外国贈与はあげる人が外国人(日本人)で、もらう人がアメリカ市民、グリーンカード所有者、税務上のアメリカ居住者の場合、外国贈与としてアメリカの税務を考えなければならない。
もらう人のアメリカ贈与税についてはこちらに書いた。では、外国人の贈与を行う人はアメリカの税務ではどうなるのか。
アメリカ税務上、贈与に対する課税は贈与者に行われる。即ち、贈与を行う外国人が税金を負担することになる。あげる方にしてみれば贈与をしてなおかつ、それに対する税金を自分で払う形だ。
ただ、日本に住んでいる人が、アメリカ市民、グリーンカード所有者、税務上のアメリカ居住者に日本にある財産を贈与しても、基本はアメリカの贈与税の対象とはならない。日本の贈与税の対象だ。
しかし、日本に住んでいる人でも、アメリカ市民、グリーンカード所有者、税務上のアメリカ居住者に財産を贈与して、アメリカの贈与税の対象になるケースがある。
贈与する財産がアメリカに存在する場合がこのケースにあたる。
例えば、親がもっているアメリカにある不動産を子に贈与するような場合だ場合だ。物理的にアメリカに存在するもの(と想定されるものも含む)の贈与で、相手に直接渡される現金や美術品、貴金属、家具、自動車だとか有体財産が対象だ。2023年では非課税贈与枠が$17,000なのでこの金額を越えると課税となってしまう。
現金の中には小切手や銀行送金も含まれる。親がアメリカに預金口座を持っていて、その口座から子供のアメリカの口座に銀行送金をすると贈与と見なされうる。
親が日本の口座から子のアメリカの口座に送金する、日本にある親の口座から日本にある子の口座に送金すれば、アメリカの贈与税の観点ではより安全と言える。しかしながら、日本の贈与税があるので、日本側税務を考えなければいけない。
アメリカの贈与や相続では、生涯控除がある。2023年では1292万ドル($1=140円で約18億円)だ。この枠内の場合、アメリカの贈与税はかからないと考えかもしれない。しかしながら、贈与税においてはアメリカの非居住者たる外国人の我々は、この生涯控除を使うことができない。相続の場合は別だ。
贈与を行う場合は、もともと日本の贈与税がある。アメリカの贈与税だけではなく、日本の贈与税も慎重に検討しなければならない。
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