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2021.01.10
所得税

コロナ鎖国

コロナウイルスのために帰国をしたくても出国ができない、入国ができないと言う事が起きている。TVのニュースで取り上げられていたケースは、日本に観光旅行で入国した人が、滞在中に本国が海外からの入国を禁止したために、そのまま1年間日本で身動きができなくなっていると言うものだ。これはアメリカにいても同じで、本国が扉を開けてくれないと帰ろうにも帰れない。 外国人がアメリカに一定期間以上滞在すると、実質滞在テストで滞在日数を計算し、アメリカ居住者となってしまう。アメリカ居住者となれば、全世界所得を対象にして居住者として課税を受けてしまう。 しかしながら、これはどう考えても不合理だ。アメリカに観光目的や、会社の出張で入国した人が、たまたま病気のため、事故でけがをして入院し、動きが取れなくなっている場合も同じだ。アメリカの居住者になろうとしているわけではない。 この場合は、実質滞在テストでそうした病気での日数を除外できる。Form 1040NRにForm 8843を添付して日数を除外する。もともとForm 1040NRを提出する必要がない場合は、Form 8843も提出する必要がない。ただし、そうであっても、もしもIRSからForm 8843を要求された場合は提出に応ずる。 コロナウイルスに罹患して入院せざるを得なかっただけではなく、検疫で動くことができない、交通手段がない、外出が制限とかコロナ鎖国もあろう。こうした場合は、個別の事情を勘案されて判断されるので、事情をきちんと説明できる関連書類を揃えることになる。

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2020.12.27
所得税

2回目のコロナウイルスの給付金

今年の春にコロナウイルスの経済活性化のために給付金$1,200/人が支給された。今回、その第2弾が行われるようだ。 今回の給付額は下記という。 独身    $  600 夫婦合算  $1,200 子供がひとり増えるごとに$600 独身であれば調整後総所得(AGI)が$75,000以下で満額もらえる。夫婦合算では同じく$150,000以下だ。ただし、所得金額がこのラインを越すと、フェーズアウトが働く。$75,000や$150,000以上では$100増加するごとに$5減額されていく。つまり、独身では$87,000、夫婦合算申告では$174,000を越えると、給付金が消滅する。 これは本来、2020年の所得で計算されなければならない。しかし、ここで支給するために、2019年分の申告書をベースに計算される。給付金は2020年の先行控除という位置づけだ。結果として金額が過少の場合は控除金額で調整となる。申告書に銀行口座が記載していれば直接、口座振り込みになる。それ以外は小切手で支払われる。 さて、この給付がいつ行われるかだ。当然、一日でも早くということになる。できるだけ早く支給しなければならないものの、IRSにとっては新年度の申告と重なる時期だ。2019年分の申告書も処理しきれていないのに、またここにマンパワーを持っていかれるとどうなるのかと思う。 支給開始が新政権のスタートと重なり、支給金をもらっていない前に2020年申告シーズンが始まってしまう事も考えられる。その場合、控除に上げてしまい申告をしてから、給付金が振り込まれたら二重請求になってしまう。適正でない受給は返金しなくてはいけない。 こうしてみると、2020年の申告はかなり混乱する事も考えられる。

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2020.12.20
その他

来年の申告期限はどうなる?

IRSの発表では、11月24日現在、個人所得税申告書が710万通、法人の申告書が230万通未処理のままだという。その原因はコロナウイルスだ。このままだと個人と法人と合わせて900万通以上の申告書は、年内に終わらせることができるのか不透明だ。2019年分の還付金の支払いが、2021年にずれ込むこともあるかも知れない。 コロナウイルスの影響は、ますます広がっており、12月18日までに、アメリカのコロナウイルス感染者数は1760万人で死者31.5万人という。退役軍人省が発表する第二次世界大戦(1941~1945年)の4年間における戦闘による死者数29万1557人を超える数字だ。IRSだけでコロナウイルス陽性者が1,100人を超えると言われている。IRSが年明けまでに遅れを取り戻し、正常な状態に戻るかどうかは予断を許さない。 申告書の作成に必要なForm 1099等の発行が遅れることも考えられる。データが遅れ、申告をサポートする人たちもテレワークしていると、2020年分の申告は混乱しそうだ。例年、IRSは申告書を1月末から受付を開始する。2019年分の申告が処理されていなければ、受付の開始時期も遅くなるかも知れない。 7月15日まで3ヶ月延長された2020年申告の状況と比べて、現在の状況のほうが深刻だ。しかしながら、申告までの時間的余裕があると申告期限の延長を前提に動くわけにはいかない。今度の申告は混乱する中で、4月15日期限で備えることになる。日本からの申告期限は2ヶ月の自動延長があるので6月15日だ。

