税金は所得を得たら支払うようになっている。会社に勤めていれば、毎月の給与から税金が源泉徴収される。会社に勤めていない人は、これと同じことを自分で行うことになる。自分が稼いだ分や利息・配当・賃貸所得・キャピタルゲインなどを対象にして、当年の払うべき税金を4期に分けて納税する。これにより、ぺナルティや金利を回避することができる。 納付期限 対象期間 期限 第1期:1月1日から3月31日 4月15日 第2期:4月1日から5月31日 6月15日 第3期:6月1日から8月31日 9月15日 第4期:9月1日から12月31日 翌年1月15日 いずれにしても予測でしかなく、確定申告の時に精算となる。 過大に予定納税→後日還付 過少に予定納税→後日納付 予定納税が必要な条件 源泉徴収額や税額控除を差し引いてもなお、当年に$1,000以上の税金が発生する場合だ。 $1,000未満なら予定納税は必要がない。予定納税の潜在的な対象であっても、源泉徴収等で納付している金額が当年の税金の90%を超したり、前年(フル12ヶ月)の税金の100%(高額所得者は110%)以上を納付していれば、予定納税は必要がない。 安全策 税額を予測するのは必ずしも容易でない。不確定な要素が入り、推定しているからだ。そこで、時間もかけずに安全策を取る場合、前年の税額の100%(または110%‐注)以上を納付する。 注:Adjusted gross incomeが夫婦合算で$150,000 (独身では$75,000)以上の場合は110%となる。

引越をした時には、現時点での住所を使う。アメリカから日本に帰国していても、以前に住んでいたアメリカの住所で申告をすることは適正ではない。現時点の住所なので、1年のうちで旧住所と新住所が混在していれば新住所を使って申告する。 昨年申告をした申告書に間違いがあり修正申告を行う。その住所は旧住所で、既に住んでいない。そのままの住所を使うか、一瞬、迷うかも知れないが、この場合も新住所を使う。 なぜなら、IRSが還付小切手を送っても、旧住所ならば自分の手元に還付小切手が届かない。さらに、追加納税を請求された時に、その通知が自分の手元に届かない。後日、それを知った場合、延滞金や金利が上乗せされて税額が雪だるまになることもあり得る。 こうした事態を防ぐためにも、住所が変更となった場合は、IRSや州に対して住所変更通知を出しておく。 書面で通知しても構わない。書面には少なくとも次の項目を記載する。 自分のフルネーム 社会保障番号または納税者番号 旧住所と新住所 署名 IRSの事務所に直接行って変更することでもよい。 さらに自分が勤務する会社や郵便局にも通知する。 USPS Official Change of Address Form

アメリカ市民やアメリカ居住者の子供は、一般論として、扶養控除の中に入れることができる。片方の親が非居住者であっても、片方がアメリカ市民ならば、子供は外国で生まれたとしてもアメリカ市民だ。 扶養控除を取る場合は、自分だけがその子供を扶養対象にしていなければならない。すでに誰かが扶養の対象にしていたら、二重に控除を取ることはできない。年令が19才以下(フルタイムの学生の場合24才以下)という条件もある。さらに、子供が自分で所得を得て、自活していた場合は対象にならない。 こうした条件がすべて満たされていても、居住条件がついていて、少なくとも親と半年以上、一緒に住んでいることが要件となる。 この場合、子供が学校で学ぶために、親元を離れて半年以上、親とは一緒にいることはできないことがある。すると、扶養の条件に合わなくなってしまうのだろうか。 この場合は、一時的な不在として、本来は親と一緒に暮らしているものとして認めてくれる。同じような考え方は、病院に入院して親元にいられない場合でも適用される。

グリーンカードを持った人が、日本に帰国してしばらく日本に滞在した後に、アメリカにグリーンカードホルダーとして再入国しようとする。その時に入国管理官からアメリカに長期間滞在していないので、グリーンカードの放棄を求めらることがある。 自ら進んでグリーンカードを放棄するか、仕方なしにグリーンカードを放棄するかは別に、グリーンカードを自らの意思で放棄しますと書類にサインしてしまう。 ところで、グリーンカードを放棄すると税務上の影響はどうなるのか、入国管理官がきちんと説明をしてくれるかどうかはわからない。 グリーンカードの税務に加えて、一定の条件に合う人が放棄した場合に出国税の対象となる。一口で言えば、グリーンカードを持っている時に値上がりしている資産(不動産や株式等)はグリーンカード放棄時点で課税を受ける。例えば、5000万円で買った不動産が2億円に値上がりしていると、含み益の1.5億円が課税対象になる。アメリカの不動産に限ったことではなく、日本を含む全世界の不動産(財産)が対象だ。 含み益に対する課税を行うので、実際に財産を譲渡しているのではない。お金が手元にないことがあり得る。その場合、税金を払うために、自分が住んでいる家を手放さなければならないとなれば、大変なことになる。もちろん、出国税の条件があるので、すべての人が出国税の対象となるわけではない。 税務上の影響もあるので、空港でのグリーンカード放棄は慎重に行うべきだ。

