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2023.02.12
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人道回廊

出国税の対象になる人かどうかは3つの基準に該当するかどうかで考える。このうちどれか一つの基準でも合えば、出国税の対象となる。 ① 納税額基準 過去5年の平均税額が2022年の場合だと$178,000以上の人 ②財産額基準 市民権・グリーンカード放棄時に純資産$200万以上の人 ③適正申告基準 過去5年の申告納税義務をきちんと果たしていない人 初めの二つの基準には当てはまらないが、③の基準で潜在的に出国税の対象というケースが多い。税額が発生するかどうかは別問題だ。 この3条件の基準に合致して税額が出るケースであっても、それでも出国税の対象とならない人がいる。「二重国籍の例外」に該当するケースだ。この例外で出国税の「対象者」の扱いを免れる。ただし、これにも条件が付帯する。 例外となるためには、以下の2つの要件を満たし、市民権放棄前の5年間にきちんとアメリカの納税義務を果たしていなければならない。 ① 出生時に米国市民および他国の市民となり、出国時に引き続き他国の市民であり、その居住者として課税されている。 ② 放棄日がある課税年度の前15課税年度で、10年以上アメリカの居住者ではなかった。 出生でアメリカ市民権を持つには2つケースがある。 一つ目は米国内で生まれることだ。もう一つの方法はいずれかの親がアメリカ市民(一定期間米国に住んでいる条件付き)であればアメリカ市民となる。 出国前の5年間、きちんとアメリカの税務上の義務を果たしていなければならないと言う所が問題だ。ここはきちんと申告をすることになる。そうするとアメリカの税金が発生するかも知れない。実態上日本人であり、アメリカとは縁がなく日本で暮らしている方には何とも割り切れない。 そこで、ロシアのウクライナ侵攻で、ウクライナの民間人が安全に避難できるルートが作られた(人道回廊)ように救済措置が設けられている。この救済措置により税額に関しては不問とする。そういう落としどころにしてくれている。 ただし実際に安全に非難できた方もいれば、安全が保障されないケースもあったろう。日本の国民であったとしても、日本以外の国に住んでいたら日本の居住者とは言えないのではないか。日本に帰国して日本の居住者となり、日本の納税義務を果たしてから放棄となるのだろうか。微妙なところがある。 しかし、出生ではなく自ら進んでアメリカに帰化をする人がいる。この場合は、自ら進んでアメリカ市民になっているわけだから救済措置はない。しっかり申告をするべきは申告を行い納税する事を求められる。

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2023.02.05
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もう一つの4月15日

本当にIRSは提出した申告書を処理をしてくれたのだろうか。還付があるものならば、還付金を手にしていれば分かる。還付の情報はwhere is my refundで調べればコンピュータにのっている情報はわかる。申告書のコピーをIRSに求めると、処理されたものはわかる。しかし、処理をされていなかったら情報は出てこない。 今にして思う。コロナウイルスの騒がれたのは2019年末ぐらいだった。世界中に爆発的に広がり、日本でも2020年に入りダイヤモンドプリンセスでの感染が報道された。ちょうどこの時期からアメリカの申告書提出時期と重なる。 新型コロナウイルス感染症の世界的まん延に伴う航空機の減便・運休による米国宛て国際郵便物の大幅な遅延から、アメリカ宛ての国際郵便物の取り扱いが長い間停止されることもあった。日本から多くの方がアメリカにどうやって申告書を提出するか頭を抱えた人も多かったはずだ。 IRSでは2020年3月には職員にテレワークをするように通達が出され、事務所に入るのも自由にならなかった。これにより2020年の申告期限は異例の2020年7月15日となっている。 さて、こうした中で日本からアメリカに送付した申告書は、そもそもアメリカにいつ届いたのだろう。 2021年の申告で169百万件の個人申告があった。電子申告が152百万件、残る17百万件は紙の申告となる。コロナウイルスの世界的混乱期では、紙の申告書で事故が1%あれば17万件だ。0.1%あったとしても1.7万件という数字となる。 物流の混乱でもともと貨物が行方不明となり、IRSに書類が届いていなかったことも考えられる。IRSに届いてさえ倉庫に山積みになって未処理の申告書があるかも知れない。IRSの中でも、申告書を再度国内輸送して申告書の処理をした。また2021年3月にIRSは約30百万件の書類を捨ててしまったと言われる。せめてきちんと記録があればわかるが、どこでどうなっているかわからないケースもあるに違いない。 過去の申告書がどうなっているかとIRSに聞かれても、コンピュータにデータがなければIRSはわかりませんと言うしかないだろう。国際的物流の混乱か、アメリカ国内か、IRSの倉庫の中に書類が眠っているか、テレワークしている時に紛失してしまったか特定できない。結果として提出した申告書が処理をされていないことはあり得る。しかし、IRSの言っていることは大本営発表のように割り切った情報しかない。とても一人一人の本当の状況を追うことは難しい。 個人の2019年の申告書は、2023年4月15日を越えると原則は還付に応じてもらえない。まあ、いいやと思える還付ならば、あきらめればいいかも知れない。しかしそうもいかないと言う事ならば、4月15日前にもう一度、申告書を提出する事を考えたらどうだろう。 IRSはオリジナルの書類を2度出すと混乱するので、出さないでくれという。しかし、もともと書類がIRSに届いていないこともあるかも知れないのだから、2回目を提出してもそれが初めての提出となることもある。

