2021年のForm 1040では名前や住所を記入する行のすぐ下に、仮想通貨開示の質問がある。2021年中に、仮想通貨を受け取り、販売、交換、またはその仮想通貨を譲渡しましたか?という質問がある。Form 1040を提出する場合は、Yes/Noをチェックする必要がある。2021年以前に取得した仮想通貨を年間を通じて持っているだけの場合はNoとなる。 仕事の対価として仮想通貨を受け取った場合、そのドル価値は、他の収入と同じように、報告対象で課税される。仮想通貨を受け取ると、それは資産と見なされる。譲渡すれば仮想通貨はキャピタル資産として譲渡益の課税を受ける。 一方で、FBARやFATCAの情報報告では依然として不透明だ。 FBARに関しては現時点ではFinCEN Notice2020-2が判断の根拠だと考えられる。 外国銀行および金融口座の報告書(FBAR)の規制では、仮想通貨を保有する外国口座を報告する口座として定義していない。そのため、現時点では、仮想通貨を保有する外国口座はFBARで報告されない(その口座に仮想通貨以外に報告すべき資産があれば報告対象)。FinCENは、外国金融口座(FBAR)の報告に関する銀行秘密法(BSA)の規制を修正し、報告口座に仮想通貨を含めることを提案する予定となっている。 報告要件を超える特定の外国資産は、Form 8938でもその資産をIRSに報告する必要がある。Form 8938で仮想通貨を報告するにも分かりにくいことが多い。外国の仮想通貨取引所の個人口座が外国資産か、それとも金融機関の口座が外国資産なのかもはっきりしない。現時点ではIRSは明確な答えや指示を出していない。 悩ましい仮想通貨の情報申告だ。

最近、ある方がPC 80なるレターをIRSからもらった。2020年の申告で、約3万ドルのCreditがあるのに、申告書が提出されていないので申告書を提出してくださいと書いてある。Creditが約3万ドルもあって、取り忘れをすることは考えられない。申告書も出ていないと言うのは理解できない。何事かと訳が分からない。 IRSが何でCreditをわかるのだろうと考えはじめる。Creditの内容は何だろうと考えているうちに、突然分かった。Creditは納付した税額だ。IRSに支払ってIRSが収受したわけだからCreditになっている。 申告書を提出し、あわせて納税額を納付している。IRSは税金を収受していても申告書は受け取っていない。事実は申告書を1年も前に提出している。これはどう考えてもおかしい。 IRSのコンピュータは収受した記録だけがあって、申告書がないと言う。だから申告書が出ていないという機械的な判断で、CP80レターの発行処理が実行されてしまっている。 IRSがまだ申告書の処理を終えていないだけではないか。申告書に小切手がついていても、申告書の処理と入金処理がバラバラになっている。 納税者がこの手紙をまともに受け取ると、納税者は申告書をもう一度提出だ。IRSには、同じ申告書が積みあがる。さらにIRSの仕事が増えて忙殺される。悪循環だ。 このケースは紙の申告書で発生している。100%電子申告ができず、紙の申告にならざるを得ないケースがある。IRSはたくさん問い合わせを受けているようだ。 IRSの答えは何もしないでくださいと言う。 IRSは2022年1月初めの時点で、600万件の個人申告書、さらに230万件の修正個人申告書、および雇用主から提出された200万件を超える四半期納税申告書をまだ処理できていない。1,000万件を超えている。2019年分の還付ももらえていない人もいる。1月24日から始まった2021年分申告が火に油をそそぐことになるのは避けようがない。 コロナウイルスでほとんどの人をテレワークにした混乱が続く。コロナウイルス恐るべしだ。

2021年3月に成立したAmerican Rescue Plan法により、3回目のEconomic Impact Payment(EIP)の$1,400/人が支払われている。しかしいろいろな理由でこれを手にできていない人もいる。 IRSは今月後半、受給する人すべてにレター6475を郵送すると言っている。このレターは受給する金額の記載がなされている。 もしもEIPを受給できていない場合、1月24日から始まる2021年分の申告書上で還付請求を行う。2020年分の申告と同じように、Recovery Rebate Creditとして還付請求できる。 このレターの配達に以上に時間がかかったり、住所変更等でレターを手にできないこともあるかもしれない。その場合はこのレターを手にすることがなくても、申告書Form 1040の30行目にクレジットとして記載する。 IRSは申告書を処理する時に、この控除を所得金額で計算して満額か減額して還付してくれる。所得金額が大きい場合は、還付対象から外れることもある。 もしも所得金額が少なく申告書を提出しなくてもよい状況ならば、それでもあえて申告書を提出してこの還付金を受給することになる。 実際に還付がいつになるのかは何とも言えない。海外から紙の申告書を提出する場合は、相当時間がかかることを覚悟した方が良いだろう。2019年分の還付金、2020年の還付金もまだもらえていない人もいる状況だ。

