日本にはない申告の形が夫婦合算申告だ。夫婦は密接不可分な経済主体で、それを分離して個人で申告を行うことはなじまないと考えるからだろう。申告書が夫婦合算の場合、情報申告も同じように夫婦合算で提出できるのだろうか。
情報申告にはFATCA(Form 8938)とFBAR (FinCen Form W-114)の2つある。
FATCAはもともとForm 1040の一部を構成する。Form 1040が夫婦合算申告であれば、Form 8938も夫婦が一緒に記入することに抵抗はないだろう。
FBARはどうなるか。FBARは個人として自分の生年月日やら情報を記入している。まさに個人だけの情報だ。日本の金融機関の口座は個人の口座だから、FBARで配偶者の口座情報を入れようとはしないだろう。つまり、個人ごとにバラバラにFBARの申告を行う。
しかし、日本以外の外国の口座が夫婦の共有となっている場合もあり得る。それぞれの配偶者ごとに残高を特定するのは難しい。いずれかの配偶者が100%自分のものとして引き出すことも可能だ。その点から、共有名義の口座に限定しては、FBARの夫婦合算申告は可能だろう。
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