日本からの申告書の提出は2024年6月17日期限だ。申告書の提出は発信主義を取り、期限内に郵送されれば、期限内に提出されたことになる。つまり、期限内の消印が押されていれば、期限内の提出とみなされる。 順調にいけば良いが、申告書を期限内に提出したものが申告書にエラーがあると受理されず戻ってきてしまうことがある。再提出する時は既に申告期限を越えてしまっている。これは期限後申告になってしまうのだろうか。 例えば、誤った社会保障番号を記入した申告書を6月17日までに提出した。ところがその社会保障の番号の申告書が既に提出されていると返却されてしまった。その後すみやかに再提出する場合は、通常は期限内と見なされる。と言うのは、IRSは誤りがあった申告書の再提出に対して一般的に30日とか60日の猶予を与えるからだ。 迅速に対応しIRSの指示に従い、すみやかに申告書を再提出すれば、ペナルティは課されることはないと期待できる。 こうした経緯をきちんと説明できるように、もともとの申告書が期限内に提出されていたことを示す証拠(例えば、郵送の消印などの確認できるもの)が重要だ。また、訂正後の申告書を再提出した際の証拠も保管しておく。 海外からの郵便等の遅延により遅れて届いた場合は、IRSは郵便事情を考慮に入れる。2020年や2021年にはコロナウイルスのために、国際的な物流が大幅に滞り、IRSは申告期限そのものを延長してくれた。 さて、6月17日まであと2週間しかない。どうしてもこの期限に間に合わない場合は、延長申請を行い10月15日の申告期限まで延ばすしかない。Form 4868を6月17日以前に提出し、予測される税額を支払ことになる。

アメリカの税金を日本から支払う事の煩雑さは、アメリカに申告を行う事が面倒であることの象徴のようだ。 いろいろ苦労してアメリカの申告書を作る。税額が発生して、いざアメリカに納税しようとする。アメリカに支払う税金はドルで納付しなくてはならない。日本からどうやって納税できるのか。 アメリカに住んでいた人で、アメリカに預金口座が残っていれば簡単だろう。しかし、そうでなければかなり面倒だ。 アメリカの税金はドルで支払わなければいけない。しかし、そもそもドルを持っていない。ドルを持っていて近くのコンビニで払えるなら簡単だろうが、日本のコンビニではアメリカの税金を払うことができない。 アメリカの税金をドル小切手で支払うことができる。アメリカに銀行口座があり小切手帳を持っていれば小切手を発行すれば良い。小切手帳がなければ、銀行に出かけてドル小切手を作ってもらうが、うまく行くのかどうか簡単ではない。 こうしてみると、クレジットカード払いが唯一の選択肢ではないかと思える。税金とは言えども、あたかもネットショッピングと同じだ。自分の家にいて自分の空いた時間で手続きができる。 ここから手続きができる。Pay your taxes by debit or credit card or digital wallet | Internal Revenue Service (irs.gov) これも慣れていれば良いのだが、英語の画面と対話して情報を入れていくのもストレスがないとは言えない。年配の方の場合だと、クレジットカード決済になじみがないことがある。 銀行に出かけて銀行から送金を依頼することも選択肢としてある。しかし多くの銀行ではこうした業務には対応しておらず、うまく対応してもらえないか、できたとしても手続きにとても時間がかかる。 若い時には体力的にも大丈夫だったものが銀行まで出かけて、結構な時間を費やすのも簡単ではないこともある。 日本に住んでいる人がアメリカに申告するのは、申告書の作成だけではなく周辺の事柄でも越さなければならないハードルがある。

