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グリーンカードホルダーに救済がない理由

2022年01月09日

出国税(Form 8854)でアメリカ市民には救済措置があり、グリーンカードホルダーには救済措置がない。なぜなのかと考える。

全ての話はアメリカの市民権課税という世界に類のない課税の仕方から発生する。生まれながらにしてアメリカ市民は、市民を根拠として税務申告の義務を負う。アメリカ市民であれば、アメリカだけでなく日本だろうが世界中の所得が課税対象となる。

誰がアメリカ市民たるか。アメリカで生を受けた人、アメリカ市民から生まれた人はアメリカ市民となり得る。アメリカで生まれた人が親の帰国に伴い赤ちゃんや幼児の時に帰国している。それ以来、アメリカには行ったこともない。親がアメリカ市民だけど自分は日本の外に行ったこともない。というような、事故でアメリカ市民となっている人がいる。

事故でアメリカ市民になった人にも、アメリカは納税の義務を課し、日本の所得(全世界の所得)をアメリカに申告するよう求める。でも事故でアメリカ市民になった人は、アメリカに申告したこともない。

アメリカの課税制度の1丁目1番地たるアメリカの市民権課税を破る事は、アメリカの税金の根幹にかかわる。アメリカから見れば、アメリカ市民が申告納税義務を果たしていない。情報申告も行っていない。これは法に背くことゆえに、申告納税義務を求め、無申告のペナルティを課すことになる。

日本人だと思って日本に暮らしている人が、ある日突然、アメリカから100万円単位の税金の支払いを求められたらどうだろう。これは気の毒だと言う事をアメリカも理解する。そういう人は、すみやかにアメリカの市民権を放棄してくださいとなる。そしてその場合は、過去にアメリカの申告もせず納税をしていなくても救済する措置がある。

日本の国籍を放棄して、進んでアメリカに帰化した人は、事故でアメリカ市民になったとは言えない。

グリーンカードホルダーは、気がついたら自分がグリーンカードを持っていたとはならない。自ら進んで能動的にグリーンカードを取得している。アメリカに住もうとしているわけだから、当然のこととしてアメリカ社会の法律、規則、しきたり等を知ってもらわなくては困る。アメリカに住んで働き所得を得ても、全世界所得に対する申告納税の義務を知りませんでしたという事を認めるわけにはいかない。

これが事故でアメリカ市民になった人とは一線を画し、救済措置は使わせないと言う事だろうと考える。

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