会社や組織の指示によりテレワークをせざるを得ない人も多い。給与はサービスが提供された場所を源泉とする。働く会社と住んでいるテレワークを行う場所が、同じ州の中にあれば面倒なことにはならない。 働く場所が会社とは異なる州の家と言う事になれば、テレワークをしている州で働いている。働く州で所得が生じ、その州が基本的に課税権を持つと言う事になる。 会社のシステムが数千人規模とかの従業員が実際どこで働いているか個別に管理し、所得税の源泉徴収を行って個々の州に納付することは容易ではないだろう。個人としても、自宅で働いていて会社に行くことがある。働いた時間、場所を記録して複数の州で合理的に所得を配分するとなると大変な話になる。 州によっては仕事がどこで行われようが、給与は会社の存在する州の場所で発生したものと割り切る。他州の家で働いている人の給与も、会社がある州を源泉とする給与としてしまう。簡単なやり方だ。 テレワークもコロナウイルスが下火になると解消されるなら、ごく一時的、緊急避難として、所得源泉地がどうこう言わなくて良いかも知れない。しかし、テレワークが定着してしまうならば、会社と個人にとっても面倒な処理となりそうだ。

コロナウイルスの影響でテレワークをせざるを得ない状況になっている。IRSも例外ではなく8万人の職員の内5.4万人が在宅で仕事をすることを余儀なくされているという。手作業で処理しなければいけない申告書や各種書類は手がつかず、1,000万通の書類が保管されたままだという。 IRSはこうした事態を打開するために一部の州で6月から1.1万人の職員に事務所へ出勤するように求めたとのことだ。しかし、職員には防護措置が十分でないままに戻ることには懸念がある。建物も消毒され、マスクなど支給され、机の位置も動かして同僚と働く距離を安全なものにしなければ、危なくていやだというのもわかる。 日本から書類を発送しようと郵便局に出かける。もとより、アメリカ向けの書類を受け付けてもらえなかったり、到着まで4カ月とか言われる異常事態だ。やっとのことでアメリカに書類が到着しても、大量の書類に埋もれて倉庫で眠るかも知れない。 外国であっても、日本に住んでいると物事は日本のようにせいせいと進んでいくと思いがちだ。コロナ騒ぎ以前でも30日以内に回答を求めるIRSから来る手紙が、日本に到着した時には40日も、50日も経っていたりする。こうした中でのコロナウイルスだ。 一体いつになったら正常な状態に戻るのか知りようもない。こうした状況なので、とにかく時間がかかると腹をくくって気長に構えるしかないかも知れない。

Stimulus paymentはCovid-19で職を失ったり、所得が減少した人に$1,200/人の給付金を支給する。海外にいてもアメリカに税金を払うわけだから、この給付金も海外にいても同じように支給されることになる。 一律にその金額をもらえるかというとそうはいかない。所得制限があり、独身で言えばAdjusted Gross Income (AGI)が$75,000を超えると減額が始まる。$100増すごとに$5減額されていく。かくして、$99,000を超えると、この給付金はもらえないことになる。 高額所得者には我慢してもらい、所得の少ない人に支給しましょうと言うわけだ。ところが本当にそうかという疑問がわく。判断の基準がAdjusted Gross Income (AGI)になっているからだ。 海外に住んでいる人はForeign Earned Income Exclusionがあって、所得から一定金額を減額してくれる。2019年で言えば$105,900の減額がある。ケースによりこの金額はさらに上下に変動するのだが、ここでは$105,900とする。 仮に$180,000の所得がある場合、アメリカ国内に住んでいれば$99,000を超えるので、この給付金はもらえない。しかし外国に住んでいたらAGIは$180,000-$105,900=$74,100になってしまう。かくしてこの給付金の対象となってしまう。 これはどう考えてもおかしいわけで、Foreign Earned Income Exclusionを入れない前の Modified Adjusted Gross Income (MAGI)で判断されないと合理的ではない。この不合理さを解消するために後付けで法が改正されて、MAGIとされ、既にStimulus paymentをもらっている人に返還を求めるかも知れない。2020年分(2021年春に提出)の申告書で精算されるやり方か? 現状では可能性だけだが、Stimulus paymentを返してくださいと言われ、面倒な返還手続きをさせられ、まして返還までの金利を上乗せして返してくださいと言われたら、最初からStimulus paymentをもらわなかった方がまだましと思うだろう。 しばらくは慎重に見ていた方がよさそうだ。

3月27日にCARES法が成立し、アメリカのStimulus payment$1,200/人がすでに支払われ始めている。この支払いのベースが、2018年と2019年のアメリカへの税務申告だ。 アメリカに住んでいる人だけではなく、日本に住んでいるアメリカの税務上の居住者も対象だ。Form 1040-NRを提出している人は対象外となる。 期待もしていなかったアメリカの給付金を日本でもらうわけだから、ありがたいと思うだろう。しかし、本来、もらってはいけない人にもお金が支払われていることがある。 一つは亡くなった人にお金が振り込まれているケースだ。CARES法が成立する以前に、亡くなってしまっている場合は、適正な受給とは言えない。 2018年、2019年の申告書を提出していても、CARES法成立前に既に日本に帰国してしまい、非居住者になっている場合もある。あるいは市民権やグリーンカードを放棄している場合もある。 もしも受給してはいけないのにStimulus paymentが支給された場合、IRSはそのお金を返却するように求めている。EIP Eligibility and General InformationのQ52に返却の仕方が記載されている。小切手の裏書にVoidと書いて、どうして返却しなければならないのかの説明をつける等返却のやり方の説明がある。 日本から返却をする場合の送り先: Austin Internal Revenue Service 3651 S Interregional Hwy 35 Austin, TX 78741 返却をしない・返却が遅れた場合、その分の金利も加算される。このお金をもらって問題を抱え込まないように慎重に動くべきだ。

