日本でIRSからの英文の手紙をもらうと、一体なんだろうと思う事が多いはずだ。中身を見ても何のことやらよくわからない。この状態では警戒心があるので気をつけてみるだろう。頭の中でアラームをならしながらチェックする。 IRSは次のような場合にコンタクトする。 税金の未納、不足がある 還付金がある 申告書に質問がある IDを確認する 情報不足でさらに追加情報が必要だ 計算が違っていたのでIRSが修正した IRSの処理が遅れている。もっと時間をもらう その他 勿論、税額不足の手紙を無視したりしていると、IRSから督促状が定期的に送られてくる。 よくわからないのはIRSの手紙がエストニアから来ることがある。封筒にはPO Box7054 14002 Talinn Estoniaとかある。IRSの手紙だから当然、アメリカから発信されるはずだ。とっても怪しい印象なのだが、内容はまともなもの。なぜエストニアなのか理由がわからない。 怪しい手紙はいかにもそれらしい。今だけ特別にお金をもらえるので、口座番号や社会保障番号を教えてほしいとかだったら、当然怪しいと思うだろう。IRSは住所を知っているわけで、小切手を送れば足りる。聞いてくる必要がない。税金の不足があるので、すぐ支払わないとペナルティがあるとし、送金は直ちに電子的に行えと限定があるのもおかしい。IRSであれば支払いの方法がいくつか提示される。 IRSからの手紙は無視をするととんでもないことになる。あわてて反応してもいけない。冷静な処理が必要だ。

扶養している子供でも所得を得る事がある。働いて得る所得もあれば、利子や配当などの不労所得もある。子供だから税金を免除されるという事はないので、子供は自分の申告を行うこととなる。税金も払うしペナルティがあればペナルティも払う。しかしながら、子供がそうしたことを自分でできなければ、代理人が子供にかわって申告を行う。 子供の得る所得は働いて所得を得る場合と、利子や配当などの不労所得を得る場合になる。 働いて得た所得だと2020年の申告では、標準控除が$12,400あるために、この金額に満たない場合は、申告要件を満たさない。この金額を越える場合は子供が申告を行う。 不労所得の場合は、利子や配当が$1,100を超える場合に申告を要する。不労所得については、次のような条件はあるが、親が手続きを行って、子供の所得を自分の申告書に取り込んで申告を行うことができる。 所得は不労所得だけである 所得額は$11,000未満である 子供の源泉徴収や予定納税がない 子供は19歳未満、またはフルタイムの学生なら24才未満である 子供が合算申告をしない等 子供が申告をする必要がなくなるのはメリットだ。しかし一方で親の通常の税額が増加するし、Net Investment Income Taxが増加するデメリットもある。どうするのが合理的かは個別のケースで考えることになる。

IRSの納税者番号(ITIN)発行件数は1年間に約100万件で、ITINが発行されるまでアメリカでは1か月ぐらいと聞く。ところが、日本からITINの申請をした時の時間はとてもそんなものではない。一概には言えないが6か月から1年程度かかっている。外国からの申請となれば慎重なのか、そうではなく外国は後回しになっているだけなのだろうか。 特に、昨年からはコロナウイルスのために、正常時に比べて物事がうまく進まないと思える。現象的には、同時に申請をしたにもかかわらず一方の方は6か月程度だし、一方の人は、さらに2,3か月しても全然音沙汰がない。書類は同じなわけで、ITINをもらっている人もいれば、全く何も反応がないと言う状態の人と併存する。申請する方にしてみれば、なぜこんなに時間がかかるのかとフラストレーションがたまる。 IRSで書類審査をしている人が同一かどうかはわからない。書類の審査に個人差があり、ある人は良しとするもある人はダメとするかも知れない。しかし、審査は同じタイミングで、そんなに大きく時間のずれが生ずることはないだろう。とするならば、もともとある書類は処理され、また別の書類は未処理だからと思える。 IRSは彼らのやり方で書類を処理しているだけに過ぎないだろう。IRSの目から見れば100万分の1件で0.0001%だ。ところが書類を提出している方からは1分の1件で100%だ。いろいろな思い入れもあるはずだ。途方もない温度差がある。 ITINの取得には時間がかかると覚悟した方がストレスがない。

