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2021.11.21
所得税

あきらめる事はありません

自分の住む家を譲渡した時に、キャピタルゲインから最大$ 250,000(独身)、最大$ 500,000(夫婦合算)を控除できる。これはアメリカの家だけではなく、日本の不動産も対象になる。あくまでアメリカの税務の話だ。 この控除を使うには、譲渡日の5年前から譲渡日までに、少なくとも2年以上、自分の家として所有して住んでいなければならない。しかし、様々な理由でこの要件を満たすことができない事もあるだろう。 2年の要件を満たさない場合、控除を諦めるしかないのか。そんなことはなく、要件を満さなくとも、転勤や健康上の理由や、予期せぬ理由であれば、満額ではないが控除を取ることができる。 転勤の場合は距離が問題で、以前の勤務地より少なくとも50マイル離れた勤務地へ引越すことが必要だ。 健康では、自分や自分の家族だけではなく、親兄弟姉妹を含む家族の怪我、病気、ケアのために引っ越しをする事でも良い。 予期せぬ理由では、自然災害や家族の増加、減少、仕事を失ったり、コロナウイルスの影響とかいろいろあるだろう。思いもかけない出来事で、自分や家族の住む家としては不向きになることもあり得る。 こうした場合には、最大$ 250,000(独身)、最大$ 500,000(夫婦合算)の控除を、2年に対する月割りで控除できる。1年で譲渡すると50%だし、9か月なら37.5%の控除となる。最大値なので、実際のキャピタルゲインが、それよりも小さいと、その小さい控除額が限度になる。

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2021.11.14
その他

遅れてForm 8854を提出したら

アメリカの市民権やグリーンカードを放棄した場合に、Form 8854(出国税)を提出する。Form 8854の申告期限は、放棄をした年の申告期限と同じで、申告書と一緒に提出する。Form 8854で出国税の対象となる人が定義されている。 対象になる人は、次の3つの基準で判断される。 ①税額基準:放棄より前5年の平均所得税が下記を超えているか。 2018年は165,000ドル 2019年は168,000ドル 2020年には171,000ドル ②純資産基準:純資産が200万ドルを超えているか。 ③適正申告基準:放棄より5年前からすべての連邦税義務を遵守しているか。 ①と②の基準ではNoでも、③の申告基準を満たさないことが散見される。即ち、放棄した年の前5年を適正に申告し、納税している基準を満たしていない。この場合はすみやかに過去に遡り適正に申告をして、税額があれば納付する。 せっかく3つの基準に適合したけれど、Form 8854を提出していない。この場合は、税務上はアメリカ居住者であり続けるのだろうか。以前においてはその扱いであった。しかしながら、現在ではForm 8854を提出していない場合でも、放棄手続きにより税務上はアメリカ非居住者となる。結果的に、アメリカの市民権やグリーンカードを放棄した年以降は全世界所得課税から外れる。 Form 8854を提出していないと、上記の3つの基準をパスしていると宣言しないために、出国税の潜在的な対象となってしまう。しかし遅れてForm 8854を提出しても、3つの基準をパスすれば出国税の対象ではない。 出国税を免れても、Form 8854を提出遅れのペナルティはどうなるか。上記3条件をパスして出国税の対象とならない場合は、ペナルティをほぼ心配しなくても良さそうだ。出国税対象になってしまう人にはペナルティは残る。 IRSがペナルティに動くかどうかは個々の事情も勘案されるし、アメリカ市民については救済もあり手続きも発表されている。流れはForm 8854をきちんと提出するように背中を押していると思える。

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2021.11.07
所得税

高額所得者に増税

9月中旬に米国下院のHouse Ways and means Committeeが税制改正案を提出している。個人の所得税の主なところでは、2022年から次のような課税強化を打ち出す。現状のまま上下両院を通過し、大統領が署名するかはわからないので、このまま立法化されるかどうかは不明だが、高額所得者への課税は足元まで近づいて来ている。 ①個人所得税率の引き上げ 個人所得税の最高税率は、現行の37%から39.6%に引き上げとなる。課税所得が45万ドルを超える夫婦合算申告、独身では課税所得が40万ドルを超える場合に適用される。夫婦合算申告の場合、2021年では37%の適用は628,301ドル以上だが、2022年では39.6%の区分が450,000ドルで適用になる。 ②事業所得に純投資所得税(Net Investment Income Tax)を適用 現状では受動的投資所得(利子、配当、キャピタルゲイン)に純投資所得税(Net Investment Income Tax) 3.8%が課税されている。夫婦合算申告では50万ドル、独身では40万ドルを超える修正調整総所得(MAGI)の場合、事業所得にも課税を拡張する。 ③高額所得者に対する上乗せ 修正調整総所得(MAGI)が500万ドルを超える個人の場合、3%の追加上乗せが課せられる。既婚者が個別に申告する場合は250万ドルを超える場合となる。 ④適格事業所得控除の制限。 20%の適格事業所得控除は、夫婦合算申告の場合は50万ドル、独身の場合は40万ドルに制限される。 さらに遺産税・贈与税では、現状で11.7百万ドルある遺産税・贈与税の生涯控除額は2022年1月から500万ドルとされる。 いずれもこの通り立法化されるとは限らないながら、高額所得者には増税の足音が聞こえている。

