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2022.02.20
年金

年金はAssetか

市民権やグリーンカードを放棄した時に、Form 8854(出国税)を提出する事になる。出国税の対象者になるかどうかは3つのテストで決まる。 3つのテスト(市民権やグリーンカードを放棄した時点) 1.純資産額テスト:200万ドルに達しているか 2.納税額テスト:2021年に所得税額$172,000(5年の移動平均)以上か 3.適正申告テスト:過去5年適正申告・納税しているか このうちの一つが純資産テストあり、Form 8854の2ページ目のSection Bに市民権やグリーンカードを放棄した時点での財産内容と金額を記入する。 純資産で何を報告するのか。現金や預金から始まり、株式を記載すると、次の行にPensions or similar retirement arrangements(both U.S. and foreign).を記入するように求められる。説明には“List in U.S. dollars the present value of your U.S. and foreign pensions or similar retirement arrangements as of your expatriation date.”とある。 ここは現在価値を書くように求められる。即ち、将来価値ではなく、それを現在価値に置き換えた時にいくらなのかを資産として認識する。 さてPensionで年金となると国からの年金をすぐ考える。現状で受給している人は、現時点での年金受給額はわかる。年金を受給していないと受給額はない。この国民年金、厚生年金、厚生年金基金等をどう評価すればいいのだろう。 その年齢になった時にいくらもらえるのか。何歳からもらえるのか。自分はいつまで生きていてどのくらい受給するのか、配偶者が亡くなった時に自分の年金がどう変動するのだろう。もしかして年金という制度が機能しなくなっていたらどうなるのか。もらえると思っていたものが当て外れとなる事だってあるかも知れない。 雲をつかむような心もとない気持ちになる。自分の財産としてどうやって金額を算出すればいいのか。それを確定して現在価値に引き直す?この場合、将来価値が確定していないものは記入を求められても手が動かない。こういう場合にどうするのかはIRSの明確な指針が示されていない。だから記入しないという方もいるだろう。

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2022.02.13
その他

税務で顔認証システム?

2022年2月11日の朝日新聞に記事が掲載されていたので、目にされた方も多いかと思う。IRSはオンラインで税務手続きを行う時に、身元確認技術を提供するID.meに登録するように呼び掛けていた。 これはなんとかやらなければいけないと思い、アカウントを作って登録をしていた。但し、認証の段階でビデオの自分の顔を登録しなければならない。自分のビデオ映像?と心理的な抵抗感があったのと、自分の顔のビデオをどうやって登録するのかわからず、忙しさに紛れてそのままになっていた。 これはプライバシーで多くの人には抵抗があるだろうと思っていた。さらに特定の民間会社が起用されることには違和感がある。この個人データを民間会社がどう使うのかも不透明だ。 案の定、民主党と共和党の議員団が異議を唱え、市民団体の批判が強くなり、IRSはID.meの顔認識技術の導入を断念すると月曜日に発表した。既に登録してしまった人はどうなるんだろう。 IRSが何でも自前で準備するのは、予算、技術、マンパワー等から見て合理的ではない。民間のいいものはどんどん取り込んでいこうと言う前向きさの表れかも知れない。しかしこうした抵抗でうまく行かないこともあろう。未納の税金を取り立てる業務を民間会社に委託した時も一度はとん挫している。しかし、問題があれば修正すればいいではないかというチャレンジ精神はすごい。 翻って日本はどうかと言えば、安全に安全にと石橋をたたいて渡らない。仕組みを走らせる前にどれだけ内部検討しているかわからない。日本ではこうしたことは起きないはずだ。結果的に日本では革新するパワーがそがれ安全運転優先だ。 さてどっちがいいのだろう。

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2022.02.06
情報申告

どうする仮想通貨の情報申告

2021年のForm 1040では名前や住所を記入する行のすぐ下に、仮想通貨開示の質問がある。2021年中に、仮想通貨を受け取り、販売、交換、またはその仮想通貨を譲渡しましたか?という質問がある。Form 1040を提出する場合は、Yes/Noをチェックする必要がある。2021年以前に取得した仮想通貨を年間を通じて持っているだけの場合はNoとなる。 仕事の対価として仮想通貨を受け取った場合、そのドル価値は、他の収入と同じように、報告対象で課税される。仮想通貨を受け取ると、それは資産と見なされる。譲渡すれば仮想通貨はキャピタル資産として譲渡益の課税を受ける。 一方で、FBARやFATCAの情報報告では依然として不透明だ。 FBARに関しては現時点ではFinCEN Notice2020-2が判断の根拠だと考えられる。 外国銀行および金融口座の報告書(FBAR)の規制では、仮想通貨を保有する外国口座を報告する口座として定義していない。そのため、現時点では、仮想通貨を保有する外国口座はFBARで報告されない(その口座に仮想通貨以外に報告すべき資産があれば報告対象)。FinCENは、外国金融口座(FBAR)の報告に関する銀行秘密法(BSA)の規制を修正し、報告口座に仮想通貨を含めることを提案する予定となっている。 報告要件を超える特定の外国資産は、Form 8938でもその資産をIRSに報告する必要がある。Form 8938で仮想通貨を報告するにも分かりにくいことが多い。外国の仮想通貨取引所の個人口座が外国資産か、それとも金融機関の口座が外国資産なのかもはっきりしない。現時点ではIRSは明確な答えや指示を出していない。 悩ましい仮想通貨の情報申告だ。

