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2025.08.24
その他

IRS人員削減の影響

ここにきてIRSからレターが発行され、申告内容を否認し税金を支払うように求めるレターが極端に多くなっている印象を受ける。今までに経験したことがない状況だ。しかも、従来は何ら問題のなかったものが否認されている。 どこで否認されているかといえば、外国税額控除や租税条約の適用そのものを認めないケースだ。これらは今まで長期にわたり問題なく通っていたものである。 どうしてこんなことになっているのか考えると、トランプ政権による IRS の職員 25,000 人の削減が原因しているのではないかと思い当たる。これにより約 4 人に 1 人が失職することになる。 この削減では当然のことながら国際課税の専門部署も対象となる。この分野は個別ケースの判断が入るので、人の目を通して申告書の処理をしている。特に Form 1116やForm 8833 を審査する国際課税部門はもともと人数が限られている。 結果として、1人あたりの処理負担が増加してしまった。なんとしても処理をしないわけにいかないので、コンピュータを活用し機械的な判断をさせることに切り替わっているのではないかと思う。システム的に判断をさせて人員削減を乗り越えようとするが、うまくいっていない。従来の人の目による柔軟な判断がなされず、機械的な判断により誤った通知が発行されるケースが増加しているのだろう。 トランプ政権の経費削減の取り組みが、IRSのサービス低下につながっていることは否定できない。それでも政権は合理化をしながら経費削減を強力に推し進めようとしている。結果として目の行き届かないところが増える。トランプ政権の経費削減の取り組みは、いわゆる「トランプ関税」ではないが、海外からの申告者へのサービス低下を犠牲にしても、本丸であるアメリカ国内の税務行政に注力し減税を行う形なのだろう。 海外からアメリカに申告をしている人にとっては、IRSから問題を指摘する手紙をもらうことが増加したのは一時的なことではなく、来シーズンも続いていくと考えたほうがよさそうだ。

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2025.08.17
所得税

身元確認が増えている

最近、IRSから身元確認を求める手紙が多く発行されている。例年にはなかった現象で今年は特に頻発している。特にITIN(個人納税者識別番号)を使用している場合や、還付金額が大きい場合にこれらのレターが送付される傾向がある。 職員削減と自動確認の強化 2025年にIRSの職員が約25%削減される予定で、手作業での確認が減少した結果、ITシステムによる自動確認が増加している。これにより、申告書の内容に少しでも不一致や疑わしい点がある場合、自動的に本人確認のレターが送付されることが多くなっている。 詐欺防止対策の強化 近年、IRSは還付詐欺や身分盗用の被害増加に対応するため、納税者の本人確認プロセスを厳格化した。特に電子申告(e-file)やITINを使用した申告では、追加の確認が要求されることが増えている。 本人確認レターの増加は、職員削減によるシステム依存の強化、詐欺対策の厳格化、新しい本人確認プロセスの導入等が複合的に作用した結果だ。最近では確認書類要求率が前年度比で300%増加しているということも聞く。 対応の重要性 本人確認の手続きを行わないと、IRSは申告内容を処理できず、還付金の返金がスムーズにいかないことがある。また、詐欺の疑いがある場合は、さらに追加の確認が求められることがある。 特に問題となるのは、IRSが発行する手紙には通常30日以内の回答期限が設定されていることだ。日本に居住している場合、国際郵便の遅延により手紙を受け取った時点で回答までの時間がわずか1週間程度、あるいはほとんど残っていないケースもある。 幸いなことに、これらの手紙への回答は「発信主義」が適用される。つまり、期限日までに書類を送付すれば、IRSへの到着日は問われない。時間的余裕がないケースが多いが、IRSからレターが届いた場合は、内容を確認し、速やかに対応することが求められる。