申告をしていないと、IRSが代わりに申告書を作ってくれることがある。所得のデータが会社や金融機関からIRSに通知されているからだ。IRSはそのデータで独自に申告書を作成し、税額を算出して税金を払うように求めてくる。 これは正しい税額になっていないことがある。なぜなら、株式譲渡益に関しては、IRSには譲渡の情報があるが、購入したコストが分からない。結果として譲渡金額=100%利益として計算してとんでもない税額になっている。実際は年間合計では譲渡損失となっているにもかかわらず、売買金額の合計で数千万円の利益としている。税額がゼロなのに百万円単位の税金を払いなさいということがあるので驚いてしまう。そのまま放置するわけにはいかない。 申告期限に遅れても、とにかく申告を行うことである。そうした無茶苦茶なことは起こりようがない。日本で申告をしてきちんと税金を払っている場合、アメリカには税金が発生しないことが多い。書類だけの提出だ。だからと言って申告をしないと、無申告になってしまう。 仮に税金が発生する場合、期限内に申告しても税金は発生しているわけだから、この点については同じだ。違うところは、期限後申告のペナルティと金利が加算される。5%増し・10%増しとなっても払えない金額ではないはずだ。 無申告状態になり、心の重荷になっては居心地が良いはずはない。とにかく過去のものであっても申告をすれば、ほとんどの場合、あっけないほど簡単に物事が済んでしまう。

税務上のメリットを目的の一つとして寄付をする場合、項目控除に入れて寄付した分を申告所得から控除できる。しかし、無条件に控除できるとは限らない。 そのためには次のような条件がある。 1.寄付する相手先が適格非課税団体でなければいけない。 2.Schedule Aで項目控除に記載する。 3.寄付の見返りがある場合、寄付金額から見返り分を差し引いた分が実際の寄付となる。 4.現金以外の物品等ではその公正市場価格が寄付した金額となる。 5.250ドル以上の寄付では慈善団体名、寄付の日付、金額を示す記録が必要だ。500ドル以上の品物の寄付ではForm 8283を添付する。5,000ドル以上の品物を寄付するならば、資産の公正市場価格を表す評価書が必要だ。 適格非課税団体である。アメリカでの非課税団体の認定を得ていなければいけない。 教会は必ずしもこの認定を受けている必要がない。日本に住んでいるアメリカ市民がアメリカにある教会に寄付をする。まったく問題がない。同じように、日本にある教会に寄付をしても外国の組織は税制適格な組織と認めていない。アメリカにある教会は控除対象でも、日本の教会ならば控除対象にならないことがありえる。

住所が変わった時に、税務当局に変更通知を行う。旧住所を使い続けることは問題を生じさせる。 IRSが還付小切手を郵送しても本人に届かない。それでも仕方ないといえばいいかも知れないが、追加納付で税金の不足通知等を旧住所に送付しても、タイムリーに連絡が取れない。アメリカの税務当局は督促状を送り続ける。ペナルティが雪だるまになり問題が大きくなっても本人は知らない。最後は預金口座の凍結といった事態になってしまう。IRSは通知を受けているところの住所の住所に書類を送るだけで無責になる。 帰国した人がアメリカの住所を使い続けると、別の問題も生ずることがある。東海岸に住んでいた人が帰国時に、金融口座のステートメントをカリフォルニア州の友人の住所とした。日本に帰ってもオンラインで株の譲渡を行っている。カリフォルニア州から突然、州税を払うように督促状が送られてくる。 本人は、もともとカリフォルニア州に足を踏み入れたこともない。しかし、カリフォルニア州から見れば、住所の記載からカリフォルニア州の居住者そのものだ。当然譲渡益に対しては課税する。 こうしたことは是非避けるべきであり、住所が変わった時にはIRSや州に対してすみやかに連絡をしなければならない。連邦であればForm 8822を使うし、カリフォルニア州ならForm 3533が住所変更届である。住所の通知は納税者に責任がある。

税金の還付金は連邦税と州税に分けられる。 連邦税の申告では、過年度の税金を払いすぎて還付金をもらっても基本的には所得として加算することはない。 ただし、利息をつけて返してくれた場合、その利息は所得としてあげなければならない。 州税の還付の場合、過年度の申告においてSchedule Aで州税の控除を取っていると、連邦税は少なくなってしまっている。控除額が大きくなりすぎているからだ。 そこで、過年度の修正申告を行えばよいのだが、修正申告を行わず、次の年でその分を所得として扱う。これによって2年間で適正な税額に調整する。 ここで大事なことは、Schedule Aで州税の控除を取っていることだ。しかし、標準控除を使ってSchedule Aを使っていないことがある。この場合は、州税の要素で連邦税の税額が過少になっていることはない。 過年度にSchedule Aで州税を控除していない場合、次の年で所得として税金の還付金を加算することはない。

亡くなった人に所得があり、申告の要件を満たしているならば、きちんと最後の申告をしなくてはいけない。故人が申告書を作成したり、サインをすることができないし、税金を払うこともできない。 アメリカならば遺産財団が造られて、遺産財団の執行人、管財人、代理人等が故人に代わってサインをする。 日本に住んでいた場合、遺産財団が設立されることはない。アメリカの申告書を見たこともない人が、申告書を作成するは大変だ。申告書は専門家に依頼して形になったとしても、署名する人が亡くなっているのでサインできない。 そこで、配偶者がいれば、故人に代わって所得税の申告書にサインする。配偶者もいなければ、代理人がサインを行うことになる。 配偶者がサインする場合:配偶者の名前の後にFiling as Surviving Spouseと書く。 代理人がサインする場合:代理人の名前の後ろにPersonal Representativeと書く。 サインする人が税金についても直接的な責任をもつことになる。十分に責任を理解してからサインをしなければならない。

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