情報申告

2020.03.08
情報申告

FBARとFATCAの違い

アメリカ市民と結婚している非居住者が夫婦合算申告をするケースがある。この場合、外国人配偶者がFBARとFATCAを申告する必要があるかだ。報告の金額要件に達していなければ、最初から申告の対象者ではない。ここでは金額要件を満たしていると言う前提だ。 FBARではU.S. personsが対象とされている。アメリカ市民、居住外国人、トラスト、遺産財団やアメリカの州法により設立されている法人だ。ここには非居住外国人は含まれていない。 非居住外国人はFBARを提出することはない。 その一方で、FATCA(Form 8938)では対象となるのは、アメリカ市民、居住外国人、一定の非居住外国人、トラスト、内国法人となる。一定の非居住外国人も入っている。 一定の非居住外国人は、夫婦合算申告をする人と定義される。外国人であっても夫婦合算申告をする場合には、金額要件を満たす限りFATCAの申告をすることになる。 つまり非居住外国人の情報申告で、FBARとFATCAでは異なる処理となる。

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2020.02.23
情報申告

仮想通貨の情報申告

仮想通貨はキャピタル資産として譲渡益の課税を受ける。一方、FBARの報告ではどうなるか不透明だ。この点について、FinCENの2020年1月22日付けレターが一定の見解を出している。 現状で、FBAR規則は海外口座にある仮想通貨は報告する口座と定義していない。このため、現時点では海外口座にある仮想通貨はFBARで報告の対象ではない。 とりあえず、現段階では仮想通貨をFBARで申告しなくていいようだ。FinCENはFBARの報告規則をIRSに相談しているということで、この先、この判断は固定的なものではなく、ひっくり返るかも知れないと注意した方が良い。 一方でFATCAはどうなるのかという疑問は残ったままだ。 FBARはFin CENが管轄をしている。しかし、FinCENはFATCAを管轄せず、IRSが管轄する。実際、FBARとFATCAは情報がオーバーラップしている。それ故に同じように考えていいかどうかについては予断を許さない。 仮想通貨だから報告対象外と短絡するのも妥当ではない。仮想通貨が実際の通貨と交換されて報告要件を満たす金額ならば報告対象だ。

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2019.09.15
情報申告

情報申告を侮るなかれ

情報申告と言えば税務申告の陰に隠れて重要度が低いと思うかも知れない。給与所得がメインで普通に源泉徴収をされていたら、追加で税金を納付することもないし、あっても驚くような金額にはならないだろう。 情報申告の一つに外国金融口座の残高報告(FBAR)がある。これは銀行口座や証券口座の最高残高を拾い、ドル換算して報告するだけだ。データさえ把握すれば、後は機械的に作成できる。Form 8938も同様だ。 税金の申告書を作成する複雑さに比べれば容易な申告だ。しかし、これを怠った時にはペナルティがあり、Form 1040で発生する納税額に比べて高額になりえる。まさに割が合わない。 またForm 5471はとにかく分かりにくい。情報申告はこれだけにとどまらないが、ペナルティがあるので忘れないようにしなければいけない。

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2019.06.16
情報申告

FBARの夫婦合算申告

日本にはない申告の形が夫婦合算申告だ。夫婦は密接不可分な経済主体で、それを分離して個人で申告を行うことはなじまないと考えるからだろう。申告書が夫婦合算の場合、情報申告も同じように夫婦合算で提出できるのだろうか。 情報申告にはFATCA(Form 8938)とFBAR (FinCen Form W-114)の2つある。 FATCAはもともとForm 1040の一部を構成する。Form 1040が夫婦合算申告であれば、Form 8938も夫婦が一緒に記入することに抵抗はないだろう。 FBARはどうなるか。FBARは個人として自分の生年月日やら情報を記入している。まさに個人だけの情報だ。日本の金融機関の口座は個人の口座だから、FBARで配偶者の口座情報を入れようとはしないだろう。つまり、個人ごとにバラバラにFBARの申告を行う。 しかし、日本以外の外国の口座が夫婦の共有となっている場合もあり得る。それぞれの配偶者ごとに残高を特定するのは難しい。いずれかの配偶者が100%自分のものとして引き出すことも可能だ。その点から、共有名義の口座に限定しては、FBARの夫婦合算申告は可能だろう。

