申告書を作り、税金を計算して税額の欄では税金が発生しない。ところがもっと下まで行くとSelf employment taxと言うのがあって、税金が発生している。何としてもこれを消したいのだが消すことができない。中身を良くはわからないけど、仕方ないそのまま税金を払ってしまうという方もおられるのではないだろうか。
Self employment taxは日本で言えば社会保険料だ。年金や医療保険のために、所得税とは別に支払っている。アメリカの場合はSocial security taxでTAXとなっている。社会保険料は給料天引きになっていたら特段、動く事はない。しかし、自営の場合は自分でSocial security taxを納付するしかない。
以前の事になるが、日本からアメリカに駐在すると、日本の社会保険料を払い、さらにアメリカのSocial security taxを払うことが行われていた。日本の年金の受給資格を得るためには25年以上支払わなければいけない。ところがアメリカにいる間は、日本の社会保険料を払わない。すると年金を納めた期間が不足して、年金の受給に影響が出てしまう。一方、アメリカで納付した社会保険料も、アメリカの年金受給資格を得ることもなく掛け捨てで終わってしまう。
そこで日米の社会保険協定ができて、不合理な二重払いを解消できるようになった。即ち、年金の受給資格の計算のために両国で働いた期間を相互乗り入れしてカウントできるようになっている。
そこで自営業の場合、どう日米で納付をするか。ごく短期間だけアメリカに行って仕事をするために、日本の社会保険制度から離れてしまうのも現実的ではない。そこで5年基準を設けて、アメリカに行っている期間が2,3年ならそのまま日本の社会保険制度の中にいて、アメリカの社会保険制度に入らなくてもいいとなる。アメリカのSocial security taxを払わないで良くなる。
日本の社会保険制度に入るのか、アメリカの社会保険制度に入るのか、この部分はその方の個人の状況ごとに異なる。しかし、もともと日本人で、ある限られた期間だけアメリカに住んだとなれば、日本の社会保険制度でカバーされるのが自然だろう。結果として所得税がゼロで、Social security taxもゼロで申告するのが適正の方も多い。
市販の税務申告ソフトを使う場合、アメリカに住んでいるアメリカの人を対象に作られている。日本に住んでいる人はそもそも例外となる。
ソフトが自動的に例外を救ってくれるとは限らない。ソフトがそう言うのだから、なぜだかわからないけどそれで良いのだろうと、払わなくても良い税金を払うことになりかねない。
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