税金の納付は次のような手段できる。 1. IRS Direct Pay 個人向け 2. クレジットカード・デビットカード カード払い 3. Electronic Federal Tax Payment System 事業者向け 4. Electronic Funds Withdrawal タックスソフト等からの支払い 5. Same–day wire アメリカ国内にある口座からの支払い 6. 小切手・マネーオーダー 7. 現金 アメリカにある契約されたコンビニまたはIRSの事務所で支払い 日本から納付する場合は、オンラインでのカード払いが多い。 日本にある金融機関で振り込むことは、手間と時間・コストがかかるので、IRSは推奨していない。またコンビニは日本国内の店ではなく、アメリカの店で、しかも契約している店に限定される。

日本を出国しアメリカに住むようになる時、あるいはアメリカから日本に帰国する時に、たいていは年の途中のタイミングとなる。ということは、日本を出国する場合、1年間のうちアメリカ非居住者とアメリカ居住者である期間が混在する双方居住者(Dual Status Alien)となる。帰国する場合は順序が逆になる。 (日本を出国してアメリカ居住者となる場合) アメリカ非居住者の期間:この期間においては、アメリカ源泉所得だけをForm 1040NRで申告する。 アメリカの居住者である期間:この期間においては、全世界所得がアメリカの申告の対象になる。Form 1040で申告する。 このケースではForm 1040にDual Status Returnとトップに記載し、 Form 1040NRのトップにはDual Status Statementと記載する。 (アメリカを出国してアメリカ非居住者となる場合) Form 1040NRにDual Status Returnとトップに記載し、 Form 1040のトップにはDual Status Statementと記載する。 いずれにしても、2種類の申告書を提出する。入国または帰国で分けるので、期間の記載も注意する。 この双方居住者になった時に制限が出る。 1.標準控除を使う事が出来ない 2.所帯主にはなれない 3.夫婦合算申告を選択できない(夫婦別々の申告となる) 4.配偶者がアメリカ市民やグリーンカードホルダーの場合は、特例を使い夫婦合算申告は可能である(税金の計算上有利かどうかはケースによる) 5.いろいろな控除で制限を受ける

所得税を任意の国に選択的に納めることができるだろうか。アメリカに申告をしなければならない場合でも、日本に申告をしているのでアメリカに申告をしないと言うことである。あるいは、その逆でアメリカに税金を払うから、日本の税金を払わなくてもいいと考えることだ。 日本に住んでいる人がアメリカに旅行へ行く。アメリカで自動車を運転してスピード違反で捕まる。これはアメリカの罰金だ。日本人なので日本の国庫に罰金を納める、だからアメリカには罰金を納めなくてよいとは考えないだろう。 日本で給料をもらっている人が、その税金をアメリカに払うから、日本で税金を納付しなくてもいいと考えることはないはずだ。ましてやふるさと納税のように、世界中の好きな国に税金を払うから、日本の税金はそれでおしまいとは考えないはずだ。 スピード違反の罰金の代わりに、日本居住者のアメリカ不動産の賃貸所得と置き換える。 この場合は、スピード違反と異なり、一国だけでは終わらずに、二か国の税金の対象となる。アメリカの不動産賃貸所得であっても、日本居住者は全世界所得に対して課税を受けるので、アメリカの所得であっても日本の税金の対象になる。 日本で税金を納めているので、アメリカには申告しなくていいと考えるとえらいことになる。アメリカでのスピード違反の例で言えば、日本の国庫に罰金を納めているから、アメリカの罰金を払わなくても良いと考えているようなものだ。 逆にアメリカに申告をしているから、日本に申告をしなくても良いと考えるとこれも間違えてしまう。 ただし、二か国で二重に課税することは気の毒なので、外国税額控除で日本の税金からアメリカで支払った税金を差し引きましょうと言うしくみがある。結果的に、アメリカで税金を納め、日本ではその税額分を差し引くので、日本では税金が発生しなかったということもあり得る。完全に100%、二重課税を回避できるかどうかはケースごとに異なる。 もしも申告していない場合は、すみやかに過去にさかのぼり申告しなければならない。

