2020年分の個人所得税の申告期限が4月15日から5月17日に延長されている。この延長は税金の納付期限も延長してくれるので、5月17日までは延滞税、金利も発生しない。 IRSはこの延長についてのガイダンスを後日発表するとしているが、今日現在、そのガイダンスは発行されていない。 海外からの申告を行う場合、元々の申告期限から2か月の自動延長がある。発射台が4月15日で2か月の延長だから6月15日となる。 今回の延長は、発射台が4月15日から5月17日に延長されている。と言う事は2か月の自動延長なら、海外からの申告は7月15日??と考えるかも知れないが、公式の発表はない。6月15日で構えるしかない。 この期限延長の一方で、2021年の第1期予定納税は4月15日に固定されたままだ。2020年の申告期限が5月17日なのに、なぜ2021年の申告が4月15日なのか理解しにくい。2020年の申告で還付金があれば、それを2021年の予定納税に振り向ける。2020年申告が終わって確定してから2021年申告の話ではないかと思える。 コロナウイルス下でいろいろ大変だと言う事で、申告書の作成やら納税を配慮しているのに、2020年も終わっていないのに2021年の処理を予定通りと言うのはいかがなものだろう。

この所、昨年の申告で還付申請をしたのだが、未だに還付されていないという声をよく聞く。時間がたつと一体どうなっているのかと思うし、申告内容が適切でなければ、それなりの手紙が来ても良いが、それもなくとにかく時間がかかっている。 IRSは還付がある場合に、過去の未払いの税金があれば、その分の税金を還付額から差し引いて還付する。未払いの税金が還付額より大きい場合、当年に還付額があってももらうことができない。 2021年の処理を先行して還付金を渡したとする。後から2020年の申告を処理し、2021年分での還付金は本来渡せないものなので、還付金を返してくださいと言えないだろう。と言う事は、古い申告書が処理をされないと、玉突きで新しい申告書の処理も遅れていく。 3月23日付のTIGTAレポートを見ると、2020年12月25日現在、未処理の紙での申告は個人法人を合わせて1170万件だ。書類が倉庫の中に山積みになっている。 自分がIRSの職員で、この件はどうなっていると特定の納税者から問い合わせを受けたとする。何百万件もある書類を見て立ちすくみ、その中から、特定の書類を探し出すのは不可能だ。 コロナウイルスの給付金が昨年末から1月にかけて行われ、さらに現在、3回目の給付金お支払いが行われている。コロナウイルスのワクチン接種や治療が最優先課題なので、医療サービスもそこに集中する。結果として従来の病気の診療は後回しになる。これと同じだろう。 申告書の処理だけではない。懸案事項の処理に関しても、IRSはつなぎの手紙を1度ならずと送ってくる。曰く、きちんとした回答をするために必要な処理が済んでおりません。60日以内にお答えをします。現時点では何もしなくてもいいです。これが2度も3度も送られると言うのはどういう事だろう。IRSは納税者の手紙を読んで、きちんとタイムリーに処理をできる余裕がありませんと言っているようなものだ。 申告書の処理がその年のうちに終わり、IRSに手紙を書いて2,3か月のうちに回答が返ってくるような状態になるまでには2-3年かかるのではと言う声も聞く。

3月17日、財務省とIRSは連邦個人所得税の申告期限を5月17日まで延期することを発表した。この延長は自動延長なので申請することは不要だ。納付期限も同じく5月17日まで延長されて、1か月延長に伴うペナルティや金利もつかない。IRSは詳細が近日中に通知されるとしている。 海外からの申告は、もともとの4月15日の申告期限に2か月の自動延長があり、6月15日期限となっている。今回の1か月の申告期限を発射台にして2か月の延長になるのか、6月15日のままで不変なのかは、現時点でははっきりしていない。 なお法人の申告は延長されていない。また、2021年の第1期分の予定納税については4月15日のままだ。これは2020の申告が期限内に終わったと思ったら、2021年の第1期分予定納税は期限後になっているという状況になる。同期させた方がわかりやすいが変更なしだ。 この1か月延長は中途半端ではないかと思うかも知れない。それでも延長されないよりはましだと言うも、この先、この1か月はさらに延長されるかどうかは不明だ。 州税については、見た限りではほとんど連邦税の申告期限と足並みをそろえ、連邦の5月17日期限に同期する。 CA州:同期 CT州:同期 MA州:同期 NY州:同期 OR州:同期 PA州:同期 各州ごとの決定については各州のサイトで確認が必要だ。

