グリーンカードを取得することについて税務上の質問をもらうことは少ない。反対にとても多いのがグリーンカード放棄にかかわる出国税の質問や、税務上の責任を果たしていない事についての相談だ。
若い人よりも年齢が高くなるにつれてグリーンカード放棄の問い合わせが増える。なぜそうなるのか。グリーンカードがいらなくなったということだろう。
アメリカで長いこと暮らして、日本に帰国した場合だ。帰国をするにあたっては、アメリカの生活に区切りをつけて本帰国していることが多い。帰国すれば日本の税務が待っている。それだけでも大変なのに、アメリカの税務申告を継続しなくてはならない。アメリカは市民権、グリーンカードを持っていることで世界中どこにいても毎年、アメリカに税務申告をし続けることになる。さらに様々な情報申告があり、これらを行っていないとペナルティを受ける危険性もある。
グリーンカードが邪魔にならないならばそれで良いのだろう。とりあえず、日本に帰国したとしても、ある年齢に達してからまたもう一度、アメリカに戻ることは容易ではない。それなりの年齢になり、会社の中でもポジションができ、子供の教育も重要になる。年を取る親の今後も考えなければならない。そうした中で、今まで日本で築いていた生活をリセットしてアメリカに飛び込むには相当の覚悟がいるはずだ。
さてグリーンカードを放棄しようとすると出国税の手続きが出てくる。過去15年で8年以上グリーンカードを持っていれば出国税を考えなければならない。こうしたところに常に目配せをしておくことは面倒だし、失念をすることによってペナルティと言われるとストレスにもなる。
もちろんグリーンカードを一般化して良いとか悪いとかは言えない。特に、これからグリーンカードを取得しようとする方は、グリーンカードには税務が付きまとう事を頭に置いておくべきだと思う。
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