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2020.12.13
所得税

婚姻のステータス

アメリカの個人の所得税申告書を作成する時には、婚姻上のステータスを記入する。即ち結婚しているのか、独身であるのかというステータスだ。 202X年分の申告をする時に、1年を通じて結婚をしている、または独身というケースはシンプルだ。しかし、202X年中に結婚したり、離婚をした場合は、どの時点で判断するのか。それは12月31日時点で判断する。年末最終日に結婚していれば1年中結婚しているものと考える。年末最終日に結婚していなければ1年中、独身というわけだ。ここまではわかりやすい。 202X年中に配偶者が亡くなったと言う場合、亡くなった配偶者があたかも12月31日まで生存しているものとして、税務上扱うことができる。 結婚している証拠書類はCity/County/Stateが発行したMarriage Certificateだ。結婚した州と住んでいる州が異なる場合、住んでいる州では結婚していないことになるのだろうか。他州で発行される証明書も全米では認められる。 2015年にはアメリカの最高裁は50州で同性婚を合法としている。一方で、同棲は認められても、法的に結婚しているわけではない。連邦税では法的に結婚をしていれば夫婦として申告をすることができる。しかしながら州によって同棲を認める・認めないと混在する。すると連邦税と州税では婚姻のステータスが変わってしまう事もありえる。 さて、国を超えてしまった場合はどうなるのだろう。日本法では結婚しているが、アメリカの州法では結婚していない、あるいはアメリカの州法では結婚していても日本法では結婚していないとなると、これは大変な混乱をもたらす。それ故にアメリカの州法によらない結婚でもアメリカの婚姻関係は認められる。 ならば回教国で4人の妻がいる場合はどうなるのだろう。この場合はどうやら第一夫人が正式な配偶者として認められるようだ。

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2020.12.06
所得税

Covid-19の特例

2020年10月18日版のForm 2555のinstructionsで、Covid-19による滞在日数カウントの救済が盛り込まれている。 Covid-19がなければPhysical Presence Test(PPT)またはBona Fide Presence Test(BFT)のいずれかでこの条件に合う人に、下記の時間枠で外国に滞在できなくとも、この間の出国は時間的な条件を満たすものとして扱ってくれる。 中国では2019年12月1日から2020年7月15日の期間 他の国では2020年2月1日から7月15日の期間 この処置を希望する場合は、Form 2555のトップページの上部のスペースにRevenue Procedure 2020-27と記載する。 Form 2555は一度使うと将来に渡りそれを用いる事が前提となっている。もしもForm 2555を使いたくないという状況になれば、IRSに申請してForm 2555を用いる選択を無効とすることができる。一度、無効にしてしまうと5年間はForm 2555を使うことができないので要注意だ。

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2020.11.29
情報申告

Form 1040NRで情報申告

FBARとFATCAと外国金融口座の情報申告が2つもある。提出する方からすれば、ほぼ同じ情報を2回申告するので、面倒だと思うのではないだろうか。それも、アメリカ市民とかグリーン・カードを持ってForm 1040を提出する人であり、Form 1040NRを提出する人は、FATCAやFBARとは接点がないと思うかも知れない。 FATCAは税法26条の世界で規定されている。これはアメリカ国内法だけではなく、租税条約も関係してくる。183日テストを適用して居住者というのが国内法の考え方であっても、租税条約でアメリカの非居住者となることは可能だ。一例として学生や教授条項に当てはまる人はアメリカに入国しても5年とか2年は居住日数から除外できる。つまり本来アメリカ居住者であっても、租税条約により非居住者となることもある。さらにこれは税額の計算上の話で、情報申告では適用されない。 FBARを規定するのは31条の1970年法(the Bank Secrecy Act of 1970)だ。Financial Crimes Enforcement Network (FinCEN)が管轄してIRSではない。FBARは国内法であり、居住者は居住者でしかない。 通常のパターンはForm 1040でFATCAの申告を行う。合わせてFBARの申告も行う。しかし、Form 1040NRでFATCAの申告を行い、合わせてFBARの申告も行う場合もある。 金額要件を入れるとForm 1040でもForm 1040NRでも次のケースが出ることがあり得る。 FATCA   FBAR 〇      〇 ×      〇 〇      × ×      × Form 1040NRを提出する人は非居住外国人で、FATCAもFBARも縁がないと考えるかも知れない。大抵はそれで良くても、機械的にそうならないこともあるのでやっかいだ。

