2021年1月

2021.01.31
遺産税・贈与税

遺産税の増税

2021年では遺産税の生涯控除が11.7百万ドル(夫婦では2倍の23.4百万ドル)だ。日本円で言えば約12億円(夫婦で約24億円)の控除があるために、そこまでは遺産税が発生しない。最高税率は40%で2025年末まで継続されることになっていた。 大統領選挙で現バイデン大統領は、この控除を3.5百万ドル(夫婦で7百万ドル)、税率を45%に上げることを提案していた。この生涯控除(基礎控除)と最高税率の変更にとどまらず、相続財産の取得コストを取得コスト方式にかえようと言う大きな変更もある。 現状ではコストとは個人の相続開始日の市場価格に塗り替え(ステップアップ方式)となる。例えば故人が30万ドルで取得した不動産が、相続開始日に100万ドルになっているとする。相続人がこれを譲渡すればざっと70万ドルの譲渡益が出るが、その不動産をすみやかに譲渡すれば、コストが70万ドルに持ち上げられるので譲渡益は発生しない。かくして残された人の生活を守ることができる。 一方、取得コスト方式に切り替えられると、譲渡益が70万ドルとなり課税を受けることになる。大雑把に20%の税率として14万ドルの税金が発生する。日本ではこの方式なので、違和感はないかも知れない。 コロナウイルスで混乱している中で、実際にいつ立法化されるかどうかはわからない。しかし、時間の問題と考えた方が良いのではないか。通常は立法化された以前に完了した申告は、そのままで影響を受けない。しかし2021年の初めから遡って対象とすると言う事になれば申告が終わったものと安心できなくなる。 いずれにしても日本の相続から考えると異次元の話だ。日本人が亡くなった時にアメリカ遺産税でアメリカ居住者と見なされる場合、日本を含む世界中の財産が遺産税の対象となる。日本の相続税もあるために、アメリカの遺産税だけではなく日本の相続税が大きな課題になりえる。

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2021.01.24
所得税

今年の申告は面倒になりそうだ

日本に住んでいる方でも。アメリカの第二回目のコロナウイルスの給付金$600を手にしている方も多いだろう。昨年の年末から給付して、今年の1月15日までに給付するわけだから、半月程度の間にアメリカの人々にこれを配る。このスピード感は驚きだ。 これを実現するために、支給対象や所得水準を去年の夏の1回目の給付金のデータをもとに、第2回目を行っている。 この給付金は2020年の税額控除の先払いとなっている。本来、2020年の確定申告を行い申告書の上で控除を取るべきなのに、2020年の数字ではなく、2019年の所得金額の数字(場合により2018年の数字)を2020年と見なして控除額を計算する。正しいとか正しくない数字と言うのは当然あり得る。その精算は2020年の確定申告書で行うと言う立て付けになり、Form 1040の30行目にその控除を入れる。 こうした変更をIRSはコンピュータプログラムを修正し、正しく動くことを確認する。そのための余分な時間が申告書の受付開始日を2月12日と、例年よりも約半月遅らせた。 仕組みができても、問題は個人がそこに入れるデータの正しさだ。Adjusted Gross Incomeが独身だと$75,000、夫婦合算だと$150,000を超えるとフェーズアウトが始まる。コロナウイルスが蔓延していなかった2019年にはこのラインを越えて所得のあった人が、2020年では所得が大きく減少し、給付金を受け取るべきなのに給付金をもらえていない。あるいは扶養家族が増えているのに、2019年では扶養家族がいなかったと言う事もあり得る。場合によっては、2020年の所得が多く、給付金の対象にならないこともあろう。 この控除を計算するためにForm 1040の説明書の59ページ目にワークシートがあるので、これを使って控除額を計算する。また手元にもらっているIRS Notice 1444も必要だ。 特に海外に住んでいた、住所が変更等で、給付金が手元に届いていない人もいるだろう。亡くなったり、市民権やグリーンカードを放棄して日本に住んでいて支給対象でない人が給付金をもらっていたかもしれない。個人が計算に用いる給付金とIRSの支給額が不一致で、例年以上に面倒な申告になりそうだ。

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2021.01.17
所得税

申告に用いる為替レート

外国通貨による所得はドルに換算する。IRSのホームページでは、2023年の年平均為替レートを$1=140.511円としている。 FBARでは年末レートを使用する。2023年の年末為替レートを$1=141.47円としている。 家の譲渡益を計算する場合、相続で相続額を確定する時などでは、実際のその日のレートを用いる。 FRBのレートや金融機関発表のものは、それぞれ少しずつレートが異なるが、それでも良いとされている。外国の銀行が発表しているレートも認められる。

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2021.01.10
所得税

コロナ鎖国

コロナウイルスのために帰国をしたくても出国ができない、入国ができないと言う事が起きている。TVのニュースで取り上げられていたケースは、日本に観光旅行で入国した人が、滞在中に本国が海外からの入国を禁止したために、そのまま1年間日本で身動きができなくなっていると言うものだ。これはアメリカにいても同じで、本国が扉を開けてくれないと帰ろうにも帰れない。 外国人がアメリカに一定期間以上滞在すると、実質滞在テストで滞在日数を計算し、アメリカ居住者となってしまう。アメリカ居住者となれば、全世界所得を対象にして居住者として課税を受けてしまう。 しかしながら、これはどう考えても不合理だ。アメリカに観光目的や、会社の出張で入国した人が、たまたま病気のため、事故でけがをして入院し、動きが取れなくなっている場合も同じだ。アメリカの居住者になろうとしているわけではない。 この場合は、実質滞在テストでそうした病気での日数を除外できる。Form 1040NRにForm 8843を添付して日数を除外する。もともとForm 1040NRを提出する必要がない場合は、Form 8843も提出する必要がない。ただし、そうであっても、もしもIRSからForm 8843を要求された場合は提出に応ずる。 コロナウイルスに罹患して入院せざるを得なかっただけではなく、検疫で動くことができない、交通手段がない、外出が制限とかコロナ鎖国もあろう。こうした場合は、個別の事情を勘案されて判断されるので、事情をきちんと説明できる関連書類を揃えることになる。

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