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財産を受け取るのも、受け取らないのも自由

2016年10月28日

ジョングリシャムの小説、テスタメントの最後の部分において、莫大な財産を相続できるはずのレイチェルがマラリアで亡くなってしまう。自らは決して財産を手にしようとせず、信託を作ることを希望し、キリスト教の教えや飢餓救済、疾病対策、ホームレスの救護、子供たちの救護に信託の配当所得を使ってほしいと願うものである。結局、ジョングリシャムは小説の主人公、レイチェルのキャラクターとして書いたのか、彼自身の精神世界を書いて見せたのか興味深いところだ。おそらく彼自身の理想論なのかもしれない。

さて、結局この場合は遺産の相続を受け取り拒否したのだろうか。レイチェルの遺書には相続の受け取りを拒否したり辞退することをしないと書く。ただし、相続を受け取る意向がない。つまり、財産を受け取る権利は放棄しないが、自らはその権利を受けるのではなく、自分に代わって信託を作るのだと言うことになる。

相続を受けたり、受けなかったりすることは自由である。日本でも同じと言えるのだが、アメリカでは異なることは、基本的には相続財産にはマイナス財産は初めからない。それゆえに、財産を相続するときは必ずプラス財産だけが対象なのだが、それでもその受け入れを断ることができる。

しかしながら、あらゆる状況の中でこうしたことが許されるかどうかは疑問が残る。例えば、自らが支払不能に陥っていたり、破産をしている場合だ。当然のこととしてその財産が自分の手元に入ることにより、不義理をしている人にお金を返せる。こうした場合に、容易に、財産の受け取りを拒否できるのだろうか。こうした場合には、強制的にも財産を受け取ってもらい、そこから返すべきものは返すことが良いことかもしれない。

もしも、このように財産の受け取りを拒否した場合、一度手元にある財産を再度贈与したことになるのであろうか。もしもそうなるとしたら、自らは財産を手にすることはなく、自分の手元には贈与税だけが残ることになる。これも何かしっくりしない。と言うわけで、多くの州では、そもそも、その財産をもらう人が、もともとの贈与を行う人が贈与をする前になくなっているのと同じ考え方をとる。まったくその人がいないものとして、財産の分配を考える。

財産を受け取るのも、受け取らないのも自由だ。

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