IRSが第三者のデータをもとに、自動的に申告書を作ってくれるということを書いたことがある。
実際に、何度もこのケースに遭遇しているのだが、決して親切でこういうことをしているわけではない。逆にものすごく乱暴なケースである。
例えば、株の譲渡の実績が金融機関から個人には年間の取引報告書が連絡されているが、同時にIRS(内国歳入庁)にも通知されている。
IRSが個人の申告書を見た時に、一切、株の譲渡の情報がなければ、その情報に基づいてIRSのコンピュータが半ば自動的に申告書を作成する。株の譲渡益に対して課税するものを、コストが分からないために譲渡額がそのまま譲渡益とされる。結果、高額な税金の支払いを求められる。
さらに、無申告加算税やら金利が上乗せとなるので、とんでもない金額になってしまう。実際には、個人は譲渡損しかないのに、数百万円・数千万円あるいはその上の支払いの督促通知をもらったら、腰を抜かしてしまう。
かくして、個人はIRSに対してはすごい勢いで修正申告を提出し、間違いだと主張する。修正申告は紙ベース(電子申告ではなく)で、控除額の修正を含めて行うために、IRSでも人手をかけてこうした処理に対応しなければならない。
結果として、多くの時間と手間をかけて適正な姿に戻る。だが、IRSでの手間が大変で、このやり方そのものを、現在は停止しているという。恒久的に、それをやめるかと言えば、必ずしもそうではなく、またいつ再開されてもおかしくはない。とにかく、所得がある限り、適正に申告をすることが鉄則だ。
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