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2022.12.18
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お礼の扱い

日常、いろいろな形でありがとうございましたとお礼を渡すことがある。この時期は、お世話になっているからとお歳暮を贈ったり、お世話になった人にお礼をあげたりもらったりする。 こうしたお礼はアメリカ税務上、どうなるのだろう。贈与税と所得税の切り口で考える。 贈与税で言えば、社会通念上の通常のお礼ではまず贈与税の対象とはならない。 アメリカでは日本と異なり、あげる人が贈与税を支払う。しかも、あげる人一人あたりで2022 年の贈与税の年間非課税控除額16,000 ドルがある。夫婦であげるとこの2倍となる。非課税の枠を超える贈与はしていないだろう。 一方、会社、雇用主から社員への現金や現金同等物の贈り物は、たいていの場合は報酬としてみなされる。特別ボーナスとかインフレ一時金とかは課税対象の所得となる。違和感はないだろう。 しかしながら、現金以外のお菓子や誕生日祝いをもらったり、会社のコピー機、携帯電話をたまに私的利用する事はどうか。私的利用は許されるかどうかは脇に置くと、ごく少額なら税務処理が現実的でないと見なすため、税金の対象にしていない。 少額とはいくらかと言えば、明快な線引きはない。2001 年IRS のフリンジ ベネフィットガイドでは、 少なくとも 1回、100 ドルは少額ではないとしている。金額が小さくとも恒久的に何度も繰り返されるとこれも課税対象になることもある。

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2022.12.04
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年内もそろそろ終わり

年内も1か月を切り、来月には2022年分の2023年申告が始まる。今月はクリスマスでお休み気分になりがちだが、そろそろ申告の資料もそろえなければならない時期に来ている。アメリカの税務から早く解放されたいならば、ここは大事な月だ。 グリーンカードを持っている人が日本に帰国して、そのままグリーンカードを持ち続けていれば、今までのようにずっとアメリカへの申告がついて回る。グリーンカードが期限切れでも、正式な放棄手続きなしには、税務上のステータスは変わらない。 日本だけではなく全世界の所得がアメリカへの申告の対象になる。日本の所得もアメリカに申告しなければならない状況が続く。グリーンカードを放棄するか決断できなければ、アメリカへの申告はこの先もついて回る。 日本に帰国して、もうアメリカに戻ることはないとはっきり決断できているならば、グリーンカードの放棄を行い、アメリカの税務から解放されたらどうだろう。日本の申告に加えてアメリカの申告を行う事は面倒だろうと思う。 グリーンカードの放棄はアメリカ大使館でのサイトに掲載されている。難しいことはなく方向さえ決まっていたら、手続きは書類を郵送するだけで、書類の作成は20分か30分あれば終わるだろうし、あっけないほど簡単だ。年内に十分行うことができる。そうすれば2022年分の2023年申告(出口税も含めて)が最終申告となる㊟。 この手続きを1月以降に行うと、さらに最終申告が1年延びて2024年まで延びてしまう。 一方で、積極的にこれからアメリカで生活されると言うも当然、おいでになる。年令に関係なく70歳半ばになってグリーンカードを取得され、これからアメリカに移るという方にもお会いした。この場合は、日本の年金も含めてしっかりアメリカで申告を行うことになる。 ㊟グリーンカードを放棄しても、アメリカに不動産があって賃貸所得があるとか、その不動産を譲渡して譲渡益の課税を受ける場合は、アメリカ非居住者としてのアメリカへの申告は残る。この場合は、完全にアメリカの税務と接点がなくならない。

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2022.11.13
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電子申告が拒絶される?!

