2023年4月

2023.04.30
所得税

日付が気になる

いろいろなケースで日付が気になることが度々ある。株式や不動産などの譲渡によるキャピタルゲインだ。 譲渡が行われていることが条件なわけだから、いつ譲渡が行われたのかと言う事になる。契約した日、最終的に支払いが行われて受け渡しが行われた日が譲渡の日なのか。 契約成立の時点と、最終的な受け渡しの時点では時間差がある。不動産の場合、契約した日から最終的にその受け渡しが完了するまで時間を要する。年末ではX年の申告書で計上するのか、X+1年の申告書上で申告するのか、ここで別れてしまう。 不動産の譲渡を報告するForm 1099-Sのボックス1では、Date of closingと記載されている。売却は、エスクロー/権原会社によって譲渡証書が記録される特定の日に「終了」、つまり最終的なものになる。その瞬間まで、販売は終了していないため、最終的なものではない。その時までは、取引を取り消すことができ(契約に応じてペナルティの有無にかかわらず)、そのため、売却はまだ確定していない。 キャピタルゲインの税率が1年未満の短期と1年以上の長期では異なる。自宅を譲渡した時に、過去5年間で2年以上、その家を所有して、居住していると譲渡所得から25万ドル(夫婦で50万ドル)の控除を取れる。申告年が異なると、所得の大きさにより税率区分が変動する。 微妙なところで条件を満たす・満たさないと言うこともありえる。

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2023.04.23
その他

楽器の減価償却

ピアノやバイオリンと言った楽器を購入した場合に税務上どう減価償却するのか。自分の趣味でこうした楽器を購入しても、事業としてピアノやバイオリンを弾いているわけではない。趣味だけで音楽を演奏することは事業活動ではないため、楽器の購入などの費用は控除できない。 これが事業としてピアノやバイオリン等を教える場合は事業用資産となる。事業活動なので、楽器のコストを償却することができる。ただし、IRSは5年のうち3年で利益を上げない限り、その活動は趣味と見られるかもしれないと言うが、損を出していても事業だ。 そこで楽器の減価償却を取ろうと、IRSの減価償却の表でピアノやバイオリンを探してみる。しかしながらそうした楽器を直接的に探すことができない。あえて違和感が残りつつ耐用年数を7年と見る。あるいは1年で費用として、2023年では $1,160,000を限度に控除する事もできる。 さていよいよわからないのは古い楽器だ。プロの音楽家が使用するアンティークの楽器に減価償却が認められるのか。 問題になるのは楽器の耐用年数をどう見るのか、楽器は価値が下がるのではなく逆に価値が上がっている。興味本位の世界でしかないが、バイオリンのストラディバリウスだとかガルネリウスとかは17世紀から18世紀に制作され、資産価値になると天上界の話で実感がない。楽器と言うよりは芸術作品と捉えるのが良いのだろう。 税法上は、楽器の耐用年数を確立できる場合には減価償却できる。楽器も劣化したり摩耗するのは避けられないはずだ。しかし、大変な注意が払われてメンテナンスされているのだろう。芸術作品となれば時間と共に価値は減ずると言う事もない。 貴重なアンテークの楽器ではIRSは控除を認めないと言われる。減価償却にはなじまない話で、それゆえにIRSの減価償却のリストには楽器が載っていないと言う事か。

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2023.04.16
所得税

申告延長のForm 4868

今年は4月18日が連邦税の申告期限だ。海外から申告をする場合は2か月の自動延長がついて6月15日が申告期限だ。 日本(海外)からの申告は、まだ2か月あるので大丈夫だが、アメリカに住んでいる方の場合は時間がない。申告期限までに申告書を提出できない場合は、Form 4868を提出して申告期限の延長を行う。この時に本来、納付すべき税額があればその税額を支払う。 フォーム4868には2つの部分しかない。パートIでは、名前、住所、社会保障番号を入力する。結婚していて、夫婦合算で申告する場合は、配偶者の社会保障番号も記入する。 パートIIの4行目は、総納税義務の見積もりを記入する。5行目は給与の源泉徴収額や予定納税ですでに支払った税額を記入する。払った税額を差し引くと6行目で支払額が得られる。 7 行目に、支払う準備ができている金額を入力する。必ずしも全額を記入することはないのだが、支払い遅延のペナルティや利息を避けるために、できるだけ多く支払う。 8行目では、米国市民又はアメリカ居住者が海外に出ている場合にチェックする。最後の行(9行目)では、納税申告書1040NRまたは1040NR-EZを提出する場合にチェックする。 5分もあればお終いになる。これだけでペナルティを回避できるなら使わない手はない。 税額をきちんと計算できない場合はどうやって税額を予測するか。 2022年の所得が2021年とほぼ同じな場合は、2022年の税額もほぼ同じと推定できる。 2021年の納税申告書の24行目が今年も同じと推定してし、2022年にすでに支払った税金(源泉徴収されたものや予定納税)を差し引いて納付額とする。 もう少し時間があればIRS 1040-ESワークシートで税額を計算することもできる。これを使用すると、昨年の収入や状況が大幅に変化した場合に役立つ。 いよいよ時間がなく合理的に推定もままならない場合は、見切って多めに支払っておく。4月18日までに本来納付するべき税額の90%以上が支払われて、申告時に残額をきちんと払えば支払い遅れのペナルティはない。