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2021.10.31
その他

年内にできること

アメリカの税務から離脱するためには、アメリカ市民権やグリーンカードを放棄することになる。 離脱をするのであれば、あと2か月以内に行うのが良い。というのは、2021年中に離脱をすれば、2021年の申告が最終申告となる。これが2022年1月とか2月に入ってしまうと、最終申告は2022年分の所得税申告を、2023年に行うことになる。年内に放棄できれば、所得税申告を今年の分でお終いにできる。 では市民権やグリーンカードを放棄することを思いついたらすぐできるのか。市民権については、アメリカ大使館や領事館での面接で意志確認が必要になる。面接スケジュールを取れないと年内は難しい。 ところがグリーンカードの場合はとても簡単だ。Form I-407を記入して、手元にあればグリーンカードと再入国許可証と共に郵送する。今日準備して明日郵送すれば完了という感じなので、年内に十分間に合う。原則的に放棄日は郵送した日で、受領された日ではない。 市民権やグリーンカードを放棄すれば出国税(Form 8854)を提出する事になる。多くの場合、税金が発生することはないと思う。この出国税の対象になるかだが、納税額基準や財産基準で問題がなくても、適正に過去5年間申告を行っていると言う適正申告基準が問題になりやすい。もしも過去5年分の申告をきちんと行っていなければ、今からすみやかに行えば大丈夫だ。 市民権やグリーンカードを放棄する方針が固まっているならば、来年まで引きずらないことが良いだろう。

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2021.10.24
所得税

予定納税を忘れた

あっという間に11月が目の前で予定納税が気になる。個人の場合、予測される税額が$1,000以上ならば原則的には予定納税の対象だ。 予定納税の支払いは4期に分けて行う。2021年では対の4期だ。 支払い     対象の所得    納付期限 1期支払い 1月1日から3月31日 2021年4月15日 2期支払い 4月1日から5月31日 2021年6月15日 3期支払い 6月1日から8月31日 2021年9月15日 4期支払い 9月1日から12月31日 2022年1月18日 昨年の還付金を2021年の予定納税に繰り越していて十分カバーできている。あるいは予定納税を年に4回行うのは面倒だから4月15日に1年分を支払っている。昨年の税額が発生していない場合等では対象から外れる。こういう場合は問題なしだ。 全く支払っていない、1期分は支払ったけど、その後忘れてしまったとか言う場合は、今からでも支払う。部分的に支払った場合は、支払い額が1回目の支払いに充当され、余った時は2回目に充当され、以下3回目という形になる。かなり面倒だ。過少納付に対しては、日割りでペナルティを支払う。 予定納税の対象で全く支払わない場合、2021年では納付額の3%がペナルティだ。もちろん予定納税をできなかった合理的な理由があれば、ペナルティを避けられる場合もある。最初からこのペナルティを計算に入れ、予定納税をしない分を投資に振り向ける。運用成績がペナルティを上回れば、それでもいいと言う方もおられよう。 ともかくも、残っている2022年1月15日が最後の予定納税期限だ。予定納税をしていなければ、この日を待っていることなく一日も早く納付するのが基本だ。

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2021.10.17
所得税

申告遅れのペナルティ

延長期限の10月15日以降に提出された申告書は、納税額が発生していると提出遅れと支払い遅れのペナルティの対象になり得る。さらに金利も上乗せとなる。必ずペナルテイとなるのかと言えば、還付申請の場合はペナルティの対象にはならない。 ペナルティは次のようになる。 申告書提出遅れのペナルティ:1か月につき納付する税金の5.0%  $5,000の納税の場合、$250となる。 納付遅れのペナルティ:1か月につき納付する税金の0.5%  $5,000の納税の場合、$25となる。 仮に32日遅れて提出の場合は2か月遅れとなる。この二つが同時に発生した場合、提出遅れの分が0.5%減額されて4.5%だ。即ち、提出遅れ4.5%+納付遅れ0.5%=5%となる。 ただしミニマムペナルティがあり、2か月を超えて申告遅れになった場合は、$435か納付額の100%のいずれか小さい方のペナルティとなる。このため、税額が$400から$500程度までの場合、次のように税額のざっと2倍を払うので、びっくりするかも知れない。 税額$400の場合、本来の税額$400+ペナルティ$400=$800で、税額$500の場合、本来の税額$500+ペナルティ$435=$835となる。 ペナルティは時間と共に雪だるまになり、それぞれ提出が遅れた場合は合計25%、支払いが遅れた場合は25%までとなる。二つで50%となる。同時発生の場合、最初の5か月間の0.5%が落とされるので47.5%となる。さらに金利も加算される。