この所J-1ビザを持っている方から、アメリカ入国後2年もたっていないのに、報酬に課税されるが間違いではないかと言う質問を受ける。 これは日米租税条約の第20条のいわゆる教授条項の事だ。日本からアメリカに出かけて大学等で教育や研究を行う対価としての報酬は、従来アメリカに入国してから2年間は、アメリカでの課税は免除されると言うものだった。 これについて2019年8月30日に「所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の条約を改正する議定書」が発効し、従来の第20条の教授条項は廃止となっている。8ページ目の第7条だ。 ただし、改正議定書の発効日の8月30日において現行条約の特典を受ける権利を有する教授等については、同日以後も、その特典を受ける権利を失う時まで、その特典を受ける権利を引き続き有するとしている。 今までは日本の非居住者で、なおかつアメリカで2年間課税の免除と言うのは、両国の課税からすり抜けてしまう所得があったかも知れない。それからすれば、普通の課税関係に入るわけで、わかりやすいとも言える。日米租税条約の第20条廃止に気を付けてアメリカの申告を忘れないでいただきたい。 アメリカの大学のサイトを見ると、依然として日本との租税条約で教授条項が有効と記載しているものもある。個別の国との租税条約の改訂までなかなかフォローアップできないのだろう。

アメリカの税務においては、死んだ人でもアメリカへの申告をしなくてはならない。自分は死んだのだから、後は良きに計らってくれとはいかない。 死んだからこの世のすべての義務から解放されるかと言えばそうはいかない。死んでもなお未払いの入院費や薬代、医療サービスのお金は払わなくてはいけない。所得だって生じているケースがある。預金利子や配当が発生し、不動産を持って賃貸所得があれば申告をしなくてはいけない。 その点、アメリカは夫婦合算申告と言う制度があるので、残された配偶者が故人の所得を含めて所得税の申告を行うことができる。亡くなった日を境に夫婦合算申告ができなくなると言う事ではない。あくまでその年の年末日までは生きているものとする。だから、12月31日を基準に婚姻関係を判断するので、夫婦合算申告は可能となる。亡くなった年の申告が最終申告となる。 しかしながら、独身の場合はどうするのか。遺言書で管財人を指定しているので、管財人が故人に代って申告を行う。遺言書がない場合、裁判所の任命する管財人が行う。 現実にはそれで終わらないこともありえる。故人の財産が所得を生み続ける。一方、相続でその財産が誰に帰属するのか決定できないことがある。裁判があって5年、10年と争うこともありえる。故人を代理する遺産財団の管財人が、その間も遺産財団(=故人)として申告を行う。

ペットの犬や猫を飼っている人には、その犬や猫はれっきとした家族の一員だし、お姫様や王子様であってもおかしくはない。自分の子供と分け隔てなく一緒に生活をしている。申告書を作成する時に、子供は扶養家族として控除しているわけだから、こうしたお姫様や王子様を控除対象とすることにあまり抵抗がないかもしれない。 飼い主から見ればそうかも知れないが、当然のことながらIRSには大いに抵抗がある。 扶養する子供であるためにはいくつかの条件があり、一番先にアメリカの市民又は居住者でなければいけない。さらに血縁関係を問題にされる。血のつながっている子供や孫、養子、継子等でなければいけない。どうやっても無理である。 また、扶養家族にできるのは子供だけではなく、年齢制限はなく大人でも扶養家族とすることができる。但し扶養される人には所得制限があり、2020年と2021年では所得が$4,300を越えてはいけない。さらに扶養される人は、自分の家賃や光熱費、衣類、食費、医療費、交通費等を50%以上自ら負担していては扶養されることができない。 ここから見ると、一方の配偶者だけが働いて、片方の配偶者に所得がないと配偶者を扶養できそうに見える。日本では納税者と生計を一にする一定所得額以下の配偶者を扶養家族とできる。しかしIRSは配偶者を扶養家族とはできないとしている。 以下のIRSサイトで画面と対話すると、扶養の可否について判定してくれる。