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2022.01.30
所得税

コロナウイルス恐るべし

最近、ある方がPC 80なるレターをIRSからもらった。2020年の申告で、約3万ドルのCreditがあるのに、申告書が提出されていないので申告書を提出してくださいと書いてある。Creditが約3万ドルもあって、取り忘れをすることは考えられない。申告書も出ていないと言うのは理解できない。何事かと訳が分からない。 IRSが何でCreditをわかるのだろうと考えはじめる。Creditの内容は何だろうと考えているうちに、突然分かった。Creditは納付した税額だ。IRSに支払ってIRSが収受したわけだからCreditになっている。 申告書を提出し、あわせて納税額を納付している。IRSは税金を収受していても申告書は受け取っていない。事実は申告書を1年も前に提出している。これはどう考えてもおかしい。 IRSのコンピュータは収受した記録だけがあって、申告書がないと言う。だから申告書が出ていないという機械的な判断で、CP80レターの発行処理が実行されてしまっている。 IRSがまだ申告書の処理を終えていないだけではないか。申告書に小切手がついていても、申告書の処理と入金処理がバラバラになっている。 納税者がこの手紙をまともに受け取ると、納税者は申告書をもう一度提出だ。IRSには、同じ申告書が積みあがる。さらにIRSの仕事が増えて忙殺される。悪循環だ。 このケースは紙の申告書で発生している。100%電子申告ができず、紙の申告にならざるを得ないケースがある。IRSはたくさん問い合わせを受けているようだ。 IRSの答えは何もしないでくださいと言う。 IRSは2022年1月初めの時点で、600万件の個人申告書、さらに230万件の修正個人申告書、および雇用主から提出された200万件を超える四半期納税申告書をまだ処理できていない。1,000万件を超えている。2019年分の還付ももらえていない人もいる。1月24日から始まった2021年分申告が火に油をそそぐことになるのは避けようがない。 コロナウイルスでほとんどの人をテレワークにした混乱が続く。コロナウイルス恐るべしだ。

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2022.01.23
所得税

第3回目のコロナウィルス支給金

2021年3月に成立したAmerican Rescue Plan法により、3回目のEconomic Impact Payment(EIP)の$1,400/人が支払われている。しかしいろいろな理由でこれを手にできていない人もいる。 IRSは今月後半、受給する人すべてにレター6475を郵送すると言っている。このレターは受給する金額の記載がなされている。 もしもEIPを受給できていない場合、1月24日から始まる2021年分の申告書上で還付請求を行う。2020年分の申告と同じように、Recovery Rebate Creditとして還付請求できる。 このレターの配達に以上に時間がかかったり、住所変更等でレターを手にできないこともあるかもしれない。その場合はこのレターを手にすることがなくても、申告書Form 1040の30行目にクレジットとして記載する。 IRSは申告書を処理する時に、この控除を所得金額で計算して満額か減額して還付してくれる。所得金額が大きい場合は、還付対象から外れることもある。 もしも所得金額が少なく申告書を提出しなくてもよい状況ならば、それでもあえて申告書を提出してこの還付金を受給することになる。 実際に還付がいつになるのかは何とも言えない。海外から紙の申告書を提出する場合は、相当時間がかかることを覚悟した方が良いだろう。2019年分の還付金、2020年の還付金もまだもらえていない人もいる状況だ。

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2022.01.23
所得税

いくら所得があれば申告するのか

2022年分の申告を行わなければいけない最低所得金額は、下表の右端の数値となる。 2018年よりPersonal Exemptionが廃止され、Standard deductionが従来のおよそ2倍に増えている。Standard deductionよりも総所得金額が大きければ申告を行う。 独身 65才未満 65才以上 $12,950 $14,700 夫婦合算 65才未満 (夫婦とも) 65才以上 (片方) 65 才以上(夫婦とも) $25,900 $27,300 $28,700 夫婦個別 年齢によらず $5 所帯主 65才未満 65才以上 $19,400 $21,150 扶養する子供がいる寡婦(夫) 65才未満 65才以上 $25,900 $27,300

