今年は例年に比べてIRSが外国に照会や適正に申告をしていないと言う手紙を多く出しているように思える。従来はどちらかと言えば海外はIRSの関心がアメリカ国内ほどではないと思えたものが、明らかに潮目が変わってきているようだ。
最近の例では、今年の7月にIRSのLarge Business and International Divisionが打ち上げたキャンペーンのだ。その一つがUS Expat Compliance Campaignでアメリカ市民、グリーンカード所持者(過去15年で8年以上)で適正に納税義務を果たしていなかった人を対象とする。
国務省はIRSに対して市民権やグリーンカードを放棄した人の情報をIRSに連絡している。IRSはそうした人たちが適正に申告をしているかどうか洗い出す。ただ、自ら進んで申告をする人に税金を免除してくれる救済措置も打ち出している。
しかしながら、この救済はアメリカ市民権を放棄した人にとどまる。グリーンカードはその対象に含まれていない。これはおそらく事故でアメリカ市民になった人を救ってあげようとしているのだろうと思える。アメリカで出生してアメリカ市民になったかもしれないが、赤ちゃんや子供のころに帰国し、その後、一切アメリカに足を踏み入れたことのない人もいる。こうした人もアメリカの税務申告は避けられない。そこで、アメリカ市民権を放棄して、アメリカの税務から離脱する。こうした人には救済措置が設けられたと言う事だろう。グリーンカードの場合は、こうしたやむを得ない事情ではなく、自ら進んでグリーンカードを取得したので一線を画したと言う事かも知れない。
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