もともとFBARの申告期限は2014年分までは6月30日だった。申告期限の延長もなかった。しかし、2015年からは申告書の申告期限と同じとなって4月15日となった。海外からの申告期限は2か月の猶予があり6月15日だ。 今年はコロナウイルスのために、申告書の申告期限が7月15日まで延期された。FBARも同期して動くので、期限は7月15日だった。 7月15日でも申告ができない場合は、Form 4868で延長申請を行う。しかしながら、FBARの延長申請書はどうした?と心配されるかもしれない。 Form 4868を提出する、提出しないとは関係なく、FBARは自動的に10月15日まで延長が認められている。FBARに関しては延長申請を行ってリクエストすることがない。
7月15日までに申告書を提出できなかった。そこで、Form 4868を提出し、支払うべき税額を納付して10月15日までの延長申請を行った。これで、10月15日までに申告を行い、納付した税額が過大な場合は、還付金が支払われる。納付額が過少の部分には過少支払いのペナルティが発生する。 延長申請を行わなかった。この場合は7月16日からのペナルティが発生する。申告書を提出しないペナルティ・税金を納付しないペナルティ・金利等だ。 日本で申告し税金を納付していると、外国税額控除等によりアメリカの税金が発生しないことがある。だからアメリカに申告をしなくても良いとはいかないのだが、この場合は、アメリカには書類だけの提出となる。 ペナルティ、金利は支払うべき税額×5%とか10%と計算され、加算される。と言う事は支払うべき税額がない限り、ペナルティ、金利は発生しないと言う事になる。即ち、7月15日までに延長申請を行わずにアメリカに申告したとしても、アメリカの税額が発生しない場合はペナルティ、金利を心配することはない。 納付する税額がある場合は、一日も早く申告をすることだ。納付すべき税額に1か月で5%、2か月で10%といったペナルティが発生する。
FBARとFATCAはほとんど同じだと思うだろう。確かにその通りなのだが、いくつか違う点がある。その一つが外国年金の報告だ。 基本はどちらも報告の対象なのだが、FBARは報告者が持っている金融機関の口座を報告する。と言う事は会社等が従業員のためにかけてあげる退職年金口座が、個人の口座になっていなければ報告の対象からは外れる。 一方、FATCAではそうした年金であっても報告対象にする。最大金額は12月31日の公正市場額となる。 だが、その金額をどう把握するのか。この金額がわからない場合は、その年に支給された年金額を書く。この金額もわからないし、支給された額もなければゼロと書く決まりだ。 国が支給する公的年金は、いずれも報告を要さない。既に年金を受給して預金口座の中に含まれているならば、その口座の残高として報告する。 FATCAの方が面倒に思えるかも知れないが、その報告はForm 1040の一部分を構成する。FBARはForm 1040の一部分ではない。それ故に、年金等の残高がいくら大きくても、そもそもForm 1040の申告要件に満たなければ、FATCAの申告は不要だ。
グリーンカードの放棄を行えば、放棄の時点でアメリカの税務上の居住者を終了する。放棄日が2020年6月30日だとする。税務上、2020年1月1日から6月30日まではアメリカの居住者であり、7月1日からはアメリカの非居住者と考える。 しかし税務上、アメリカ居住の終了日は2020年の12月31日とされる。その年の最終日までが居住者として扱われるのが基本となる。 それはおかしいと思うかも知れない。6月30日を居住終了日とするためには、IRSにステートメントを出さなくてはいけない。年の途中でアメリカの非居住者になった、それ以降Tax Homeが外国にあって外国とより密接な関係があるとかいろいろ書いて宣言を行う。宣言をして認めてもらえないと、6月30日にアメリカの非居住者になったとは言えないという仕組みとなっている。 これはグリーンカードの所有者だけではなく、長期間アメリカに居住していた人も対象となる。 ステートメントを提出しないとその手間がない。2020年の通年を居住者として、Form 1040だけで申告できるなら、夫婦合算申告ができ、標準控除も使える。一方で年末までの全世界所得が課税の対象となる。 宣言をしてForm 1040+Form 1040NRの形(Dual Status)なら夫婦合算申告はできなくなるし、標準控除を使うことができなくなる。非居住者になればその期間の全世界所得ではなく、非居住者期間に対応するアメリカ源泉所得を申告する。 どちらが好ましい結果を生むのかどうかはケースによる。
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