電子申告を送って申告書がIRSや州に受理されたかどうかはすぐわかる。まれにだが、電子申告がIRSや州から拒絶されることが起きる。代表的な理由は社会保障番号を間違えている事だ。 社会保障番号の間違いは、数字の倒置などの入力ミスによるものだとすぐに修正が効く。しかし、いくら見ても正しく入力されているのに、その社会保障番号で既に申告がされてしまっている場合は面倒だ。 これは自分のミスではない。他の誰かが納税申告書に他人の社会保障番号を入力してしまっている。IRSのチェックを潜り抜けて、申告書は受け入れられている。夫婦間でそれぞれ別に申告書を提出して、子供を二重に扶養に入れたとかならまだわかる。 しかし、どう見てもそう思えない事がある。社会保障番号だけなら、入力の間違いはかなりの確率であるだろう。しかし、名前までとなると簡単ではない。日本人の名前のスペリングは、英語圏の人には必ずしも容易ではない。名前と社会保障番号まで完全一致となると、相当慎重に入力しないといけない。指が滑ったくらいでは日本人の姓名を間違えて第三者の米人が入力してしまったとは考えにくい。 どこかで個人情報を盗まれているなら大変だ。大人はそれなりに、注意も働くけど、子供の場合、そうした注意が働くかどうか心もとない。子供の情報が盗まれて誰かの扶養家族にされて、給付金や税額控除を取られていたら困ってしまう。 とりあえず、にっちもさっちもいかない場合は、紙の申告書を提出する。さらに、明らかに社会保障番号の不正使用があった場合は、Form 14039を一緒に提出して報告する。 翌年、また同じことが発生するならたまったものではない。そこでIRS から IP-PIN を取得して二重認証にする。これは1年しか有効ではないので毎年、取得することになる。2023年1月中旬にはIP-PIN をオンラインで申込みできるので、早めに動くのが良いだろう。

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2022.10.02
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故人との申告

アメリカでは日本にはない夫婦一緒の申告ができる。夫婦ともども申告内容を理解して申告書を提出するのが基本だ。しかし不幸にして配偶者が亡くなることが起きる。アメリカの申告では、亡くなった人であっても、その年の年末まで生きているものとみなす。 配偶者が亡くなっても、その年は夫婦が一緒に申告を行うことは可能だ。でも、申告時期には生きていない。配偶者が亡くなったら申告書にサインできない。 事前に故人から生存配偶者が申告書作成・提出の委任状をもらっていれば問題ない。亡くなった人が夫婦別々に申告を行う事を希望するか、夫婦が一緒の申告を希望するか、亡くなった後では意思の確認はできない。 申告期限までに管財人が指定されていない場合は、残された配偶者が申告書を作って一緒に申告をすることはやむを得ない事だろう。残された配偶者が故人に代ってサインする。 故人に代る管財人が設定されていて、夫婦一緒の申告に異存がなければ、その人が故人に代ってサインをして夫婦一緒の申告書を提出できる。 しかし、故人が別々に申告することを望んでいたらどうなるか。申告前の時点だとそれぞれ別々に申告を行うのでわかりやすい。 夫婦で一緒の申告書を提出してしまってから、別々の申告を希望するとなればやっかいだ。IRSは申告書を提出した後での婚姻ステータスの変更を原則認めない。リカバリーが可能なのかどうかは何とも言い難い。 故人のキャピタルロスは最終申告を越えてキャリーオーバーできない。キャピタルロスを生存配偶者が使えなくなってしまうと影響が出ることもあるだろう。うまく活用するには資産を生前に配偶者に贈与することになる。

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2022.09.25
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重荷ではありませんか

アメリカの市民権やグリーンカードを持っている人が、もうアメリカに住むことがなくなり日本に帰国するケースがある。アメリカ市民の配偶者が亡くなられ、生まれ育った日本に戻り、日本で暮らすとか、アメリカでの仕事が終わり日本に戻るのが一例だ。 アメリカの税金は市民権をベースとするために、そうした人たちも日本からアメリカに申告し続けることになる。しかしアメリカに面倒な申告をずっと行う事は容易ではない。アメリカ市民やグリーンカードを必要としないのであれば、それを放棄してアメリカの税金と接点をなくすことも一案だ。 その時に、心配するのがアメリカからもらっている年金だ。市民権やグリーンカードを放棄することにより、アメリカの年金をもらうことができなくなるなら、これは大変なことになる。それを恐れて市民権やグリーンカードを放棄せず、アメリカの税金の申告を続けているならば大変なことだ。 日本に住んでいる場合は、市民権の有無にかかわらず年金は受給できる。 Normally, persons who are not U.S. citizens may receive U.S. Social Security benefits while outside the U.S. only if they meet certain requirements. Under the agreement, however, if you are a U.S. or Japanese citizen, a refugee, a stateless person, or a person who is eligible for dependents or survivors benefits based on the Social Security record of one of these persons, you may receive benefits as long as you reside in Japan. If you are not a U.S. or Japanese citizen and live in another country, you may not be able to receive benefits. The restrictions on U.S. benefits are explained in the publication, Your Payments While You Are Outside the United States (Publication No. 05-10137) 市民権やグリーンカードを放棄するためには、正式な手続きを必要とする。この手続きを行わず、放棄したと勝手に自分が思っていても、IRSは正式な手続きを行っていない限りは放棄を認めない。 この手間があるにせよ、一時的なものだ。アメリカの税金を申告しなくても良くなる方がスッキリして良いと思える。どっちつかずのままズルズル決断を引き延ばす。いざという時に、気力も体力もなく、動けなくなると、兄弟姉妹や子供など周りの人に迷惑をかける。アメリカ市民のまま年を重ねると、相続でもアメリカに申告することが出て来る。 もちろん、市民権やグリーンカードを放棄することは、何も税金という切り口だけで判断できるものではない。しかしながら、自分の人生を棚卸して、市民権やグリーンカードはもういらないと思えば、アメリカの税金の外に出ることを考えたらどうだろう。

