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市民権課税

2024年07月07日

アメリカの市民権やグリーンカードを取得する時に一体、アメリカの税金をどれだけ考えて取得しているか多くの場合は疑問を持つ。極論すれば税務の事にはほとんど関心がないのではないかと思える。

もっと極端なケースはアメリカで出生したことでアメリカ市民となっている人だろう。自分が生まれてきた場所がアメリカだったということは、自ら選べるものではない。だが、その事実を持ってアメリカの税の世界に取り込まれる。それでも、出生から大人になるまでずっとアメリカで生活していれば、アメリカの税金に触れる事があり、それなりの認識も深まるはずだ。

しかしながら、アメリカで生まれたのだが、親がアメリカでの仕事が終わり、幼少時に日本に帰国してしまった。それ以来、アメリカには足を踏み入れたこともなく、自分がアメリカ市民であるという認識すら持っていない。

アメリカは税務上の責任について、何らかの教育や知識を与えてくれているのだろうか。例えば、交通信号は青信号では進み、赤信号では止まる。これは教育受けたから知ったのか、社会生活で知ったのかはわからない。アメリカにいれば申告や納税をすることは常識でしょうと言われるかもしれない。

しかしながら日本にずっと住んでいる人にはアメリカの税金と直接的な接点もない。そしてある日突然、アメリカの申告をしなければならない。申告をしていないことにペナルティがかかると知ったら、理不尽と思うに違いない。わかっていて申告をしていないことに申し開きはできないけど、全く知らないアメリカの申告・ペナルティと言われても困ってしまう。

状況はどうであれ、アメリカから見ればアメリカ市民の基本的な義務は申告・納税する事だから、申告をしなくてもいいですよとは言えない。知らない事を免罪符にすれば、アメリカに住んでいるアメリカ市民が申告をする事を知らないと言えば、申告・納税をしなくても良くなってしまうようなものだ。

外国に住んでいる人間は、全体から見れば少数の例外であり、例外を基準にして全体を変えるわけにもいかない。もちろん、血も涙もないわけではなく、個々の事情により救ってあげましょうという道があることは確かだ。

そうすると、出口としてはアメリカの市民権を放棄するということになってもおかしくはない。ただその場合でも、出国税が待ち受けており少なくとも過去5年の申告の実績、未払いの税金がないということを確認される。

アメリカの市民権を放棄しないのであれば、アメリカの税金の申告を行い、未払いの税金を納付し、当年度からはしっかりアメリカに申告を行わなければいけない。

若い世代ならば、今からアメリカに渡りアメリカ市民として自分の道を切り開く事も考えるかもしれない。然し50才、60才になって今からアメリカに渡り未知の世界を切り開くというのも容易ではないはずだ。

アメリカの市民権課税と言う仕組みはつくづく面倒なものだと思う。

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