アメリカの第二次世界大戦の死者数は、1941年から4年間で413,000人(=軍人407,000+民間6,000)と言う数字がある。 CDCのデータでは、2020年1月1日から2021年2月13日までのアメリカのコロナ罹患者は27,811,343人で死者は494,008人だ。 アメリカのコロナウイルスの死者数は、1年強で第二次世界大戦の死者数を越えている。まさにコロナウイルスと戦争をしている状況だ。第二次世界大戦ではアメリカ本土が戦場とはなっていない。一方、コロナウイルスとの戦いはアメリカ全土となる。つまり、アメリカが戦場と化しているのと変わりない。 アメリカの申告期限は第二次世界大戦中でもずっと変わらず3月15日だった(当時は1か月早い)。日本で言えば国民が焦土の中を逃げ回っていた時代にも、申告期限を延ばすことはなかった。そのアメリカが、昨年3月21日に、IRS は申告期限を7月15日まで延長することを発表した。その時点での一日あたり罹患者数は約1300人だ。現状ではワクチンの接種がはじまっているものの一日約7万人が罹患している。 アメリカの申告をこの戦争状態の中で、例年より2週間遅れで申告シーズンが始まり、4月15日が申告期限とする事は本当に可能なのだろうか。アメリカ議会の一部からIRSに対して、4月15日の申告期限を延長するようにとの要請が出されている。

アメリカの所得税の申告を行う場合、アメリカの居住者であるかどうかと言う事はとても大きな意味を持つ。全世界の所得に課税を受けるかアメリカ源泉所得だけが課税対象になるのか分かれ道になる。 アメリカの市民権やグリーンカードを持っている場合は、所得税においては居住者となるし、一定期間アメリカにいるとアメリカの居住者となるのが原則だ。 しかし、遺産税において、アメリカ市民以外の人がアメリカの居住者となるには実態と居住意志を見ての判断となる。 そうすると所得税においてグリーンカードを持っている人や実質滞在テストで滞在者となっても、遺産税においては必ずしもアメリカの居住者とならないこともある。税目によって居住者と非居住者が泣き別れてしまう。 仮に難民が自分の生まれた国を捨ててアメリカに入国したとする。そして、アメリカに入国して1週間後にアメリカで亡くなる。所得税の観点ではアメリカ市民でもないし、グリーンカードを持っているわけでもない。実質滞在テストでも183日に満たない。しかしながら、帰る国を捨ててアメリカに入国しているために、遺産税の上ではアメリカの居住者と判断されるという極端な話にもなりうる。 一方、日本で生まれ日本に家族が住んでおり、財産も日本にある人が、グリーンカードを取得して10年も20年もアメリカに住んでいる。しかしアメリカ人の配偶者が亡くなると、日本に帰国すると決めている。この場合は遺産税の上ではアメリカの居住者ではないと言うことも十分にありえる。

2019年の申告書の処理がIRSでいまだに処理が終わっていない。昨年末でおよそ700万件の申告書が未処理で、現状でも200万とか300万件の申告書が未処理のままらしい。おりしも年末に追加$600の給付金が決定され、今年の1月15日までに発行しなければならないと言う強行軍だった。 そのしわ寄せか、IRSのレターが何かおかしい。かなり混乱しているようで、あて先の名前と社会保障番号が間違えていたり、似たようなレターが二重に発行されたりどうした?と思わせる。 IRSはコロナウイルスの給付金について間違ったCP21C通知を発行した。2007年の申告で控除をすると表現され、この給付金は税金と相殺するとしている。 2007年と言うのは単純な間違いかも知れないのだが、どうして2007年なの??理解できない。10万通以上手紙を発行しているとのことで、すべて無駄。IRSの手紙が常に正しいわけではない。 このためIRSはコロナウイルス給付金のQ&Aサイトに1月末にお詫びと訂正を入れている。曰く、「この通知は全く正しくありません。給付金が払われていないわけですから、相殺されようもありません。混乱を引き起こして申し訳ありません。この通知を無視してください」 平時で落ち着いて仕事ができていれば、こうしたミスは発生しなかったのだろう。それほど追い詰められていると言う事だろうか。この手紙をもらってIRSに電話がどれだけ増えたのかわからない。普段でも電話がつながるまでに30分から1時間近く待たされる。火に油を注ぐ結果となったことだろう。負のスパイラルに落ち込んだようだ。 こうした中で、いよいよ2月12日から2020年分申告の受付が始まる。

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