グリーンカードを持った人が、日本に帰国してしばらく日本に滞在した後に、アメリカにグリーンカードホルダーとして再入国しようとする。その時に入国管理官からアメリカに長期間滞在していないので、グリーンカードの放棄を求めらることがある。 自ら進んでグリーンカードを放棄するか、仕方なしにグリーンカードを放棄するかは別に、グリーンカードを自らの意思で放棄しますと書類にサインしてしまう。 ところで、グリーンカードを放棄すると税務上の影響はどうなるのか、入国管理官がきちんと説明をしてくれるかどうかはわからない。 グリーンカードの税務に加えて、一定の条件に合う人が放棄した場合に出国税の対象となる。一口で言えば、グリーンカードを持っている時に値上がりしている資産(不動産や株式等)はグリーンカード放棄時点で課税を受ける。例えば、5000万円で買った不動産が2億円に値上がりしていると、含み益の1.5億円が課税対象になる。アメリカの不動産に限ったことではなく、日本を含む全世界の不動産(財産)が対象だ。 含み益に対する課税を行うので、実際に財産を譲渡しているのではない。お金が手元にないことがあり得る。その場合、税金を払うために、自分が住んでいる家を手放さなければならないとなれば、大変なことになる。もちろん、出国税の条件があるので、すべての人が出国税の対象となるわけではない。 税務上の影響もあるので、空港でのグリーンカード放棄は慎重に行うべきだ。
このところ、9月中旬に3日間開かれるNPO法人JSEAのタックスセミナーの準備で忙しい。早いもので今年で14年目となる。カリフォルニア税理士協会から1名と、ハワイから2名、国内からは1名と経験豊かな4人の先生の講義がある。 (2017 Tax Seminar in Japan) 期日:2017年9月16日(土)から18日(月)の3日間( 9時から5時まで) 場所:中野サンプラザ8階研修室 講義: 9月16日 9:00-10:40 ①Mortgage Interest and the Limits of Deductibility 10:50-12:30 ②Deductible or Not If So Where 1:30-3:10 ③US trust and Japanese Trust 3:20-5:00 ④Estate and Transfer Tax 9月17日 9:00-10:40 ⑤Business Taxes for the Novice 10:50-12:30 ⑥Representation Preparation Perspiration Ethics 1:30-3:10 ⑦Setting up a Hawaii branch of a Japan corporation 3:20-5:00 ⑧Sharing Economy 9月18日 9:00-10:40 ⑨Real Estate Professionals Do They Really Exist 10:50-12:30 ⑩Recognizing When a Return is Ripe for Audit andDealing With It 1:30-3:10 ⑪Quick review and Practice of Form 2555 3:20-5:00 ⑫Quick review and Practice of Form 1116 セミナーのご案内書 us-tax-seminar-2017-ver2
アメリカの相続では、相続財産のコストは相続時点での公正市場価格となる。 例えば、何十年か前に家を買った時に、10万ドルであったものが、現在100万ドルの公正市場価格ならば、コストは100万ドルである。 相続した人が、すぐにその家を100万ドルで売却を行えば、売価=コストなので売却益が発生しない。このように、コストを現状に引き上げるやり方はステップアップと言われ、譲渡益を認識しなくなることがある。 日本では相続した財産のコストは、故人のコストを使うので上記の例では10万ドルのままだ。100万ドルで譲渡した場合は90万ドルの譲渡益が発生してしまう。 贈与では贈与者のコストを引き継ぐ(キャリーオーバー)。生前に贈与が行われた場合は、90万ドルの譲渡益が発生する。日本のケースと同じことになる。 結果的に、贈与ではなく相続した財産を譲渡すると、譲渡益の課税が無くなることがある。となると贈与をするのではなく、コストが高くなっている限り、相続をさせる方が有利ではないかと考えてもおかしくはない。 ただし、市場価格が元のコストよりもさらに値下がりしていることもある。この場合は必ずしもそうは言えない。
贈与を受けたものを譲渡する。そのコストはたいていの場合は、贈与者のコストと同一だ。 AさんはXYZ株100株(贈与日で$10,000の時価) をBさんに贈与する。Aさんの取得コストは$8,000だった。贈与税は発生しない。Bさんの取得コストも$8,000のままだ。Bさんが$10,000で株を譲渡すると、$2,000のキャピタルゲインが発生する。 ということは、贈与を行った人のコストを知っていないと動きが取れない。 同じ状況で、Aさんのコストは$13,000だったとする。Bさんが$10,000から$13,000の間で株を譲渡しても利益・損失ともに発生しない。 Bさんが$7,000で譲渡した場合、譲渡損失$3,000 (時価$10,000)となる。 時価が贈与者のコストを下回る場合: 譲渡益あり – 贈与者のコストを使う 譲渡損あり – 贈与時の時価を使う
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