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延長戦の特別ルール

2023年10月01日

税金の計算は、通常は1回行い、算出された税額を払えばよい。野球で言えば1回から9回まで終わればゲームセットだ。しかし、それで終わりにさせてくれないことがある。10回から延長戦に入り、延長戦での税金を計算する。9回までの税金と延長戦の税金を比較して、どちらか高い方の税金を支払わせてはじめてゲームセットとなる。

AMT(Alternative minimum tax)は、特定の高所得納税者に最低額の所得税を支払わせるようにできている。

野球のタイブレーク制のようなものだ。延長戦でランナーを2塁とか得点圏にランナーをおいて始めるというルールだ。当然、得点は入りやすくなり、早く試合が決着する。

2塁にランナーを置いておくには、通常の税金計算で算出された課税所得(9回で算出されたもの)を発射台に置く。それに通常の税金の計算で使われた州税、標準控除、Net operating lossなどを埋め戻して課税所得を出す。

ここからAMTの免除額を差し引く。免除額を超える部分に26%か28%の税率で税額を計算する。この税額に外国税額控除を引いてAMTの税額が出る。AMTの所得税が通常の所得税よりも高い場合は、高い税額を支払う。

誰もがAMTの対象となるわけではないが、適格ストックオプションの行使では、AMTによる税額が出ることもある。即ち、株式を譲渡するまでお金が手元にないにもかかわらず、AMTの税金が先行して発生する事もあり得るので要注意だ。

このAMTによる税額は、全く意識していない事が多い。まるでレーダーに映っていない飛行機が、気が付いた瞬間には自分の背後にいて、一瞬のうちに狙い撃ちされる。まさに見えないStealth taxのようだ。

何としても税金は払ってもらいますよと言う仕組みになっている。

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