2025年分の申告を行わなければいけない最低所得金額は、下表の右端の数値となる。 ただし、所得が基準以下でも自営業所得が$400以上や源泉徴収の還付等では申告する。 独身 65才未満 65才以上 $15,750 $17,550 夫婦合算 65才未満 (夫婦とも) 65才以上 (片方) 65 才以上(夫婦とも) $31,500 $33,100 $34,700 夫婦個別 年齢によらず $5 所帯主 65才未満 65才以上 $23,625 $25,625 扶養する子供がいる寡婦(夫) 65才未満 65才以上 $31,500 $33,100

IRSによると、2021年分の2022年申告シーズンは、昨年より2週間以上早く、1月24日から始まる。コロンビア特別区の休日のため、提出期限も4月18日まで3日延期される。 大きな日程: 1月24日:個人所得税の申告開始 4月18日:同上の申告期限 6月15日:日本(海外)からの申告期限(2か月自動延長) 10月17日:延長申請をした場合の申告期限 過去2年と同じように、COVID-19感染の増加が遅れを引き起こす可能性がある。IRSは2022年1月初めの時点で、600万件の個人申告書、さらに230万件の修正個人申告書、および雇用主から提出された200万件を超える四半期納税申告書をまだ処理していない。まさに申告書に埋もれてしまっている。 何とか一日も早く処理をしてもらおうとしても、データがそろわない間に申告書を提出するわけにはいかない。証券会社が1099を送信する期限は、2月15日だし、伸びることがある。パートナーシップのパートナー、S法人の株主、または信託の受益者は、Schedule K-1を受け取るまで待つ必要がある。日本の確定申告を待つと3月15日を超えることもある。 ありがたいことに日本からの申告は、延長手続きは不要で6月15日まで期限が自動延長される。延長手続きをすれば10月17日まで延長される。 この時期になって2019年申告書に関し、IRSは不足資料の提出を求める手紙を送って来ている。ということは、まだ2019年の申告書の処理が終わっていない。さらに2020年分の申告書も残っている。 申告を行うときに前年からの繰り越しがある。1年前、2年前の申告書の処理が完了していないと、自分の計算で繰越しを使わざるを得ない。過去の申告書が修正となると、当年にも波及する。修正するのも大変なので、延長して様子を見る方が楽だろう。でも延長された期間に過去の申告書がすべて処理されるかどうかはわからない。悩ましい2022年申告シーズンが始まる。

出国税(Form 8854)でアメリカ市民には救済措置があり、グリーンカードホルダーには救済措置がない。なぜなのかと考える。 全ての話はアメリカの市民権課税という世界に類のない課税の仕方から発生する。生まれながらにしてアメリカ市民は、市民を根拠として税務申告の義務を負う。アメリカ市民であれば、アメリカだけでなく日本だろうが世界中の所得が課税対象となる。 誰がアメリカ市民たるか。アメリカで生を受けた人、アメリカ市民から生まれた人はアメリカ市民となり得る。アメリカで生まれた人が親の帰国に伴い赤ちゃんや幼児の時に帰国している。それ以来、アメリカには行ったこともない。親がアメリカ市民だけど自分は日本の外に行ったこともない。というような、事故でアメリカ市民となっている人がいる。 事故でアメリカ市民になった人にも、アメリカは納税の義務を課し、日本の所得(全世界の所得)をアメリカに申告するよう求める。でも事故でアメリカ市民になった人は、アメリカに申告したこともない。 アメリカの課税制度の1丁目1番地たるアメリカの市民権課税を破る事は、アメリカの税金の根幹にかかわる。アメリカから見れば、アメリカ市民が申告納税義務を果たしていない。情報申告も行っていない。これは法に背くことゆえに、申告納税義務を求め、無申告のペナルティを課すことになる。 日本人だと思って日本に暮らしている人が、ある日突然、アメリカから100万円単位の税金の支払いを求められたらどうだろう。これは気の毒だと言う事をアメリカも理解する。そういう人は、すみやかにアメリカの市民権を放棄してくださいとなる。そしてその場合は、過去にアメリカの申告もせず納税をしていなくても救済する措置がある。 日本の国籍を放棄して、進んでアメリカに帰化した人は、事故でアメリカ市民になったとは言えない。 グリーンカードホルダーは、気がついたら自分がグリーンカードを持っていたとはならない。自ら進んで能動的にグリーンカードを取得している。アメリカに住もうとしているわけだから、当然のこととしてアメリカ社会の法律、規則、しきたり等を知ってもらわなくては困る。アメリカに住んで働き所得を得ても、全世界所得に対する申告納税の義務を知りませんでしたという事を認めるわけにはいかない。 これが事故でアメリカ市民になった人とは一線を画し、救済措置は使わせないと言う事だろうと考える。