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2023.04.09
所得税

海外から申告に2か月の申告期限の延長

今年のアメリカの個人所得税の申告期限は4月18日だ。しかし、海外から申告を行う場合、即ち日本から申告を行う場合、2か月の期限延長があり申告期限は6月15日だ。 IRSは次のように言う。 You are allowed an automatic 2-month extension to file your return and pay federal income tax. 申告書の提出期限を延ばしてくれるし、支払いも2カ月延ばしてくれる。海外にいるとありがたい話だなあと思う。 なぜ2か月の期限延長を自動に認めてくれるのだろう。正しいかどうかは定かではないが、次のような事情もあったのだろう。 アメリカは過去100年をみても、戦争を何度も経験している。戦地はアメリカ国外だ。アメリカのために命をかけて働いている人が、ケガをしたり命を落としたりする。それでも申告はしなければならないが、国内にいる人と同じ締め切りで良いとは言えないだろう。 戦争だけではなく、外国に住んでいれば特に昔は、電子申告もあるわけではなく、船便でアメリカに申告書が送られる。期限内に郵送してもアメリカに着くまでに1,2か月かかることもあったのだろう。国内で暮らしている人とは置かれている状況が違う。 申告書を提出して納税することを2か月自動延長してくれるのはそれなりの配慮だろう。そこまでは良い。しかし、読み進めると次の文章が出てくる。 Even if you are allowed an extension, you will have to pay interest on any tax not paid by the regular due date of your return. 申告期限が税金の納付期限と言ったけど、金利は払ってもらいますよということだ。 海外にいる人に対して、理解を示してくれるところまでは良い。申告書を2か月遅れて提出してもそこは不問に付す。ところが税金の支払いになったら、ちゃんと金利を払ってくださいと言う。確かに理屈としてはその通りかもしれない。 日本から申告を行う場合、2か月の申告期限の延長があり期限は6月15日だ。

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2023.04.02
所得税

遅れてForm 2555を提出できるのか

申告書を提出しなくても良い場合として、所得が申告基準に満たないことがある。それはわかりやすいとして、所得が申告基準を越えていても控除により、課税所得がゼロになるような場合だ。 Form 2555は外国勤労所得を控除してくれる。2022年分の申告では、条件を満たせば$112,000まで控除できる。 Form 2555によって課税所得がゼロとなり税金は発生しない。だからForm 1040もForm 2555も提出しないと考えてしまうと、これは正しくはない。Form 2555を提出して課税所得がゼロになるのだから、それを反映したForm 1040を提出しなければならない。 これらの書類を提出しないと、IRSから見れば課税所得があるにもかかわらず、申告書を提出していない無申告の状態でしかない。これはそのまま見過ごすことはできないと言う事になる。 Form 2555で課税所得がゼロと考えて申告書を提出していないので、今から申告を行いたいと考える。過去に遡っての申告はもちろん可能だ。しかし、遅れて過去の申告を行う場合、Form 2555は提出できるのか。これを使えないと大変影響が大きい。 権利を使うことができる条件を満たしているならば、まずはその権利を使える。しかしながら権利を行使できる期間が存在する。その期間が過ぎてしまえば、権利行使はできないのではと思える。 申告書の提出が1年以上遅れても、次の場合にはForm 2555外国所得控除を選択できる。 ① Form 2555を使うと税額は発生しない。Form1040とForm 2555を提出する。 ② Form 2555を使っても税額が発生する。この場合でも、IRSが先んじて納税者がForm 2555を使う選択をしていないことわかっていない場合、Form1040とForm 2555を提出して税額を納付する。 ③ Form 2555を使っても税額が発生する。IRSが納税者がForm 2555を使う選択をしていないことを知っている場合、遅延除外を申請して裁定を求める。 こうしてみると、1年以上時間が経過していてもForm 2555を使える事が多いだろう。これらのいずれかで所得税申告書を提出する場合は、フォーム1040の最初のページの上部の空白欄に「セクション1.911-7(a)(2)(i)(D)に従って提出」と記載する。 Form 2555により課税所得がゼロとなり税金は発生しない。だからForm 1040もForm 2555も提出しないとは考えないことだ。

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