Form 1040で夫婦合算で申告をする場合に、最初にForm 1040で名前を記入する。名前を記入する時に1行目は夫で2行目は妻とか決まっているのだろうか。夫婦の記載順序は固定的に、夫が最初の行で妻が二行目ということはない。 仮に、1行目に記載されている人より、2行目の人の所得が大きく、実質的に2行目の人が家計を支えているとする。家計を支えている人が1行目に記載されるということもない。 では自由に記入できると言って、その時の気分で好き勝手に書いていいものだろうか。 Form 1040のインストラクションは13ページで次のように言う。 If you filed a joint return for 2015 and you are filing a joint return for 2016 with the same spouse, be sure to enter your names and SSNs in the same order as on your 2015 return. 2015年に夫婦合算申告をしていて、2016年でも夫婦合算申告をするならば、2015年の申告書と同じ順番で記入するようにと書いている。昨年と同じにしなさいというわけだ。 でもそうはいっても、配偶者が亡くなってしまったら自分が1行目に来ないとおかしいではないかと思うかも知れない。配偶者が亡くなった年に関しては、亡くなった配偶者はその年の最後まであたかも生きていたように処理できる。となれば前年と同じ順序で名前を記入する。

申告書を紙ベースで作成して提出する場合、宛先を正しく記載し、正しい金額の切手を貼って申告期限までの消印があれば期限内に申告したことになる。 つまりアメリカの税務申告書は発信主義(メールボックス主義)をとる。メールボックス主義は、発信主義で郵送した郵便物の消印でその消印の日がIRSに申告書を提出したものと扱ってくれる。実際にIRSに申告書が届く日が申告期限を超えて、例えば4月19日や20日でも良い。 万が一何らかの理由で申告書がIRSに到着していなかったら大変なので、住所を間違えないように確認する。デリバリーサービスの会社を使えば、自分の送付した申告書がどこにあるのかわかる。 アメリカのことで、アメリカをベースに考えているのでU.S. Postal Serviceが基準になっている。 海外から発送する時に、日本の郵便局会社の日付は、U.S. Postal Serviceではないので、同じように発信主義ではなく到達主義ではないかと心配するかもしれない。現実的には問題がないが、気になるのであれば、十分に余裕をもって郵送することになる。 ありがたいことに、日本からの提出期限は2か月の自動延長の対象になるので、6月15日が期限となる。

1月23日よりIRSは個人所得税の申告書を受理する。申告期限は4月18日となっている。 申告の延長はForm 4868を4月18日までに提出をする。これにより10月16日まで6か月申告期限が延長される。但し、納税を延期しているのではなく、税額が発生する場合は4月18日までに納付する。納付しない場合は4月19日からの延滞税等がかかる。 日本(海外)から申告をする場合 2か月の申告期限の自動延長があり6月15日が期限となっている。 自動延長:申告期限の申請を提出することがなく2か月の延長が認められる。 但し、納税を延期しているのではなく、税額が発生する場合は4月19日からの延滞税等がかかる。 6月15日を超えて延長する場合は、Form 4868を6月15日までに提出をする。これにより10月16日まで申告期限が延長される。但し、納税を延期しているのではなく、税額が発生する場合は4月19日からの延滞税等がかかる。 情報申告 FBARの期限は従来の6月30日から申告書の提出期限の4月18日が期限となる。但し延長申請により申告書と同期して延長される。

