企業が社員の奨学金を代理返還する動きが日本では広がっているという。従来は、会社が社員の返済負担を肩代わりするには、会社が直接送金することはできず、返済分を給与に上乗せしていた。支援を受けた人は所得が増えたとみなされ、所得税や社会保険料の負担増となってしまう。
会社が直接送金できるようになったことで、給与の上乗せとはみなされず、税負担は増えずに済むことになる。
さて、アメリカの税務の対象となるアメリカ市民やグリーンカードを持っている人が、日本でこのケースに遭遇したらどうなるのか。
一般論として、アメリカの税務では教育資金のためにお金を借りたり、補助金や奨学金を受けても所得として報告する必要はない。学生ローンは返済する必要があるため課税対象ではない。いつかはお金を返済しなければならない。
しかし、支払わなければならない金額未満で債務が取り消され、免除された場合、取り消された金額は課税対象となり、取り消された分を納税申告書で報告する必要がある。
アメリカの2021年税法では、学生ローン免除規定が決められ、2025 年 12 月 31 日までとなっている。何とか日本の奨学金の代理返還に税金がかからないようにしてくれないかとは思うが微妙だ。
学生ローンの免除に対する法的異議申し立てが米国最高裁判所に持ち込まれ、米国最高裁判所では2023年6月30日、バイデン大統領の学生ローン免除は最終的に無効との判断がなされている。
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