2か月前に、財務省とIRSは連邦個人所得税の申告期限を5月17日まで延期することを発表した。時間があって助かったと思っても、もうこの期限が来てしまう。 もっと時間が必要だと言う人には、申告期限の延長が認められる。アメリカに居住している人は、Form 4868を5月17日まで提出して延長申請を行う。延長申請を行う理由の説明は求められない。これにより10月15日まで自動的に期限が伸びる。 日本(海外)に住んでいる人は、もともと2ヶ月の申告期限の自動延長が認められており、6月15日が期限だ。5月17日までに延長申請をしなくても大丈夫だ。日本からは6月15までにForm 4868を提出して延長申請を行うことができる。これにより10月15日まで期限が伸びる。 気をつけなければいけないことは、この申告期限の延長は書類提出の延長をするが、税金の支払い期限を延長するものではない。と言うことは、Form 4868に概算の税金をつけて申告することになる。それにより、ペナルティや金利をセーブできる。税額がゼロならば、書類だけ提出すればよい。 申告をすることにより、税金が還付となるケースもある。5月17日の期限を越えてしまったらペナルティや金利がかかるのだろうか。 ペナルティや金利は、納税額に対してその10%や20%とかという計算になる。還付だから納税額はゼロだ。するとゼロに10%かけようが20%かけようが、ゼロでしかない。ペナルティや金利は発生しないこととなる。 本当にそうなのかと、5年前の申告書を今から提出して、還付金をもらおうとする。これに対しては、IRSは3年を超える期限後では支払いに応じてくれない。2017年分の還付は原則的には2021年年5月17日までとなる。その意味ではペナルティと言えるかもしれない。

やっとこの所、日本でもまずは高齢者を対象とするワクチン接種の案内がなされている。申し込みは電話かインターネットを使っての申し込みだ。いざやってみると、申し込みが殺到して、朝から晩まで何百回も電話をしても電話がつながらない。インターネットは使えないし、どうにも申し込みができないという話を見聞きする。申し込むだけでも大変だ。 一方でアメリカはワクチン接種が進み、5月初めの時点では人口100人当たり75人が接種を終えていると言う。さらに接種する人を伸ばそうと、ワクチンを接種したら$200とかのギフトカード、現金、ボーナス等を差し上げますと言ったインセンティブを会社が従業員に与えている。またワクチンを接種するために会社を休んでも、有給扱いとしている。 こうしたインセンティブの課税関係はどうなるのだろう。会社が支給するコロナウイルス接種を加速させるための現金やギフトカードは、連邦税では所得として認識するのが基本だろう。有給休暇も給料の中に入っているわけでもとより課税対象となっている。 2020年に支給されたコロナウイルス給付金$1,200+$600=$1,800と今年3月に決定された第3回目の給付金$1,400は所得の中に加算して税金の対象としなくても良い。右手で給付金を受け取り、左手で税金として取られてしまうのでは意味が薄れる。 金額の大きさからみれば圧倒的に大きいコロナウイルスの給付金には課税関係がない。その10分の1程度のギフトカードや現物給付があったとして、それをどこまで所得に加算するのかは容易ではない。いっその事、控除額を決めてその範囲なら所得から外すとする方が簡単だろう。

バイデン大統領がステップアップを廃止すると言う案を出している。ステップアップは財産の取得コストを相続開始日の市場価格に塗り替えるやり方だ。 仮に400万ドルの財産を持つ人が亡くなったとする。そのうち、300万ドルが不動産であり100万ドルで購入したものとする。この不動産を譲渡する。現状では遺産税も控除限度額内でかからないし、所得税もステップアップが働くので税金が発生しない。即ち、ステップアップは、相続開始日の市場価格に取得コストを塗り替えて譲渡益が発生しないからだ。 しかし、バイデン大統領案では100万ドルの控除はあるものの、そこを越える100万ドルの譲渡益については課税となってしまう。 譲渡益は300万ドル-100万ドル=200万ドル。 課税所得は200万ドル-100万ドル控除=100万ドル。 この100万ドルに39.6%の税金がかかる。40万ドル近い税額になるし州税を入れると50万ドル前後にもなり得る。 実現されるのかどうかはまだわからない。しかし、実現したら実務的には大変やっかいな話となる。即ち、ステップアップではなく取得コスト方式に変わるからだ。データがきちんと残っているのかどうかだ。故人が買った不動産や株で当時のデータが残っていれば良い。しかし、相続をしている場合もある。先祖代々の財産と言う事もあろう。当時の書類が残っていない。現状では、取得コストを開示できない場合は、取得コストをゼロとされてしまう。譲渡額そのものが譲渡利益となり課税されてしまう。これはいかにも乱暴だ。 冒頭の簡単な例の譲渡益が300万ドルの譲渡益で、課税対象所得が200万ドルとなる。結果、税額が80万ドルから州税を入れて100万ドルの税金となってしまう。このままバイデン大統領の増税案が通るかどうかは予断を許さない。

