日本に住みながら米国に申告を行う場合、情報の遅れや書類の入手難など、どうしても不確実性がつきまとう。そんな状況で頼りになるのが Form 4868、いわゆる申告期限の自動延長制度である。
「最善の見積もり」
データが揃わないのは日本在住者ではよくあることで、米国源泉の書類が遅れたり、外国税額控除の数字が確定しなかったりと、6月15日の日本からの申告期限を前に、正確な税額を把握できないことがある。そこで登場するのが「Best Estimate(最善の見積もり)」という概念である。IRS は、この見積もりに完璧な正確性を求めていない。入手可能な情報に基づいて誠実に計算していれば、多少の誤差は問題にならない。極端な話、根拠の薄い 500 ドルと記入しても、それ自体がペナルティの対象になることはない。見積もりより実際の税額が少なければ、還付として戻るし、実際が 1,000 ドルや 2,000 ドルであれば、差額を支払うだけで済む。
IRS にとって重要なのは「誠実さ」であって、「精密さ」ではない。この姿勢は、日本在住者にとって大きな救いになる。
迷ったら、昨年と同じ税額を入れるという選択肢
推定がどうにも難しいときは、昨年の申告書に記載した税額を、そのまま入れるという方法がある。不動産所得や給与所得など、年によって大きく変わらない場合には特に有効である。これは IRS の実務にもよく馴染む、いわば「無難な選択肢」である。
Form 4868 を提出することの意味
Form 4868 を出すかどうかで、ペナルティの世界は大きく変わる。提出していれば、税額の見積もりがずれていても延長は基本的に有効だ。ゼロでも、根拠が薄くても、提出しないよりは圧倒的に良い。
日本在住者は、日米の税務資料が揃わず、正確な税額を把握できないことがある。
しかし、Form 4868 を提出するだけで、無申告罰金(月 5%)を避けることができる。
最善の見積もり制度は、データ不足を正当な理由として認めてくれる。過大見積もりであれば、あとで還付として戻ってくる。
つまり、精度が低くても提出することが「最善の選択」である。「まだ資料が揃わない」「もう少し時間がほしい」そんなときこそ、迷わず Form 4868 を出せばよい。日本在住者にとって、これは米国税務をできるだけ安全に乗り切るための、実務的でな防御策と言える。
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