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2020.11.22
所得税

コンド理事会の審査

あっという間に年末が見えてきたこの時期にコンドが譲渡されるとする。契約書は11月にサインされる。すぐにも、譲渡金額が支払われ、所有権が移転すればよいのだが、コンドの理事会の許可が必要になる。 理事会は購入者が住民としてふさわしいかどうか審査をする。例えば、猫1匹を連れて入居するなら問題はないとしても、大型犬を5頭引き連れて入居してくるとなればどうだろう。万が一、コンドの住民としてふさわしくないとなれば、拒否権が発動され不動産の譲渡が成立しなくなる事もありえる。 その審査の期間が1ヶ月かかると、年末になってしまう。そこから、譲渡に係る費用や税金などの精算作業に入り引き渡し日は年内となるのか、2021年にずれ込むのかで変動してしまう。キャピタルゲインの計算も短期譲渡になったり長期譲渡になったりで大きく変わってしまう事もありえる。 譲渡が行われた時に譲渡者に対してはForm 1099-Sが発行される。これは同時にIRSに提出される。カラム1でClosing dateが記載され、カラム2で譲渡額が記載される。これでIRSは不動産の譲渡日と金額を認識する。 2020年ならば2021年の4月15日期限の申告の対象だし、2021年ならば更に1年時間の余裕があり2022年での申告となる。

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2020.11.15
その他

悩ましいIRSの手紙

誰かが自分の社会保障番号を使って仕事を得ているとする。雇用主はその番号で所得をIRSに通知する。自分が申告をした時には、その所得は含まれていない。IRSは誰かが自分の社会保障番号を使って申告しているとは知る由もない。 しかし、IRSは、同じ名前と番号で2つ申告書を受け取ると、いずれかの申告書は怪しいと思う。そこで個人の確認のために手紙を発行する。 個人情報の確認を求める手紙が来ても、果たしてこの手紙が本物かどうか疑心暗鬼となる。書かれているサイトや電話番号にアクセスして、それが詐欺を働いている人のサイトや電話番号なら、自分の情報をわざわざ提供するようなものだ。 しかし、本物なら本人確認が終わらない限り、申告書の処理が進まない。本人確認と申告書の確認がなされると、申告書の処理が行われるが、約2ヶ月程度時間がかかる。 非常に悩ましいが、IRSの事務所まで出かけることができるなら、直接、IRSに出かけて手紙の真偽を含めて確認したらどうだろう。本物だったらそこで本人確認に応じることが安全かなと思える。

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2020.11.08
遺産税・贈与税

バイデン候補が勝って

バイデン候補の勝利がほぼ決まったようだ。これによってアメリカの税金は増税にかじを切ることになる。 連邦遺産税においては生涯控除が減額されると見られている。2017年税法のもとで2020年の遺産税の控除額は$11.58百万($1=105円で約12億円)あり、夫婦の場合はこの2倍で$23.16百万(同じく約24億円)の控除がある。この控除額を超えた場合は40%の税率で課税を受ける。この控除額はインフレ調整を受けながら2021年から2025年まで増加していくのが足元の状態だ。 しかし、これは2025年末までの話で、2026年以降については新たな法律がない限り、2017年法以前に戻ってしまう。バイデン候補が大統領となって、2017年当時の控除額$5.491百万か、更に踏み込むと控除額がもっと減少し、最高税率60%とかに向かう可能性がある。 控除額は生前(贈与)でも死後(相続)でも使える。今の状況では、仮に約12億円の財産があり、2025年末までに亡くなれば、控除により遺産税は発生しない。何もせずに時間が経過してしまうと、約12億円の控除は使えず、課税対象遺産税額が約6億円増加して約3億円前後の増税となる可能性がある。 では今のうちにこのメリットを取ろうと、約12億円を贈与して、2025年までに亡くなれば贈与は無税となる。ところが2025年を超えて2026年になっても生きていれば、約6億円の控除しかない。この場合、6億円は課税対象になって最高税率で課税されてしまうのか。基本的な考え方は、12億円の控除は取り上げられることはない。 しかし、バイデン大統領になり、2025年末ではなく早期に終了させて、控除額も約6億円ではなくもっと少なくすると決めたらどうなるのだろうか。法律が成立するまでに行われたことまで無効とはしないだろう。そのため新たな法律が決まる前に、駆け込みの贈与が増加すると見られる。 上記の控除額はあくまでアメリカ市民や遺産税・贈与税法でアメリカ居住者とみなされる人が対象だ。日本に住んでいる人は、同じ控除額を享受できるわけではない。また、日本の相続税・贈与税も考えなければいけない。

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