米国救済計画法the American Rescue Plan Act of 2021 (the American Rescue Plan Act)が3月11日に成立した。 個人向け施策の一つがコロナウイルスの支援金で、1人当たり1400 ドルの給付する。既に給付金を受け取っている人も多いだろう。これは昨年から数えて3回目の給付となる。 第1回目:2020年3月のCARES法で大人1人当たり最大$1,200、17歳未満の子供1人当たり$500 第2回目:2020年12月の追加景気対策で支給された一律$600 第3回目:2021年3月の$1,400 これまでの給付金の中では最大の金額になる。このコロナウィルス給付金はいずれも課税を受けることはない。 今回の対策は1.9 兆ドルと言われ、アメリカ政府の台所事情は苦しくなることが必至だ。そこで何とか埋め合わせのために、所得の大きな人に負担をしてもらおうと言う事になる。 その方策の一つとして、キャピタルゲインの課税強化が考えられる。課税率が39.6%になるのではないかと言ううわさも聞く。但し、所得が年収100万ドル以上の人を対象にするということだ。 実際にどうなるのかはわからない。どうも、税率を39.6%と高く上げておいて、落としどころは30%にする?と言う事で受け入れやすくするという声も聞くがよくはわからない。

連邦税の還付金は、連邦税を計算する時に所得に加えることはない。税金の計算を終えた自分のお金が戻ってきている。IRSは還付金と別に利子をつけて返してくれることがある。この利子については、銀行預金の利子と同じで課税対象の所得になる。 では、連邦税の還付金が州税の申告では課税対象となるのか。州ごとに見なくてはいけないが、連邦のAGIをスタートに州税を計算しているところが多い。連邦に還付金が加算されていないと州税でも含まれないことになる。 それなら、州税の還付金は連邦税の所得なのか。連邦税の過年度の計算で州税の控除を項目別控除で取っているとする。その分、控除を過大にとっているので税金が少なくなっている。これは適正ではないので精算をする。 過年度の申告が適正ではなかったから、修正申告をするでもいいだろうが面倒だ。そこで当年の申告でその分を所得に加えて2年で調整する。 ところが、多くの場合、過年度において標準控除を用いているケースが多い。この場合は、還付金があったからとしても標準控除のままなので、過年度の税額に影響しない。それ故に当年では州税の還付金を所得に加算することはない。 州税の還付は州税の所得になるのか。州税の所得にはならない。

それにしてもFBAR (Form 114)とFATCA (Form 8938)とどうして似たような報告制度が二つもあるのかと思う。確かに、足元のニーズが違っていて、それぞれFin CENとIRSという別の組織が情報を求めている。 しかし、提出をする個人からしてみたら、ほとんど同じ情報をFBARとFATCAで提出する。FATCAに記載したのだからFBARを出さなくていいでしょうと言いたいところだ。確かに報告基準額が違うので、両方を出さなくても良いこともあるが、面倒だと思うだろう。 Form 1040の申告で夫婦合算申告を行う。当然のこととしてFATCAも一緒に提出している。FBARはどうするか。FBARだって夫婦合算で提出しても良いではないか。 ということで夫婦が一緒にFBARを提出する。夫婦合算FBARは可能なのだが、条件がある。報告する口座が共有名義でなければならない。 日本の口座は個人の口座だ。とすると夫婦合算のFBARの可能性は閉じられてしまう。別々にFBARを申告せざるを得ない。

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