PayPal等の電子決済アプリを使用している場合、今年の1月1日から、電子決済がIRSに対してForm 1099-Kで報告される基準が厳しくなる。その流れで米国の納税者ステータスを確認されている。 PayPal等は、年間で合計600ドル以上の商品またはサービスの支払いをIRSに報告する。この目的は、申告書で報告されていない課税所得を減少させることにある。 従来は、個人アカウントで1年間に200件の取引があり、その合計が20,000ドルの場合にのみ、電子決済アプリ提供者はIRSにフォーム1099-Kを報告していた。 この変更で、突然、課税されていなかったものが課税されると言う事はなく、何も変わらないという方もたくさんいるだろう。 もともと、商品やサービスの対価として受け取る所得は課税対象だ。そうした所得が第三者からIRSに通知されるかどうかに関係なく、申告書で報告する責任は変わらない。 この変更で、IRSは取引が良く見えるようになり、所得の申告漏れを防ぐことができる。即ち、報告された所得が申告書上に記載されているかチェックできるからだ。 但し、こうしたサービスが事業で使われているのか、お年玉を送金したとかビジネスの判断がつかない場合もあるはずだ。何でも事業と報告されるかもしれない。また、同じ内容がForm 1099-NECやForm 1099-Miscと重複してIRSに報告されてしまうかもしれない。 確かにこの変更で、取引の透明度が上がるだろう。一方で、所得の二重計上やビジネスと無関係な支払いまで事業としてForm 1099-Kが発行されてしまうかも知れない。だんだん管理水準が上がるかも知れないが、処理上は手間が増える。

12月31日はいろいろ意味を持つ日だ。12月31日に結婚していればその1年を通して結婚しているものとみなす。反対に12月31日に独身だと、1年を通じて独身となる。子供が生まれると、その子は1年を通じて生まれているとなる。 亡くなった人がいれば、1年を通じて生きていたものと見なす。そのため、1年を通じて夫婦合算申告を行い、標準控除を二人分使うことができる。それも12月31日までで、翌年からは故人と共に夫婦合算申告を行うことはできない。 上述の変動が年の途中にあっても、それに合わせて日割りで計算することはしない。配偶者が1月31日に亡くなったから、標準控除を12分の1か月しか取れないと言うことはなく、1年分取ることができる。 この1年の間にグリーンカードや市民権を放棄した方もいれば、反対に取得した方もいるだろう。税務上の居住者、非居住者が1年のうちに混在する二重居住者だ。 放棄の場合、1月1日から1年間非居住者として良いかと言えばそれはできない。放棄する日までは、アメリカ居住者であり、放棄後はアメリカ非居住者だ。取得の場合、取得日以前は非居住者で、取得日以後は居住者となる。 ただし、放棄であれ取得であれ1年を通じてアメリカ居住者とすることは認められる。課税の範囲、期間が広範になり、アメリカにとって不都合はないと言う事だろう。

米国国務省による国籍喪失証明書の発行で承認されない限り、市民権の放棄は認められない。万が一、米国国務省が市民権放棄を承認しない場合はどうなるのだろう。 アメリカから税務上、出国する事を禁じられてしまう。すると、税務上のステータスはアメリカ市民なわけだから、アメリカ居住者で全世界所得課税の対象のままだ。 国務省の承認を待って申告できるタイミングなら、はっきりしてそれが良い。しかし、申告期限まで時間がなく、申告しなければならない場合にどう動くか。 出国した年に出国税を提出していないと、出国税を申告しない$10,000のペナルティを課せられる可能性がある。 アメリカ大使館や領事館で、市民権の放棄宣言を行っている以上、よほどのことがない限り、承認されるという前提で出国税の申告を行うしかない。これにより、出国税のペナルティは回避できる。 万が一、申告の後で税務上の出国を拒絶された場合、これは正しくないことになる。この場合は理由を明示して、居住者として修正申告することになる。出国税はないので、その遅延や提出しないペナルティはない。 出国税を提出して、ペナルティを回避することが妥当と思う。

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