日本からアメリカの会社に辞令を受けて出向することになる。あわただしい時間の中で、まずは仕事がいかに滞らず回っていくかを考える。ビザの問題がある。さらに、家族を帯同するので、家を探さなければいけない。子供の学校をどこにするのかも大きな問題だ。さらに引っ越しの準備もある。
会社が面倒を見てくれるとよいが、それでも自分で動かない事にはどうしようもない。そうした中で、出向に伴いアメリカの税務はどうなるかというアメリカと電話会議があるというので参加する。
説明は国際的に動く人向けにサービスを行うアメリカの会社だ。向こうは日常的にそうした税務の説明をしているので、自分を基準にして、こっちは英語はもとより、税法もある程度わかっているだろうという思い込みがある。
それ故に、SSNは持っているか、ITINはあるか確認され、いきなりDual statusの話でSPT(Substantial Presence Test)になる。アメリカの滞在日数はどうだといった質問がなされる。それによって税法上の取り扱いがどうだという事も説明される。源泉徴収もあるのでForm W-4でどうこうというあたりになると、話についていくのが容易ではない。
だが、残念なことにもともと我々は2つの問題がある。
1. 英語が分からない(電話で英語を聞いて話す)
2. 税務の知識がない
1については、話をするアメリカ人は、我々がどれだけ英語・話の内容を理解しているかわからない。相手の立場に立って、話すとしても相手がどれだけ理解しているか把握するのは容易ではないし、説明する基本事項があるので、とりあえず説明する側は一通り説明せざるを得ない。
2については言葉を理解したから、話の内容を理解したとは言えない。大体、日本では自分が確定申告書を毎年出さなくても、会社が年末調整をやってくれる。自分で手を動かすことはない。毎月の源泉徴収額も自分がForm W-4で源泉徴収額を決めるなど、見たことも聞いたこともない。申告したことがないのだ。
結局、電話会議に臨んでも、よくわからないというフラストレーションが残る。あたかも自動車を一度も運転したことのない人が、教科書を読み上げられ、交通法規を一部聞かされ、あとは自分で運転してくださいと、いきなり自動車のキーを渡されるようなものだ。
要は、何だかわからず問題があり、なんとかしなきゃという気持ちが残るだけでも良しとするか。他の会社の人にはこうした機会さえも提供されていないかも知れない。
でも、税務は今日・明日動かなくてもすぐに困らない。それより冒頭のことが待ったなしで重要だ。かくして、税務は何も動かず、年明けとともに申告シーズンに突っ込んでいくことになりかねない。
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