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2022.01.16
所得税

2021年分の2022年申告シーズンも多難

IRSによると、2021年分の2022年申告シーズンは、昨年より2週間以上早く、1月24日から始まる。コロンビア特別区の休日のため、提出期限も4月18日まで3日延期される。 大きな日程: 1月24日:個人所得税の申告開始 4月18日:同上の申告期限 6月15日:日本(海外)からの申告期限(2か月自動延長) 10月17日:延長申請をした場合の申告期限 過去2年と同じように、COVID-19感染の増加が遅れを引き起こす可能性がある。IRSは2022年1月初めの時点で、600万件の個人申告書、さらに230万件の修正個人申告書、および雇用主から提出された200万件を超える四半期納税申告書をまだ処理していない。まさに申告書に埋もれてしまっている。 何とか一日も早く処理をしてもらおうとしても、データがそろわない間に申告書を提出するわけにはいかない。証券会社が1099を送信する期限は、2月15日だし、伸びることがある。パートナーシップのパートナー、S法人の株主、または信託の受益者は、Schedule K-1を受け取るまで待つ必要がある。日本の確定申告を待つと3月15日を超えることもある。 ありがたいことに日本からの申告は、延長手続きは不要で6月15日まで期限が自動延長される。延長手続きをすれば10月17日まで延長される。 この時期になって2019年申告書に関し、IRSは不足資料の提出を求める手紙を送って来ている。ということは、まだ2019年の申告書の処理が終わっていない。さらに2020年分の申告書も残っている。 申告を行うときに前年からの繰り越しがある。1年前、2年前の申告書の処理が完了していないと、自分の計算で繰越しを使わざるを得ない。過去の申告書が修正となると、当年にも波及する。修正するのも大変なので、延長して様子を見る方が楽だろう。でも延長された期間に過去の申告書がすべて処理されるかどうかはわからない。悩ましい2022年申告シーズンが始まる。

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2022.01.10
所得税

申告期限

(申告開始と申告期限) 2022年1月24日(月)が申告開始日 2022年4月18日(月)が申告期限 (海外からの申告) 2か月の自動延長可能 2022年6月15日(水)が申告期限 (延長申請した場合) 2022年10月17日(月)が申告期限 (州税) 州税の申告期限は連邦と一致している。下記の州は一致していない。 (連邦と異なる申告期限) デラウエア州:2022年4月30日 アイオワ州:2022年4月30日 ルイジアナ州:2022年5月15日 バージニア州:2022年5月1日

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2022.01.09
その他

グリーンカードホルダーに救済がない理由

出国税(Form 8854)でアメリカ市民には救済措置があり、グリーンカードホルダーには救済措置がない。なぜなのかと考える。 全ての話はアメリカの市民権課税という世界に類のない課税の仕方から発生する。生まれながらにしてアメリカ市民は、市民を根拠として税務申告の義務を負う。アメリカ市民であれば、アメリカだけでなく日本だろうが世界中の所得が課税対象となる。 誰がアメリカ市民たるか。アメリカで生を受けた人、アメリカ市民から生まれた人はアメリカ市民となり得る。アメリカで生まれた人が親の帰国に伴い赤ちゃんや幼児の時に帰国している。それ以来、アメリカには行ったこともない。親がアメリカ市民だけど自分は日本の外に行ったこともない。というような、事故でアメリカ市民となっている人がいる。 事故でアメリカ市民になった人にも、アメリカは納税の義務を課し、日本の所得(全世界の所得)をアメリカに申告するよう求める。でも事故でアメリカ市民になった人は、アメリカに申告したこともない。 アメリカの課税制度の1丁目1番地たるアメリカの市民権課税を破る事は、アメリカの税金の根幹にかかわる。アメリカから見れば、アメリカ市民が申告納税義務を果たしていない。情報申告も行っていない。これは法に背くことゆえに、申告納税義務を求め、無申告のペナルティを課すことになる。 日本人だと思って日本に暮らしている人が、ある日突然、アメリカから100万円単位の税金の支払いを求められたらどうだろう。これは気の毒だと言う事をアメリカも理解する。そういう人は、すみやかにアメリカの市民権を放棄してくださいとなる。そしてその場合は、過去にアメリカの申告もせず納税をしていなくても救済する措置がある。 日本の国籍を放棄して、進んでアメリカに帰化した人は、事故でアメリカ市民になったとは言えない。 グリーンカードホルダーは、気がついたら自分がグリーンカードを持っていたとはならない。自ら進んで能動的にグリーンカードを取得している。アメリカに住もうとしているわけだから、当然のこととしてアメリカ社会の法律、規則、しきたり等を知ってもらわなくては困る。アメリカに住んで働き所得を得ても、全世界所得に対する申告納税の義務を知りませんでしたという事を認めるわけにはいかない。 これが事故でアメリカ市民になった人とは一線を画し、救済措置は使わせないと言う事だろうと考える。

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