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2025.08.10
その他

知っていました?米国の税金還付小切手がなくなります

2025年3月25日に署名されたトランプ大統領令「アメリカの銀行口座への支払いと銀行口座からの支払いの近代化」は、連邦政府のあらゆる支払いを電子化することを目的としている。 この大統領令は、連邦政府から個人・企業への給付金、税金の還付金、ベンダーへの支払い、および個人・企業から政府への納税・手数料などの支払いを対象とする。2025年9月30日以降、原則として紙の小切手による支払い・受領を停止し、電子決済へ移行する計画となっている。 デジタル化が進む世の中の流れからすればこの方針は理解できるのだが、海外に居住する納税者にとって大きな問題が生じる。 【還付金の受け取りが困難になる】 この変更は、日本など海外に住む人々に大きな影響を与える可能性がある。従来は紙の小切手で還付金を受け取っていたが、新制度では個人の預金口座への振込みのみが基本となり、しかもその口座は米国内の金融機関に限られる。つまり、米国内に住んでおらず、アメリカの電話番号や銀行口座を持たない日本居住者は、実質的に米国の銀行口座を持つことが困難なため、還付金受領の手段を失ってしまう恐れがある。 大統領令はこうした状況を踏まえ、米国の銀行口座を持たない納税者のために「代替手段」を検討するよう財務省に指示している。具体的には、従来通り紙の小切手で支払いを継続するのか、またはその他の電子的受取方法を導入するのか、今後の対応が注目される。 銀行口座への振込みしかないのであれば、米国外に住所を置く納税者向けに、日本の銀行口座への振込みが検討されるべきではないかという意見もある。実際、アメリカの年金の振込みは日本の銀行口座にも対応しているケースがあるため、IRSが対応しないならば説得力に欠けると思われるのではないだろうか。 現実問題として、現時点で還付金を待っている多くの納税者がいる。すでに提出している申告書には米国内の銀行口座情報を記載していない。実際には準備不足で銀行振込に対応できないために、紙の小切手による送付が唯一の手段となってしまうだろう。 日本在住者をはじめ海外の納税者は、大統領令や手続き変更に関する最新情報を入手しにくく、手続き変更への対応が追いつかず、しばらくは混乱が続く可能性がある。

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2025.08.03
その他

アメリカへの申告はずっと行う?

米国グリーンカード保持者から「納税申告(タックスリターン)の義務はいつまで続くのか?」という質問をよく受ける。 グリーンカード保持者の米国への申告義務の発生要件: 主に次の2点が同時に成立する場合だ。 ① グリーンカード保持者であること ② 標準控除を超える一定水準以上の所得があること ただし、所得が基準額以下の場合でも、次のようなケースでは申告義務が生じることがある。 ・Form 1099-R や Form 1099-NEC により源泉徴収された税金の還付を受けたい場合 ・自営業所得が$400以上ある場合 ・国外に居住しており、外国口座や外国資産についての報告(FBAR、Form 8938など)が必要な場合 ・Earned Income Credit(勤労所得税額控除)などの税額控除を請求する場合 ・毎年の申告を行った証拠となる書類が必要な場合など 長期的な考慮事項: 特別な必要がない限り、米国の申告を継続することは負担となりえる。グリーンカードを放棄すると米国の年金を受給できなくなるのではないかと懸念される方もいるが、年金受給資格を満たしていれば、日本に居住しながらも米国の年金を受け取ることは可能だ。日本の銀行に直接振り込んでもらうこともできる。 グリーンカードの放棄自体を推奨するわけではないが、申告が煩雑・負担で特に今後アメリカで生活をすることもないと考えるならば、思い切った決断をするのも一つの選択肢と言えよう。

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2025.07.27
所得税

不動産譲渡益が非課税?

トランプ大統領が、不動産の譲渡益をすべて非課税にする可能性があると報じられている。とても大きな話に思えるが、現行制度でも多くの人は不動産譲渡益の課税を免れている。 現時点では、自宅を売却し譲渡益が発生した場合、独身なら最大25万ドル、夫婦なら最大50万ドルまで譲渡益を所得から控除できる。このため、多くの人が自宅売却による譲渡益については課税対象外となっている。 ただし、これには条件がある。売却日までの5年間のうち、少なくとも2年間、対象不動産を所有し、かつ主たる住居(main home)として居住している必要がある。 夫婦の場合、所有期間については配偶者のいずれか一方が満たせばよいが、居住期間の要件は両方の配偶者が2年間、その住宅に居住している必要がある。ただし、5年間のうち合計2年以上であればよく、2年間が連続している必要はない。また、居住期間については所有者がどちらか一方であっても両方に適用される。 この控除は2年に1回しか利用できない。これは、短期間に複数回の不動産譲渡を行って課税を回避することを防ぐための規定だ。 さて、日本人が仕事の都合などでアメリカに渡り、アメリカで不動産を取得するケースがある。一定期間アメリカで働いた後、夫は既に日本へ帰国し、妻と子どもだけがアメリカに住み続けていることがある。この家を売却した際に50万ドルの非課税控除を受けられるのか。 この場合、夫が過去5年のうち2年間アメリカの家に住んでいたのであれば、たとえ3年前に帰国していたとしても、夫婦合算で50万ドルまで控除を受けることができる。つまり、2年以上の所有・居住要件は「5年間の期間内で通算2年以上」でよく、主たる住宅であった場合は、売却時点で必ずしも居住している必要はない。 なお、譲渡益が50万ドルを超える場合には、超過分について課税される。よって、これを上回る譲渡益が見込まれる場合、もしもトランプ大統領による譲渡益非課税の制度が実現すれば、大きな恩恵となる。 また、日本人の場合、帰国して日本の税法上の居住者となると、アメリカの不動産を売却しても日本側で課税される可能性がある。したがって、帰国する前、すなわちまだアメリカの居住者であるうちに不動産を売却した方が有利になることもある。不動産の売却も時期を見極めることが大事だ。