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2021.10.10
その他

IRSどうした

10月2日現在680万件の個人所得税が未処理のままだ。さらに同日でForm 1040X(修正申告)の未処理分が280万件だとIRSは公表している。IRSとしては何とか年内には正常な姿に戻したいと言っているが、どこまで目論見通りに行くのかわからない。 このところIRSから申告書を処理するために、もっと数字の説明をしてほしいという手紙が来ている。さてその手紙、雨水を被ったようで、あたかも水の入ったバケツの中に手紙を漬け置いたのでは?と思えるほどインクがにじんでいる。まして30日以内に回答せよと言うのに、その期限は1か月前に過ぎてしまっている。 あるケースでは、追加の説明を求めている控除金額が$6だった。この数字一つを確認するために、外国まで手紙を出し、郵便料金を払い、回答を得るまでに2か月とか3か月を要している。ほとんど意味がない事にどれだけ人件費、経費、時間をかけるのか。まして税収は増えない。 申告書を処理している人は業務処理基準書の通りに動いているだけだろう。金額的な処理基準を設けて、これ以下の数字は管理しないとか弾力的に決めて、山のような未処理の申告書を早期に処理するのが本当ではないかと思える。 2021年の申告は例年と同じなら、2022年の1月末には開始される。その前にはクリスマスシーズンもある。あっという間に次の申告シーズンになってしまう。氷山がそこに見えているのに進路も変えられず、氷山に衝突して沈没したタイタニックの二の舞になるのではと心配になる。

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2021.10.03
所得税

10月15日が申告期限

当初の申告期限に間に合わずに延長申請をされた場合、10月15日が申告期限だ。来週の金曜日が期限となる。 申告書提出は発信主義を取るために、申告書を郵送する場合、10月15日の消印があれば延長期限内に申告した事になる。電子申告であればタイムスタンプは米国時間なので、日本の10月16日でも、時差により何時間かの間は10月15日となり得る。 延長申請をしたけど、どうしても15日には間に合わなく、月末に申告した場合は、延長申請をしていなかったことと同じ状態になる。申告期限に間に合わなければ延滞税が出る。延滞税は納付金額を対象に計算される。税金が発生しないとか、前年からの繰り越しや予定納税で十分に税額をカバーしていれば延滞税を心配することはない。 日本で働いて納税している場合は、多くの場合、アメリカの税金が発生しないことが多い。 アメリカの申告をせずに、心に重くのしかかったまま毎日を過ごしていても、申告さえすれば納税額を全く心配することがないと言う事も多い。ただし、それは申告をした結果そうなるので、税務当局から無申告を指摘されると面倒なことになるので注意を要する。 あと10月15日までは10日あまりだ。

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2021.09.26
所得税

不動産譲渡益の控除

住んでいる家を譲渡すれば、キャピタルゲインやキャピタルロスが生ずる。連邦税ではキャピタルゲインに対し、独身では25万ドル、夫婦合算申告では50万ドルの譲渡益控除がある。これは大変ありがたい。 譲渡する時点で、過去5年において2年以上その家を所有し、住んでいることだ。日本の不動産だから対象外ということはない。但し、自分たちがそこに居を構えて、住んでいなければならない。投資用の不動産や別荘は除外される。 夫婦であれば、どちらか一方の人が住んでいれば良い。片方の配偶者が、この間に海外や別の場所に住んでいても、片方の配偶者が住んでいれば、その期間をカウントできる。また連続して住まないといけないというのではなく、過去5年の間に居住していた期間を累計して2年以上だと条件に合う。 自分の家として住んでいたとしても、高齢で老人ホームに移らなければならないこともある。あるいは病気やけがで病院に長期に入院しなくてはいけないこともあろう。その費用を捻出するために不動産を譲渡せざるを得ないとする。こうした健康上のやむを得ない理由があるなら、老人ホームや病院にいる期間も自分の家に住んでいた期間としてカウントできる。 更地の場合は、住んでいないために基本的にはその条件に合わない。しかし、譲渡するに際して建物を壊して更地になっているとする。建物を取り壊す前に、自分の家として住んでおり、時間的な要件を満たせば更地故にダメというわけではない。 また、2年の条件に満たない場合であっても、満額ではなく部分的に控除を使える場合もある。それぞれの状況に応じて譲渡益の控除を使える可能性があり、初めから控除を使えないと諦めることはない。

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