アメリカの税務申告の観点の話だ。アメリカの居住者は全世界所得課税となる。居住者は市民権やグリーンカード等をベースで判断する。この基準に合えば、世界中どこに住んでいても基本的にはアメリカの税務上の居住者だ。
アメリカの申告をしなければならない人が、日本に住んでいるから日本の確定申告を行い、これで責任を果たしたと思っているかもしれない。しかしアメリカに申告をしていない。
さあ大変だと思っても、申告をする必要がない場合がある。病気やその他の理由で所得が申告基準に達していないこともあろう。所得額の基準で申告をしないことがある。
しかし、この基準に達していなくても申告をすべき時もある。一例がコロナの支給金を受給する時だ。申告をしなければ2020年$1,800と2021年$1,400をもらうことができない。2023年時点では、今から遡ってこの給付金をもらうことができる。
FBAR(Form 114)とFATCA(Form 8938)の情報申告も注意が必要だ。FATCAの申告要件は海外(日本)に住んでいれば口座残高が年末で20万ドル、期中では30万ドル以上だ。FBARは口座をすべて合わせて$10,000だ。
Form 8938は税務申告書の一部を構成する。所得が少なく申告書を提出しない人にとっては、口座残高が50万ドルだろうが100万ドルだろうがForm 8938を提出することはない。そうすると、これを提出しなかったからとしてもペナルティの対象ではない。
しかしFBAR(Form 114)は税務申告書とは別に提出する。FBARは申告書の一部を構成していない。単純に独立している。FBARは口座をすべて合わせて$10,000だ。となると、FATCAの申告基準金額よりもずっと小さいにもかかわらず、この申告だけは避けて通ることができない。しかも申告をしていなかったらペナルティもあり得る。
申告をする側から見ると何だかわかりにくい。
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