グリーンカードを返す準備をしている方が、机の奥から古い通帳を見つける。昔使っていた口座だ。最後に記帳したのは、もう十数年も前。残高は、わずか500円。この口座を、過去の米国申告でどう扱っていたか。思い出せない。申告に記載していなかったかもしれない。その瞬間、「これで、税金のところで何かまずいのではないか」と不安になることがある。これは、とても自然なことだと思う。
三つ目の物差し
グリーンカードを長く持っていた人が返すとき、「対象者(covered expatriate)」になるかどうかは、三つの物差しで判定される。一つ目は純資産が200万ドル以上。二つ目は過去5年間の平均納税額が基準を超える。そして三つ目が、過去5年間の米国の税務上の義務を果たしたことを、Form 8854で確認できるかどうかである。
この三つ目は、資産や納税額とは別の問題である。したがって、資産が少なく、納税額も小さい場合でも、過去の申告に未了の問題がないかは確認しておく必要がある。ただし、ここで大切なのは、過去の申告に小さな記載漏れが見つかったからといって、直ちに大きな問題になると考える必要はない。実際には、その内容や金額、経緯などを個別に確認することになる。
だからこそ、グリーンカードを返すときには、過去5年間の申告を一度振り返っておくとよい。古い口座が見つかったとしても、まずは慌てずにその口座を確認する。記憶にも残っていない場合は、ほとんど重要性のない口座だろう。必要に応じて、遅れて提出すべき書類がないかを確認したり、修正申告を検討したりすればよい。また、追加提出や修正をした場合は、その経緯や、記載漏れの理由を分かる範囲で記録に残しておくことが望ましい。その上で自分の知る限りの事実を整理し、Form 8854を提出することになる。
机の奥の通帳に戻る
机の奥から出てきた通帳。残高は500円のままだった。見つけたからといって、必要以上に心配する必要はない。大切なのは、「この口座は過去の申告でどう扱われていたのか」を一度確認しておくことだ。グリーンカードを返すときには、過去5年間の申告について、自分が把握している内容と、実際に申告・提出したこととの間に大きな食い違いがないかを確認する。修正や追加の提出が必要な点があれば、判明した時点で適切に対応しておく。過度に恐れる必要はない。最後に一度きちんと確認する。それが、グリーンカードを返すときの大切な準備の一つだと思う。
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