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2025.07.20
その他

グリーンカード放棄での間違い

グリーンカードを保持し続ける限り、毎年の米国への申告義務がある。グリーンカードを持っている人が日本に帰国して日本に納税すると、米国の納税義務が終了したと誤解している場合がある。特に、グリーンカードの有効期限が切れてしまった場合に、米国での納税義務も自動的になくなると考えてしまうケースがよく見られる。 しかし、これは誤りだ。税務上は非常に明確に規定されている。グリーンカードで税務上の「居住者」ステータスを取得したら、グリーンカードが取り消されるか、本人が正式に放棄しない限り、そのステータスは継続する。 米国の税法では、永住権の放棄は、個人がForm I-407または永住権放棄の意思を記載した書面にグリーンカードを添えて米国移民局に提出する手続きが必要だ。グリーンカードを紛失してしまい、返納できないと心配される方もいるが、手続きは可能で、紛失して提出できないことを説明する文書を添付すれば問題ない。 グリーンカードの放棄日はいつかについても誤解が多い。グリーンカードの放棄はForm I-407を提出した日に基本的に有効となる。 Form I-407を提出した後に、Form 797-Cが送られてくるので、Form 797-Cの発行日が放棄日だと誤認されがちだ。Form I-407は発信主義であり、提出日に効力が生ずる。 グリーンカードを放棄すると、Form 8854(出国税)の対象となり得る。もちろんこの対象になるには3条件がある。いずれかの条件に当てはまると、出国税の対象になるのだが、それでも出国税の対象にならないことがある。それは過去15年において8年以上グリーンカードを持っていなければ、原則として出国税の対象から外れることができる。 この時の1年の数え方は、単純に暦年でカウントする。クリスマスの時期にグリーンカードを取得した場合でも、わずか数日でも1年経過となってしまう。 日本に帰国された方の中には、年齢を重ね、将来的に米国で生活や仕事を再開する可能性が低いと判断し、グリーンカードの必要性を感じなくなるケースが多く見られる。しかし、その一方で米国への納税申告義務だけは残り続け、ご自身での手続きが難しくなると大きな負担となり得る。そのため、グリーンカードが不要となった段階で、思い切って整理することが良い選択となる場合が多く見受けられる。

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2025.07.13
遺産税・贈与税

知らなかったは免罪符か

日本に住んでいるアメリカ市民やグリーンカードホルダーなどが贈与や相続を受けた場合、アメリカの贈与税や遺産税(相続税)はどうなるのか。アメリカの贈与税や遺産税(相続税)を課税される人は、日本とは異なり財産をあげる人が課税される。もらう人は課税されないのが基本だ。もちろん基本から外れるケースはあるのだが、多くは課税を受けない。 それで話が終われば簡単なのだが、たとえ日本で贈与や遺産を受け取った場合でも、年間合計$100,000以上である場合、アメリカ市民やグリーンカードホルダーには、その年にForm 3520の提出義務がある。これは贈与税や遺産税の申告ではなく、情報開示義務だ。面倒なのは申告しないとペナルティが課される。 Form 3520の提出義務は、多くのアメリカ市民やグリーンカード保持者にとって「寝耳に水」となるケースが後を絶たない。日本で親からごく普通に贈与や相続を受けただけなのに、なぜアメリカでペナルティのリスクを負わなければならないのか、という気持ちはよく分かる。 「知らなかった」は免罪符になるのか? しかし残念ながら、「知らなかった」という理由は原則として免罪符にはなりえない。アメリカの税法では、「その法律を知らなかった」という主張だけでは、法律違反の責任を免れることはできないという考え方をとる。 もし「知らなかった」がすべて通用してしまうと、誰もが「知らなかった」と主張するだろう。知っている人だけが法律を守り公平でなくなるし、自ら法律や規則を学ぼうとすることがなくなってしまう。こうして税制をはじめとする法制度そのものが成り立たなくなってしまう。 アメリカで法律や規則が作られて、世界中に住んでいる米国市民やグリーンカード保持者がその影響を受ける。それならばその法律を作る、執行する側もそのことを周知徹底させることが必要ではないかという声も根強くある。 たとえ毎年きちんと確定申告を行っていても、この義務の存在に気づくのが困難な状況であったことを合理的に説明し、かつ、義務を知った後すぐに誠実な対応をとれば、ペナルティが免除される可能性は十分にありえる。重要なのは、問題を認識した時点でそのまま放置せずに、すみやかに行動を起こすことだと思う。 。

