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すべての財産を愛する妻に

2016年10月27日

自分が死んだときに自分のすべての財産を愛する妻に残してあげたいと遺言に記載する。きわめてシンプルで美しい話だが、これが本当に額面通りになるのだろうか。

最近はアメリカにおいてはニューヨーク州のように同性婚が認められているところがある。しかし、大多数の州では結婚は異なる性の人間の間で成立する。すべての財産や当事者がニューヨーク州にいて完結すれば問題はないのかもしれない。

そうしたカップルの財産が例えばテキサス州に不動産があったとする。この場合は、テキサス州法により財産が相続される。すると、妻と言うのも規定できるのかわからない。

妻と言うので婚姻が成立していることが最低条件になる。例えば日本人がアメリカ人と結婚している場合だ。アメリカ人の夫に対して日本人の妻で日本に住んでいる。日本の市役所や区役所に婚姻届を出していれば、日本では間違いなく夫婦だ。

でも、アメリカから見た時に日本法で結婚した人を配偶者として認めるのだろうか。これは日本法で結婚していても、夫婦として認めてもらえる。外国法であってもアメリカでは有効とみなしてくれる。

外国法でも良いとするならば、ならば一夫多妻を認める国の法律で結婚しているケースはどうなるのだろう。妻が複数いるようなところではどうするのか。そうした婚姻形態をそもそも認めるのかどうかもわからない。

日本人はほとんどの場合、そうした状況にはならないだろうとは思う。しかし、結婚と離婚が絡む場合はどうなるのだろうか。例えば、日米のカップルがアメリカで出会い、アメリカで結婚する。その後、日本に戻るが、そのカップルが日本で離婚をしたとする。

さらに、そのアメリカ人が別の日本人と再婚するとする。こうした場合、そのアメリカ人がアメリカに不動産を持っていて、妻に不動産を残すと言う場合、前妻が妻なのか後妻が妻なのか。アメリカの結婚証明書は前妻のものであっても、アメリカの記録はそれしか残っていない。アメリカ法で結婚したものがアメリカ法で解消されていない限り結婚の効力は継続しているとされるのだろうか。

そうなると愛する妻と言う表現はあいまいになるので、固有名詞を入れると言うことだろうか。遺言も自分の身辺が変化したら書き直さなければおかしな結果になろう。

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