2023.10.22
所得税
IRSの作成する申告書
納税申告書を提出しない場合、IRS が代わりに申告書を作成することがある。IRS は、第三者から受け取った情報をもとにこの申告書を作成する。たいていは、 まともな申告書ではなく、大きな納税額を示す。
雇用主が W2 を IRS に送り、銀行も 1099-INT を提出する。利子、配当、キャピタルゲインも証券会社から個人にStatementが送られ、並行してIRSにも送られている。IRS はこの情報を使用して申告書を作成する。
その情報をもとにIRSが代わりに申告書を作成してくれるならば、どんなに楽であろうと期待してはいけない。
株の売り買いを繰り返しているとする。この譲渡益、譲渡損を計算して税額を算出する。当たり前だが、その計算をするためには、譲渡した時の金額と、株のコストがわからなければ計算できない。コストを紐づけられないから、コストゼロ=100%利益だ。RSUなど給与の中に入っていても、譲渡益の計算にも入れてお構いなしに二重計算する。
かくしてIRSの作成する申告書は納税額が数百万円、数千万円という言うお化けのような申告書ができる。これが納税者に送られてくることもあり得る。
これには30日の猶予期間があり、同意する場合は、通知に署名して返送する。
同意はできないわけだから、自分から正しい申告書を作成して提出する事になる。あるいは申告書の提出要件を満たさないのであれば、その理由を説明してIRSを納得させなければならない。
これに答えないで放置すると90日後にはIRS はもう一度、返答する機会を与える。これは最後の警告で、選択肢は、1) 同意する2) 正しい申告書を提出する 3) 提出する必要がない理由を説明することになる。90 日以内に応答しないと場合、IRS は税金を徴収する権利を得てしまう。きちんと正しい申告書を提出するしかない。
この手紙はIRSに通知している最も新しい住所にに送られる。すでに日本に帰国してしまい、本人は一切こうしたことを知らず、IRSはきちんと形式的な段取により、税金を徴収する権利を得ていたら大変だ。
こうした状況を避けるには、最新の住所をIRSに通知して、きちんと申告をしている事だ。もしも申告書を提出していなかったら、申告時期を過ぎていても、IRSから何かを言われる前に自分から申告書を送ればよい。きちんと申告すれば、そんなに心配するような事態にはならない。