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2025.07.06
年金

やった!と思わないで

7月4日にトランプ大統領がthe One Big, Beautiful Billにサインして立法化された。Social Security Agency (SSA)の7月3日付のプレスリリースが何ともセンセーショナルな書き方をしている。https://www.ssa.gov/news/press/releases/2025/#2025-07-03 この法案の中で高齢者向けの減税が盛り込まれている。社会保障年金受給者の90%は連邦所得税を払う必要がなくなり「これは高齢者の経済的安定を守る歴史的な進歩だ」と称賛している。 これを読むと、アメリカの社会保障年金が課税対象ではなくなったと読んでしまうかも知れない。しかし、これは社会保障年金自体が課税の対象ではなくなったという事ではない。無税になるのではなく、控除額の上乗せにより高齢者の課税所得がゼロになる人が増えるという仕組みだ。標準控除額の違い:2024年:個人 $14,600/夫婦 $29,200+高齢者控除($1,950/人)2025年では2024年のベース金額がインフレ調整されて、高齢者控除が大幅増加($1,950→$6,000/人)するので、中〜低所得の高齢者に大きな免税効果がある。結果的に課税所得がゼロになる高齢者が大多数という意味だ。2025〜2028年分の確定申告(申告は2026年春から)での期間限定の所得控除だ。 実際には 社会保障年金は引き続き課税対象であり、年金そのものが無税になるということではない。 この発表は「社会保障年金に課税されない」という印象を与え誤解を招きやすい。実際には、一時的な控除措置によって結果的に課税所得がゼロになる仕組みだ。 さて、アメリカの年金を日本でもらっている日本人にとってはどんな影響があるのか。もともとアメリカの社会保障年金は日米租税条約で居住している国で課税を受ける。即ち日本の確定申告でアメリカの社会保障年金に課税されている。 アメリカで社会保障年金に課税を受けなくなったとしても、日本の課税であることには変わりがない。基本的には従来の申告と変わることはない。

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2025.06.29
その他

国境を越えると

アメリカはカナダやメキシコと国境を接している。カナダに住んでいる人が毎日、国境を越えてアメリカで仕事をしたり、逆にアメリカからカナダに行って仕事をしたりする人々がいる。 アメリカで働けば、その給与は「アメリカ源泉所得」となり、アメリカでの課税対象になる。カナダに住んでいれば、カナダでも全世界所得の申告義務があり、つまり両方の国に納税義務が生じて「二重課税」の状態が発生する。 実際の納税は「勤務国」でまず行い、「居住国」では申告時に外国税額控除を適用する。これにより実質的な二重課税を回避しようとする。 興味深いことに、この国際間の税務ルールは、アメリカ国内で州をまたいで働く場合の考え方と非常によく似ている。原則として、まず所得を得た勤務地の州(源泉地州)で納税し、その後、住んでいる州(居住地州)の納税額からその分を控除する、という手続きを踏む。 例えばニュージャージー州(NJ州)に住んでニューヨーク州(NY州)で働いている人は、まずNY州に非居住者として申告をして、NY州で得た所得に対する州税を納める。次に、住んでいるNJ州に対して、居住者として申告を行う。NJ州の税額から、NY州およびニューヨーク市に払った税額を控除する。 多くの場合、NY州・市の税率の方が高いため、控除額がNJ州の税額を上回ることがある。結果として、税率の高いNY州・市に税金を全額納めたのと同じような結果となる。 もしNY州を東京都、NJ州を神奈川県や千葉県と読み替えた場合、日本ではどうなるか。アメリカの仕組みは、まるで東京都にだけ地方税を納めるように見える。日本の税制は大きく異なる。日本では都道府県をまたいで通勤しても、所得税は国が全国一律のルールで課税する。そして、住民税は勤務地に関わらず、その年の1月1日時点で住んでいる自治体に納めるのが原則だ。 このように比較すると、アメリカの州が、税務上はあたかも一つの国のように独立した課税権を持っていることがよくわかる。

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