IRSはコロナウイルスのために正常には稼働していない。電話をしようとしても電話がつながらない。多くの職員が自宅で仕事をすることを余儀なくされている。職員が家で仕事をするようになっても、一人一人にコンピュータが支給されているわけはなく、セキュリテイからも果たして家で職場と同じように仕事ができるのかは疑問だ。郵便は職員が職場復帰するまで手が付けられず保管されているだけという。 ここに来て郵便を処理しなくてはならず、約1万人の職員が事務所に戻って仕事をするように言われたとのことだ。しかし、働く人もマスクが支給され、職場も消毒され、同僚と働く距離を安全に保つなど、きちんと対策が取られているのか心もとないだろう。そういう職場に行ってウイルスに感染し、家族にうつしたら大変だと職場復帰が遅れているようだ。 日本からアメリカ向けの航空便を受け付けてもらえない状況が一部の会社で出ている。まさかこの状態がこの先何カ月も続いてほしくはないが、先行きが見えていない。IRSになかなか書類が届かないし、届いてもすみやかに処理してもらえない。従来経験したことがない事態で、税務関係の処理は相当遅れることを覚悟した方がよさそうだ。 申告書については発信主義なので、発信さえすればIRSに書類が届いていなくても、その時点で受理されたものとみなされるのが救いだ。

日本では今年の確定申告の期限が1か月延長され4月15日となった。ほっと一息をついている方もいると思うが、日本の申告が遅くなると、アメリカの申告にも影響する。日本の申告がアメリカと結びついており、日本の税額をアメリカの申告書に反映するからだ。全体としてデータが遅く提供される傾向となっている。 日本の申告書が4月15日にできたので、アメリカの申告書を4月15日に完成させると言うのは容易ではない。その点、日本から申告をする場合は、2か月の自動延長がついていることで救われる。 アメリカでも多くの人が集まることは控えるようにするのは自明で、コロナウイルスの影響で申告期限を延長してほしいと言う声が上がっている。 申告期限を延長するだけではなく、納付期限も延長するべきという。6月1日だとか6月15日にしてはどうかという意見もあるようだ。雇用にも影響が出る。申告期限を延長しても延滞税を発生させないようにして、経済的な支援にも目配りしなければならないだろう。 さらに4月15日の2020年第一期予定納税の期限にも影響する。また、州税の期限についてもほとんどの州が連邦と連動して動いており、州税はどうすると言うのも問題になる。 3月半ばになっていることもあり、申告期限の延長をするかどうかの判断はすみやかになされるだろう。

昨年9月にIRSはアメリカの市民権を放棄した人の過去の申告について救済を発表している。この救済はアメリカ市民で申告をすべきなのに、全く申告をしたことがない人を対象としている。 しかし、この救済は過去の申告をしているけど、Form 8854(出口税)だけを申告をしていない場合には適用されるのか疑問が残る。このケースに対しても救済を広げて救済が行われるというので一安心だ。 過去の申告が完全できちんとしたものである場合と、修正申告を要する場合では処理の仕方が異なる。 完全できちんと申告をしていた場合は、Form 8854だけを提出する。Form 8854の左上に赤いインクで “FAQ 24.”と記載し、Form 8854の6ページ目にサインする。さらにForm 8854の提出がなぜ遅れたのか合理的な説明をする。 きちんと申告がなされていない場合は、まずは修正申告書を提出する。さらに放棄した年にはForm 8854を提出する。Form 8854の左上に赤いインクで “FAQ 25.”と記載し、Form 8854の6ページ目にサインする。さらにForm 8854の提出がなぜ遅れたのか合理的な説明をする。 FAQ24は適正に申告をしているのに対し、FAQ25は修正申告を伴うので、そこで発生する追加税額やペナルティは納付しなければならない。

Individual Taxpayer Identification Number (=ITIN、納税者番号)はアメリカの税務申告を行う時に、社会保障番号(SSN)がない場合にITINを用いて申告を行ないます。SSNもしくはITINがなければ申告書を受け付けてもらえません。 ITINは有効期限があります。3年連続で 1040/1040‑NR に使わなかった ITIN は、その3年目の年末(12/31)に失効します。失効した ITIN を再度有効とするには更新手続きが必要です。 更新手続きは再度Form W-7と必要書類をそろえて申請します。特に、日本でこの手続きをする場合は、パスポートの原本の送達を要求されたりしますので、十分に余裕をもって更新を行うことが必要です。

IRSによれば約2百万人のITINが2019年末で失効する。ITINは社会保障番号を持たない人が、申告を行うために必ずなくてはならない個人納税者番号だ。 (失効するもの) ①過去3年間で一度も使われていないITINが失効する。 ②真ん中の2桁の番号83, 84, 85, 86, 87のものが失効する。これは過去3年で申告に使われていても失効する。但し、今年更新されたものは失効しない。 (家族ごとの更新) 家族の中で、更新のタイミングがバラバラというのも更新時期が煩雑だ。これを解消するために家族全体で更新することが可能だ。本人、配偶者と扶養家族が対象になる。すると、更新のタイミングに当たっていない家族はどうなると思うかも知れない。更新期間に当たっていない人も更新することができる。 (ITINの更新のやり方) https://www.irs.gov/credits-deductions/individuals/how-do-i-renew-my-itin 仮にITINの更新を失念したり、年をまたいで旧のITINで申告をすると、IRSからITINが失効している旨の手紙をもらう。そのままだと処理が進まない。ITINが回復され生き返ると処理を進めてもらうことができる。 来季の申告に向けて今のうちにITINの更新をお勧めする。

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