のように書いている。 Austin - Internal Revenue Submission Processing Center 3651 S IH35, Austin TX 78741 日本からはTX州Austinに送付する。これで大丈夫だろうと思いきや、電話番号が書いていないとダメだという。インターネットで探しまくり、コスタリカの米国大使館で下記の電話番号を発見する。 For Courier Service (DHL, FedEx., UPS, etc…) IRS 3651 S. IH 35 Austin, Texas 78741 Phone: (512) 460-7948 さて、やっとこれで何とかなると思ったら、あて先は手書きでは受け付けてもらえない。 <米国宛て> 手書きラベルでは通関電子データが送信されないため、引き受けができません。 と言う事で国際郵便マイページサービスに入り、ラベルを作成する。 これでやっとの事で出口に出られると思ったら、国際郵便は配達に時間がかかり、いつ到着するかは明言できないとのこと。 こうして苦労して提出した書類はIRSの倉庫に保管される。コロナウイルスのため、一体、IRSがいつ処理をしてくれるのか読めない。2022年になってまだ1,640万件の個人所得税関連の書類が未処理だと言う。これじゃ、どうみても1年はかかるだろう。戦争のためにさらに国際的な物流が混乱する。コロナウイルス、戦争とその影響は計り知れない。このところ、ごく当たり前だった日常が、実は危ういものに乗っていた脆弱なものかと思えてしまう。
申告内容を間違える、ミスがあるという事は避けようがない。完全で誤りがないのは理想だが、人間の行うことで、間違いを修正しなければならないと言うのはしかたがない。 情報申告のFBARで、申告するべき口座を申告しなかった・残高を間違えていた・為替レートを間違えていた・転記ミスがあった等々が起きることがある。 FBARも修正申告をできるようになっている。 修正するためには、FBARの申告用紙Form 114の3ページ目の行番号1の所に、修正する対象年とAmendにチェックを入れる。さらにその右側にオリジナルのIDナンバーを入れなくてはならない。 オリジナルのID?そんな番号があったっけ?と思うかも知れない。FBARを送信してConfirmationも残してある。それを見ればわかるだろうとチェックしてもそれらしい番号はどこにもない。 実はFBARを送信してからFinCEN はメールで受信結果をメールで通知してくれている。その中に書いてある。 Type: FBARX Receipt No.:FX22-00XXXXXX Filing Name: 2021-XXXXXXX Your FBAR submission has been acknowledged by FinCEN and assigned the BSA Identifier: 3100021XXXXXXX. といった情報が含まれている。FBARを修正しなければならない時は、この Identifier番号を記載することになる。 さて、FBARの申告が終わったところで安心してしまっている。FinCENからこうしたメールが届いているなんて思いもかけていない。古いメールも削除されてしまっている。修正できないではないかと頭を抱えてしまうかもしれない。 FinCENのデータベースで最終的には確認できる道は残っている。これも簡単には行かない場合は、この番号にゼロを14桁入れてくださいとIRSは言っている。
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