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ステップアップを廃止?

2021年05月02日

バイデン大統領がステップアップを廃止すると言う案を出している。ステップアップは財産の取得コストを相続開始日の市場価格に塗り替えるやり方だ。

仮に400万ドルの財産を持つ人が亡くなったとする。そのうち、300万ドルが不動産であり100万ドルで購入したものとする。この不動産を譲渡する。現状では遺産税も控除限度額内でかからないし、所得税もステップアップが働くので税金が発生しない。即ち、ステップアップは、相続開始日の市場価格に取得コストを塗り替えて譲渡益が発生しないからだ。

しかし、バイデン大統領案では100万ドルの控除はあるものの、そこを越える100万ドルの譲渡益については課税となってしまう。
譲渡益は300万ドル-100万ドル=200万ドル。
課税所得は200万ドル-100万ドル控除=100万ドル。
この100万ドルに39.6%の税金がかかる。40万ドル近い税額になるし州税を入れると50万ドル前後にもなり得る。

実現されるのかどうかはまだわからない。しかし、実現したら実務的には大変やっかいな話となる。即ち、ステップアップではなく取得コスト方式に変わるからだ。データがきちんと残っているのかどうかだ。故人が買った不動産や株で当時のデータが残っていれば良い。しかし、相続をしている場合もある。先祖代々の財産と言う事もあろう。当時の書類が残っていない。現状では、取得コストを開示できない場合は、取得コストをゼロとされてしまう。譲渡額そのものが譲渡利益となり課税されてしまう。これはいかにも乱暴だ。

冒頭の簡単な例の譲渡益が300万ドルの譲渡益で、課税対象所得が200万ドルとなる。結果、税額が80万ドルから州税を入れて100万ドルの税金となってしまう。このままバイデン大統領の増税案が通るかどうかは予断を許さない。

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