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2019.03.31
情報申告

市民権放棄や帰国と情報申告

FATCAの対象となる人はアメリカ市民だし、アメリカの居住者等が含まれる。年間を通じてこのステータスなら悩むこともない。 しかし、年の途中でアメリカの市民権やグリーンカードを放棄したり、居住者だった人が日本に帰国した場合はどうなるのだろう。 年初と年末ではステータスが変わってしまっている。年初で見ればアメリカの居住者だし、年末で見ればアメリカの非居住者だ。 Form 8938を提出するのか、それとも提出しなくてもいいのか。 これに対してForm 8938の解説書は明快な答えを出している。居住者に該当する最後の日までを対象として報告を行う。仮に、3月31日に市民権を放棄した場合は、1月1日から3月31日までの期間を対象に申告する。4月1日から12月31日までの期間は報告対象期間から外れる。 次に問題となるのはFBARだ。これに関しては明快な答えがない。とするとFATCAと同じように期間を区切って報告するにはリスクが伴う。FBARでは、通年を対象に報告することでリスクを回避するのが賢明だろう。

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2019.03.10
情報申告

株式の報告

FBARやFATCAの申告の対象には外国の預金だけではなく株式も含まれる。勿論金額次第で申告要件を満たすことが条件で、満たさない場合は除外される。 金額要件:全ての金融口座をよせて、下記の金額以上となる場合 FBAR           期中どの時点でも $10,000  FATCA 年末 期中 米国居住の独身・夫婦個別申告 $50,000 $75,000 米国居住の夫婦合算申告 $100,000 $150,000 海外居住の独身・夫婦個別申告 $200,000 $300,000 海外居住の夫婦合算申告 $400,000 $600,000 金融機関要件: この金額以上であっても報告を要さないことがあり得る。即ちアメリカの金融機関に預金や株式を持っている場合だ。 日本の株式をアメリカの証券会社を通じて購入した場合:報告の対象から外れる。 日本の株式を日本の証券会社を通じで購入した場合:報告対象となる。 日本の株を個人で直接購入した場合:報告の対象となる。 金額用件だけではなく、金融機関も条件に置かなくてはならない。

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2019.02.24
情報申告

情報申告書を提出する?

情報申告書としてFBARとFATCAを提出する。提出要件の一つとして金額基準がある。 FBARで言えば$10,000基準だ。FATCAは海外に住んでいれば年間のどこにおいても$300,000を超すか、年末に$200,000以上と言うことになる。 例えば日本に3,000万円の預金を持つ場合、上記の金額基準を満たすために申告が必要となる。 ところが、何らかの理由で所得がない場合がある。当然、税務申告書は提出しないケースだ。 情報申告はどうすれば良いのだろう。 FBARは単独で申告を行う。それ故に、全く申告所得がなく、税務申告書を提出しない場合でもFBARは提出しなくてはならない。 FATCAは税務申告書を構成するページだ。当然、金額からすれば申告義務を満たすのに、申告所得がない。この場合は申告書を提出することないので、FATCAのForm 8938を提出しなくても良い。

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2019.01.11
情報申告

FBARの申告期限

2016年対象分(2017年に申告)からは申告期限が税金の申告書と同期することになった。すると、従来、6月30日だった期限が4月15日だと慌てるかも知れない。 海外からの税金の申告は、2か月の自動延長があるので6月15日が期限となる。税金の申告の延長を申請すると10月15日なので、6月15日までに延長申請を行えばよいだろうと考えるかも知れない。 ありがたいことにThe Surface Transportation and Veterans Health Care Choice Improvement Act of 2015はFBARの申告を手続きなしに自動的に10月15日まで延長してくれている。 一方、通常の税金の申告書の提出期限は、外国から申告する場合は6月15日(土日に重なると後ずれ)だ。それ以前に延長申請をしなければ10月15日まで延長されない。

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2018.12.02
情報申告

故人もFBARを申告する

FBARは外国金融口座の残高報告だ。年のいずれかの時点で口座を寄せて$10,000以上であれば、この情報申告をしなくてはならない。対象はUS personで、アメリカ市民・グリーンカードを持つ人やアメリカの居住者等だ。 自然人の場合は、生前は当たり前だとしても、亡くなったら人と言う範疇から外れてしまうので、FBARの申告はもうないと思うかも知れない。 アメリカの相続は清算主義を取るために、自分が死んでも自分の税務申告を行わなければいけない。死んでいるので、故人に代わり遺産財団が作られ、管財人がその責任を負う。 こう書いてしまえば、ああそうかで終わってしまうかも知れない。遺産財団の管財人が相続人に故人の財産を分配し、裁判所に結了を報告して任を解いてもらうまで続く。この期間が数年に及ぶこともある。遺産財団が存続している間、亡くなった人は税務上は生きている人と同じ事となる。 相続人が日本に住んでいる場合、日本の相続がある。日本の相続では亡くなった時を持って財産は相続人のものとなる。株を相続したらその所得税の申告は相続人が行う。日本の感覚では人は亡くなったらできることはない。 アメリカの申告が、亡くなってから何年も続くのは理解しがたい。まして管財人がFBARを知っていたとしても、亡くなったら報告がないと思ってしまうこともあり得る。FBARは遺産財団が存続している限り行わなければならない。

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