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結核の罹患率で思う遺産税

2022年10月09日

つい先日、日本における2021年の結核の罹患(りかん)率が人口10万人あたり10人を切り「結核低蔓延(まんえん)国」となったというニュースがあった。アメリカは10万人当たり3人だ。

アメリカは総人口が約3.3億人で、2019年では約270万人がなくなっている。このうち遺産税申告書が出された件数が約4,100件で、課税を受けた件数は約1,900件だ。アメリカでは亡くなった人の1,000人に対し、1件か2件しか遺産税を納付していない。こうなると、アメリカでは、ほとんどの人が遺産税とは縁がないと言う事になる。

アメリカの遺産税が課税されない原因は基礎控除の大きさだ。2016年では545万ドル($1=113円で約6.2億円)だったが2022年現在では1,206万ドル($1=140円で約16.9億円)ある。さらに配偶者の未使用分も使おうとすると、今では最大でこの2倍の34億円弱となる。

その結果、アメリカにおける遺産税は2019年での税収で0.6%しか占めていない。2010年は遺産税が廃止され、同年12月になって当時のオバマ大統領がかろうじて復活させている。

アメリカで結核に罹患する人は10万人に対して3人だ。そうした患者を治療して経験を積んだ医師に出会うことはさぞ難しいと思われる。逆に、結核患者が多い国の医師の方が、結核の治療にたくさんの経験を持っているだろう。

日本では財務省の2019年データでは、死亡者数約138万人で相続税の課税件数が約11.5万件だ。相続人数が平均2.74人だと言うので死亡者数あたりに割り戻すと、課税件数は約4.2万件となる。亡くなった人の3.0%だ。1,000人に30件程度となってしまう。

日本の方が相続で課税されるケースが、アメリカの43倍あると言う事になる。日本の方が富の平準化を図る公平な社会とみるのか、経済活動の活力が失われていると見るのか。少なくともアメリカはこの傾向が続く。

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