税務上、アメリカ居住者となるのはアメリカ市民権やグリーンカードを保有する場合の他、アメリカに実際にいる日数で決まる。183日テストだ。 アメリカにいる日数をカウントするのだが、次のような例はどう考えるべきか。 1週間、10日の予定でアメリカに入った人が、アメリカで病気や事故にあってしまう。アメリカの病院に1年も入院してしまったとすれば、183日よりも日数は多くなる。 しかしこの場合は、1週間、10日で帰国するという本人の意志とは無関係に、アメリカで動けなくなっている。こうした状況で、アメリカの居住者となってしまうのか。いくら何でも本来の趣旨ではないわけで、こういう日数は除外される。 また、Form 2555でForeign earned incomeのexclusionを取るために、外国に330日以上居住していることが必要だ。 この場合でも、天変地変とか戦争、内乱でその国に住んでいたくても出国せざるを得ないことがある。これもやむを得ない事情があるわけで、330日基準を満たさなくても、Form 2555を使える。IRSがその対象国のリストを発表する。 日本に居住しているアメリカ市民やグリーンカードホルダーなどが、台風や水害などで被害を受けたとする。日本の家にはしばらく住めないために、国外に避難したとする。これもやむを得ない事情があるわけで、330日基準を満たさなくても、Form 2555を使えないとおかしいと思える。しかしIRSが日数条件を外す対象国に日本を認定してくれるかどうかだ。
7月にIRSは仮想通貨の所得を正確に申告していないとする1万人に警告の手紙を送っている。さらに2019年版のForm 1040, Schedule 1のドラフトがIRSのサイトに掲載された。これを見ると仮想通貨の課税強化に一層、踏み込んできているのがわかる。 Part 1の上の部分にチェックを入れる場所ができた。 “At anytime during 2019 did you receive, sell, send, exchange or otherwise acquire any financial interest in any virtual currency?”. この設問にYes かNoで答えさせる。 Form 1040に仮想通貨による所得がない、あるいはSchedule 1を記入するところがなくとも、この設問には答えなければならない。かくして、Schedule 1は提出することになる。
2018年申告の提出期限は、既に延長申請をしている場合は10月15日となる。あと2~3日しかないわけだが、何としても期限内に申告を完了したい。 紙の申告書を使っている場合、日本からだとこの時点で間に合わないと諦めてしまう方もいるかも知れない。しかし、発信主義を取るので15日の消印があれば期限内申告となる。申告書がアメリカに到着していなくても良い。そう考えるとまだ3日もあるではないかと言う事になる。 でも、どうやっても15日に間に合わない場合もあるだろう。期限を越えるとペナルティの対象となる。しかし、それは税額が発生するからだ。この場合は、とにかく一日でも早めに申告をする。 税額が発生しない、あるいは還付になることもある。この場合は、ペナルティはない。還付金が戻ってくる時期が遅くなるのを問わなければ、申告書の提出は10月一杯でも、11月でも12月でも良い。 とにかく10月15日を越えてしまったら万策尽きてしまうのか。日本で税金を払っていれば、アメリカに税金が発生しない可能性はかなり高い。書類だけの提出となれば10月15日を越えてもなんとかなる。
IRSは年間2億件の通知や手紙を発行していると言われる。きちんとした住所が記載されていない場合、郵便物は配達されず、郵便料金や職員の時間、費用の損失は大変なものになる。 それにしても2億件を365日で割るとざっと一日で55万件、300日稼働だと一日66万件とかになる。2018年には1,400万件の手紙が届かず、金額的損失は4,300万ドル(約45億円程度)と言う見積もりもあると言う。その分、IRSは本来のサービスを行う時間・コストが失われるので、もったいない。 日本へ送付されている手紙がアメリカから直接、日本に来ていないことが散見される。どういうわけか、イギリスから来たり、エストニアから来たりしているものがある。単に、間違えて発送されただけかも知れないし、日本はどこかヨーロッパの国だろうと思われているのかも知れない。 手紙をやめてオンラインにすればよさそうだが、インターネットだと何が起きるかわからない。人間のやる事にエラーはつきもの。せめて申告書提出時には住所をしっかり確認したい。
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