日米の税務でのトラブル対応が多い。いろいろなケースがあるのだが、驚いたケースがあった。 日本に住んでいるアメリカ人がアメリカに申告をする。アメリカの申告ゆえにアメリカ本国にいるアメリカ人の専門家に依頼をしている。コミュニケーションもアメリカ人同士なのできわめて円滑に行っているに違いない。 しかし、どういうわけかアメリカ人の方が私のところに相談に見えられた。その方は配当の金額が大きい方で、日本で得られている配当がほとんどだ。話を聞くと、何か日本の所得の申告について、アメリカにいる専門家と話しても違和感があり、日本人の専門家が良かろうと思ったとのことだ。 さて、特定口座年間取引報告書を見せてもらった。日本語を十分に理解できない方は、このフォームを見ても何が何だかわからないだろう。ましてや、それをアメリカ本国にいる日本語が全く分からない専門家がその書類を受け取っても困ったに違いない。 果たして、株式の譲渡損失が1000万円以上あるのだが、譲渡益として認識されてしまっていた。さらに、日本で課税を受けた税額を外国税額控除として控除を取っていない。これにより、アメリカにサラリーマンの年収ほどの税金を払っていた。これには驚いた。実際にはほとんど税額が発生しない。 これは言うまでもなく日本語という言葉の問題によって起きている。特定口座年間取引報告書をもらってもほとんど理解できない。そしてそのデータをアメリカ本国にいるアメリカ人の専門家に渡されても、その専門家も理解できない。お互いに本当に困っていたのではないかと思うものの、初めからボタンが掛け違っていたわけである。 日本語が日本人以上にわかり読み書きもできるアメリカ人もいる。それだけでは税務申告ができるわけではない。さらに日米の税法の知識も無ければどうしようもない。言葉が分かり、税法の知識がある税務専門家に依頼できていたらこういう状態にはならなかったに違いない。 でも“言うが易く行い難し”だからこうした事態が起きているのだろう。ここまで極端ではなくても、類似ケースはあるのだろうと思わずにはいられなかった。

IRSから手紙をもらうことは多くの場合、愉快なことではない。名前と社会保障番号が不一致になっているとかならまだしも、IRSからは税金を追加納付しなさいという内容の手紙が来ることが多いからだ。個人の所得税では、当然ながら所得金額の大きい場合の方がチェックを受ける可能性が高い。遺産税の申告では、金額が大きくなるので、税務調査の対象になる可能性が高い。 手紙にIRSの電話番号が記載されており、英語を話すことに問題がなければ、IRSに電話をして教えてもらう事が出来る。ただ、日本から電話をする時間は、日米の時差のおかげで夜中になる。電話をかけたものの、サポートセンターに電話してつながらないように、30分とかそれ以上平気で待たされる。 やっとIRSに電話がつながってもかなり怪しげな答えが返ってくることもある。あるいは、電話をたらいまわしにされて答えがもらえない。 電話は大変なので、どうして税金が過少なのかと電子メールで質問すると、技術的な内容には答えら得ない?と訳の分からない回答をもらうこともある。パソコンや税務ソフトの使い方で正しい税額となっていないから、同じ環境にないIRSがそれを説明するのは無理だと言っているのかも知れない。 特にアメリカ非居住者の税務申告になると、どこまで適正な回答をしてくれるか疑問が残る。回答している側があやふやな答えをしても、答えをもらう側はそれを評価できないと、ボタンを掛け違ってしまう。 にもかかわらず、納税者が税金を払っていなければ、IRSは督促状を出す。マニュアルどおりの動き方だ。困るのはIRSは必ずしも正しいと言っているとは限らないことがある。また、その処理も大勢の人を相手にしているので機械的になる。IRSから手紙が来た場合は、どうしてよいのかわからずに放置しておくとえらいことになる。 彼らは問題ありとデータをコンピュータに入力しているので、そのデータがなくならない限り機械的にフォローしてくる。請求書がどんどん送りつけられるようになるし、高圧的な内容となるものだから、ストレスも大きいし、どうしてよいのか途方に暮れてしまう事がある。IRSから手紙が来たら、専門家に相談するのが無難だと思う。

アメリカの連邦税の課税標準は所得である。所得は税法や規則では直接的な定義がなされていない。連邦税法セクション61は“総所得は次のものを含み、いかなる源から生まれた所得も含む”と定義する。 1.役務対価 2.事業所得 3.資産売却益 4.利子 5.家賃 6.ロイヤルテイ 7.配当 8.慰謝料と離別の支払い 9.年金型貯蓄 10.生命保険からの所得 11.年金 12.負債免除の所得 13.パートナーシップ所得のパートナー持分 14.故人の所得 15.遺産財団やトラストの持分からの所得 その他に所得の中に入れるべきものとして、内国歳入庁の解説書は次のものも挙げている。 *賄賂を受け取ったら所得に含める。(あげる方は控除できない) *薬物などによって得られた不法な所得 *キックバック、サイドコミッションなど *盗んだもの、盗んだ年にもともとの所有者に盗品を返さなければ、盗んだものの公正市場価格を所得に入れる。 要は、出所を問わないので、所得があった場合には、すべて申告しなさいと言う立場である。

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