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日本に住んでいるからアメリカに申告しなくてよいか?

2024年03月03日

日本に住んでいるのでアメリカに申告しなくて良いということは正しいだろうか。正しくもあり、間違ってもいる。申告をしなくて良いケースがあれば、申告をしなければならないケースもある。

基本的に申告の要否は居住者と非居住者で別れる。居住者とは住んでいる人のことだから、アメリカに住んでいない。だからアメリカに申告することはないと単純には言い切れない。

アメリカの税務では居住者を属性で判断する。アメリカ税務上の居住者か非居住者か判断する時に、次の3条件のいずれかを満たせば居住者となる。すべて当てはまらないとアメリカ非居住者となる。

(1)アメリカ市民権を持っている
(2)グリーンカードを持っている
(3)Substantial Presence Testによりアメリカ滞在日数が183日を越えている㊟

アメリカは属人的に居住者・非居住者の判断を行う。アメリカを除くほとんど世界中の国は属人的な判断をしない。その国に足を載せて住んでいる人が居住者だ。国外に転出するとその国の居住者ではなくなるという属地的な考え方を取る。

アメリカは属人的に判断するので、住んでいるところは影響しない。日本に住んでいても上述のアメリカ市民権を持っている人、グリーンカードを持っている人は税務上のアメリカ居住者だ。アメリカの申告の対象者となる。

では、全くアメリカ市民権やグリ―ンカードと縁がない人はどうだろう。アメリカの税務と接点がないと考えると間違えることがある。次のようなアメリカを源泉とする所得があれば、アメリカの申告対象となるからだ。

給与所得: アメリカで役務を提供して得た給与、賞与、退職金など
事業所得: アメリカで事業を営んで得た所得
不動産所得: アメリカにある不動産から得た賃貸料など
譲渡所得: アメリカにある資産を譲渡して得た所得
配当所得: アメリカの投資から得た配当
その他

日本に住んでいる人であっても、アメリカを源泉とする所得があればアメリカの申告が必須となる。

アメリカに1週間、10日出張してアメリカで役務を提供した人もすべてアメリカの申告をしなくてはならないのか。理屈はそうなるが、日割り計算をすることになり、あまりにも申告の負担が大きくなる。この場合は183日以内の滞在で、自国から給与が払われている場合、日米双方で出張にかかわる給与は相手国の所得税の非課税としている。

日本に住んでいるからアメリカの申告の対象外、と単純に考えると間違えることがある。

㊟(Substantial Presence Testの数え方)

①当年度の滞在日数が31日以上ある
②申告対象年のアメリカ滞在日数+申告対象年の前年のアメリカ滞在日数×3分の1+申告対象年の前々年のアメリカ滞在日数×6分の1≧183日

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