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2022.09.18
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まさか・・・

IRSの抱えている未処理の申告書件数は、IRSの発表では個人所得税では720万件(9月9日時点)と修正申告が170万件(9月10日時点)で約900万件という大変な数字だ。こうした中で、今年5月に発行されたTIGTAのレポートは、IRSが紙の申告書を廃棄してしまったと言う。 コロナウイルスのためにIRSは2020年3月と4月に、申告書の処理センターを閉じた。2020年6月に再オープンしたが、紙で申告された申告書が大量に未処理で残ってしまった。システムの制約で、IRS は紙の申告書を受け取ると、その年末までに処理する必要があるという。2021 年の申告シーズンが始まると、2020年の申告書を処理できなくなることを意味する。 ということで、IRSは2021年3月に推定3,000万件の紙の申告関係書類を、入力せずに廃棄してしまったようだ。 IRSはその書類は本人が提出した納税申告書ではなく、第三者の支払者が IRS に提出した情報で、主としてForm 1099だったと言う。そして、その情報の 99% は対応する納税申告書と照合され処理された。しかし残りの 1%(推定3,000万件)は、IRSのソフトウェアのリミットと、2021 年の申告シーズンの新しい書類のスペースを確保するために破棄されたということのようだ。 IRSが釈明をしているので廃棄は事実だろう。しかしながらこれはたった1回の事で、今までは全くなかったのか?申告書そのものも処理されずに捨てられていたのでは?と疑心暗鬼になる。2020年以前の申告書で、いまだに還付金をもらえていないケースもある。倉庫の中に申告書が山積みになり、保管場所がないからとそのまま捨てられてしまったと言う事だけは無いことを祈る。

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2022.09.04
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一石二鳥となるか

IRSは8月24に2019年・2020年申告書が2022年9月30日まで提出された場合、IRSは期限遅れのペナルティを課さないことを発表した。2019年・2020年の申告書を提出して、既にそのペナルティが課せられていた場合は還付される。還付は自動的に行われるために手続きを要さない。 連邦所得税の申告書が遅れて提出された場合、ペナルティは月額 5%で、最大 25% が課せられる。これが免除となる。 さらに情報申告でもペナルテイの免除が行われる。2019年の申告が2020年8月1日までに申告されていたものと、2020年の申告が、2021年8月1日までに申告されていたものでペナルテイが免除される。 対象となる申告書は下記だ。 • Form 1040 (individual income tax) • Form 1041 (trust and estate income tax) • Form 1120 (corporation income tax) • Form 990-PF (private foundation return) • Form 990-T (exempt organization business income tax return) • Form 1120S (subchapter S tax return) • Form 1065 (partnership tax return) • Certain international information returns 申告をしていない人の申告を促し、コロナウイルスで影響を受けている人を救済することが目的とされている。さらにIRSの未処理の申告書を処理することにリソースを集中させて、何とか2023年の申告シーズンでは通常の状態に戻る狙いがある。 (未処理の申告件数) 2022年8月26日時点でIRSが2022年に受け取った個人の申告書で820万件が未処理となっている。うち170万件が修正を要し、650万件が処理されていない。さらに修正申告は、8月27日時点で170万件未処理となっている。この合計が990万件となる。 8月5日時点は個人所得税の未処理分は970万件だ。このうちの180万件で修正が必要で、790万件の紙の申告書が処理されていない。修正申告書の未処理件数は、8月6日で210万件という数字だ。この合計が1,180万件となる。

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