米国市民権や永住権を放棄した人(以下「Expatriate」)は、放棄した年の翌年4月15日までに、通常の所得税申告とともに「Form 8854:Initial and Annual Expatriation Statement」を提出する。納税者が課税年度途中で米国の永住権を放棄して U.S. person でなくなった場合、その課税年度は Dual-Status Yearとなる。この年は、年度内に米国居住者(Resident)としての期間と非居住者(Nonresident)としての期間が混在する。そのため、年度末時点での身分により、申告書の「本体」が異なる。
【Dual-Status Year における申告書の構成】
1.年度末に非居住者である場合
- 本体:Form 1040-NR(Dual-Status Return)
- 添付書類:Form 1040(Dual-Status Statement)
2.年度末に居住者である場合
- 本体:Form 1040(Dual-Status Return)
- 添付書類:Form 1040-NR(Dual-Status Statement)
グリーンカードを返納し、その年度末に非居住者となった場合は、Form 1040-NR が Dual-Status Return となる。
【Form 8854 の提出について】
Form 8854(出国税)は、納税者が米国居住者でなくなったことを IRS に正式に通知するとともに、過去5年間の税務遵守状況を証明するために提出する。このForm 8854 に記載するバランスシート評価の基準日は「Form I-407 提出の前日」とされ、これが米国居住者としての最終日となる。記載内容には、全世界資産の時価評価額、負債状況、ならびに過去5年間の税務コンプライアンスが含まれる。
【紙の申告・電子申告】
Form 8854のバランスシート評価基準日が「居住者終了日(Form I-407提出の前日)」であるため、「Form 1040(dual status statement)への添付」が理論的に自然だと感じられる。
しかしながら説明書を見れば次のように書いてある。
Former U.S. long-term residents are required to file Form 8854, Initial and Annual Expatriation Statement, with their dual-status return for the last year of U.S. residency.
Dual status returnに付けなさいとある。Dual status statementに付けるようには書いていない。紙の提出の場合、Form 1040-NR を本体とし、Form 8854 を添付し、さらに Form 1040 を添付書類としてひとまとめにして郵送する。
一方、電子申告(e-file)の場合は、一式の書類パッケージとして IRS に提出されるため、どちらに添付するかを個別に考慮する必要はない。
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