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FBARでの口座間の資金移動

2021年09月05日

FBARの金額要件は、外国金融口座の合計残高が年のどこかで$10,000超える場合、FBARの申告対象となり、その口座の最高残高の申告を要する。$10,000を越えない限り申告を要さない。

例として80万円を最高残高とする。これを2020年期末の為替レート$1=103.08でドル換算すると、$7,761となる。これは$10,000に満たないためにFBARの申告要件を満たさない。

口座間の資金移動があった場合にどうなるのか。

80万円の口座から、新たに別の口座を作り50万円を移したとする。この場合、旧口座の最高残高は80万円で、新口座の最高残高は50万円だ。同じようにドル換算すると$4,851になる。新口座と旧口座を単純に合計すると$12,612となる。

これは$10,000を越しているので申告の対象と考えるかもしれない。但し、年間の口座の実際の残高は80万円でしかない。この場合は申告対象かどうかと思うだろう。

口座の合計残高は80万円なので$10,000を越えない。この場合は申告を要さない。

では旧口座の残高を2倍にして160万円でそこから50万円を新口座に移したとする。2つの口座の合計残高が$15,522というわけだから、$10,000を越している。FBARの申告要件を満たす。

では旧口座の最高残高は160万円だろうか、110万円だろうか。感覚的には110万円なのだが、FBARの申告では、一時的にも160万円が最高残高なので単純に160万円を報告すると考えられる。

たくさんの口座を持ち、口座間で資金移動を繰り返した場合、実際の残高を算出するのは難しい。ドルでの最高残高を算出するためには為替レートも加味するのが本当だろう。となると、日本円での最高金額が最高のドル額とはならない。為替レートを年間拾って計算するのでは大変な負担となる。ありがたいことに、IRSは期末のレートを使うように指示をしている。IRSとしても負担を軽減するという考えがあったのではないだろうか。その延長で、口座間の資金移動も考えなくて良いとしているのかも知れない。


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