米国で申告を行う際、納税者が直面する驚きがある。それは、「4月15日の期限までに税金を100%支払ったのに、なぜペナルティを請求されのか」という事だ。一見理不尽に思えるこの仕組みの背後には、米国の「申告納税制度」の根幹をなす考え方がある。 1.所得発生時に納税する原則 米国の税制は、所得を得たその時に支払うという原則に基づいている。これは、1年分の税金を翌年の4月にまとめて払えばよいということではなく、所得が発生したら、その分に見合う税金を国に納める義務があるという考え方だ。 • 会社員の場合: 毎月の給与からの源泉徴収で、この義務を自動的に果たしている。 • 自営業者・投資家の場合: 源泉徴収がないため、自ら計算して年に4回予定納税を行う。 2. なぜ「全額納付」でもペナルティになるのか 問題は、納税の「タイミング」だ。例えば、年間の最終的な税額が $2,000 だとする。これを4月15日に一括で支払った場合、IRSの視点では本来、4月・6月・9月・翌年1月に分割して受け取るべきだった資金を、最長で1年間貸し付けていたとみなす。この「支払いの遅れ」に対して利息が課される。 3. ペナルティを回避する安全策 IRSは、予測困難な所得変動に配慮し、以下のいずれかを満たせばペナルティを免除する仕組みを設けている。 1. 当年度の税額の90%以上を期中に納付していること。 2. 前年度の税額の100%(調整後総所得が15万ドルを超える高所得者は110%)を期中に納付していること。 4. 実務的な対策 ペナルティを回避するためには、以下のやり方が有効だ。 • 給与の源泉徴収額の調整 会社員は、勤務先に提出するW-4で、給与からの源泉徴収額を多めに設定することで、予定納税の手間を省く。源泉徴収は「年間を通じて均等に支払われた」とみなされる。 • 予定納税 自営業者の場合、4月・6月・9月・翌年1月の各期限に、自ら予定納税として納付する。 4月15日に税金をまとめて払えばいいと考えると、米国ではペナルティを伴うことがある。所得が発生したら、その時点で払わなければならないという意識を持つことが大切だ。

交通事故で身体的な傷害や休業、精神的苦痛、懲罰的損害を含む 10 万ドルの和解金を受け取ったとする。一見すると「事故の補償」としてまとめて受け取るだけのように思えるが、アメリカ税務ではどの部分が非課税で、どの部分が課税かを明確に区分する必要がある。 アメリカ税務の基準となるのは IRC §104(a)(2) で、ここでは「身体的傷害または身体的病気に起因する損害賠償金は所得から除外される」と定められている。つまり、治療費や休業補償など、身体的損失を回復するための金銭は「原状回復」とみなされ、非課税となる。 ただし、すべてが非課税になるわけではない。身体的傷害を伴わない精神的苦痛の補償や、加害者への制裁として支払われる懲罰的損害賠償は課税対象となる。 10 万ドルの和解金が次のようになっていたとする。 身体的傷害・医療費:3 万ドル 休業・給与損失:2 万ドル 精神的苦痛:3 万ドル 懲罰的損害賠償:2 万ドル このうち、医療費、休業補償、身体的傷害由来の精神的苦痛は 非課税となる。事故による身体的損傷とその結果生じた損失は、すべて「身体的傷害の延長」と考えられる。しかし和解金であっても、それが「身体的傷害・病気」を補償する部分に当たらない限り、和解金は課税所得として扱われると考えられる。この区別がわかりにくいことがある。また、懲罰的損害賠償の 2 万ドルは課税される。これは被害者の補償ではなく、加害者への制裁としての性質を持つため、税務上は「所得」と扱われる。 交通事故の和解金は、単なる「補償金」ではなく、税務上は複数の性質を持つ金銭の集合体だ。和解金の課税・非課税を明確にするためには、和解契約書や控訴状などで、「身体的傷害」「精神的苦痛」「給与の未払い」などどう割り振られるかを明記しておくことが重要とされる。

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