日本を出国しアメリカに住むようになる時、あるいはアメリカから日本に帰国する時に、たいていは年の途中のタイミングとなる。ということは、日本を出国する場合、1年間のうちにアメリカ非居住者とアメリカ居住者である期間が混在する双方居住者(Dual Status Alien)となる。帰国する場合は順序が逆になる。 この場合は居住期間を居住者として、非居住者期間を非居住者として申告をする。又は通年、居住者として申告を行うこともできる。 さて、話はAIとなる。最近はAIの発展がものすごいので試してみた。双方居住者のFBAR申告はどうなるのか? と聞いてみた。答えは一瞬で驚くばかりの速さだ。しかし回答を見てあれっ、これは違うだろうという答えが返ってきた。 年末時点でアメリカの居住者の場合、FBARの申告要件の金額を$50,000としている。$50,000を超えない場合は申告を要さないと言っている。これは$10,000の間違いで$50,000はFATCAの申告要件だ。 そこで$50,000の根拠を求めると条文を示してくれる。しかし全く関係のない条文だった。 これは違うでしょうと確認すると、税務の専門家ではないので詳しくは税務の専門家に確認くださいと腰が引けている。 さて、一日過ぎて同じ質問をしてみた。しっかりと$10,000という答えに代わっているし、答え方もしっかりしている。確かに学習している。これはすごい。 仮に学習前の情報を見た人が、$50,000が基準額だと思ってしまったらどうなるのだろう。 完全に手放しで、内容を丸のみをしてしまうと適切ではないこともあると肝に銘じ、自分でもしっかり確認することが必要だろう。 しかしながら、確かに確認をしなければいけない答えを返してくれるかもしれないが、その答えは十分に実用的だと感じた。このスピードで進化したら5年後、10年後にはどんな世界が来るのだろうと思ってしまった。

12月31日はアメリカの税務ではとても意味のある日だ。 婚姻: 結婚しているのか、独身なのかという婚姻のステータスは 12 月 31 日を基準として判断する。2023年12月31日に結婚している場合は、2023年1月1日から12月31日までフルに 1 年間は結婚しているとみなす。夫婦合算で申告するか、夫婦個別の申告を選ぶことができる。 誕生:赤ちゃんが誕生した場合は、1月1日から誕生したものとして扱うことができる。赤ちゃんが 12 月 31 日に生まれたとしても、社会保障番号があれば、その子をフルに1年間扶養家族として申請できる。 死亡:亡くなった方は、12月31日まで生存していたものとして扱うことができる。そのため、通年、夫婦合算の申告が可能となる。 情報申告のFBAR:外国通貨をドルに換算する。この換算レートは12月31日のレートを用いる。FBARでは最高残高を申告する。本来、日本円での最高値と為替レートの相関でドル最高値となる。すると為替レートにより、必ずしも日本円の最高値がドルでの最高値とはならない。これを計算するためには日々の為替レートもチェックしなければならず大変手間がかかる。ところが、FBARで用いられる為替レートは12月31日のレートに固定されているので、日本円の最高値をそのまま使える。 グリーンカードの放棄:Form I-407を2023年12月31日までに郵送した場合は、2023年にグリーンカードを放棄したことになる。発信主義で提出した書類がアメリカに到着を要するものではない。 Form W-8 BEN:租税条約の低減税率適用のために必要な書類だ。この書類は有効期限があり3年で失効する。この3年のカウントは12月31日で1年が経過したものとされる。即ち2023年12月25日に提出した場合、実質的に7日しかなくても1年が経過したものとされる。 皆様には、2024年も従来にも増して、より一層よい年であることを願っています。

年内も2か月を残すのみで、グリーンカードを放棄する場合は、年内にできるならばその方が良い。最終申告が2023年分(2024年提出)となる。放棄が来年の1月に入ると、最終申告が2024年分(2025年提出)となり、さらに1年先送りとなる。 放棄時に使うフォームがForm I-407だ。ごく簡単なフォームで、午前中に作成して、午後に郵送すればその日のうちにグリーンカードの放棄ができてしまう。もちろんそれに伴う税務上の処理は、通常の申告と出国税があり、2024年の申告シーズンまでは完了できない。 さて、このForm I-407だ。ダウンロードしてみると分かるのだが、そのForm の右上にExpires 07/31/2023とある。このフォームが今年の7月末で有効期限切れとなっている。このフォームを改訂するということで、改定案も見ることができる。 この新フォームがいつアップロードされるのか、明日なのか、年内か、来年になるのかわからない。 それを待っていられない場合、この旧フォームを使ってグリーンカードの放棄をするのか悩ましい。まだ年末までは少し時間があるので、しばらく待っていようというのも一案だ。しかし、年末になってもこの状態だと悩ましい。 旧フォームで提出した故に、Form I-407は無効だと言われては困ってしまう。単に手続きのフォームがないために、放棄そのものがブロックされてしまうことは不自然に思える。 あるところまで待って、仕方なしに旧フォームで提出しても、おそらくは受理してもらえるだろうと思う。旧フォームで提出した人には新フォームが発行された時に、もう一度新フォームを、年をまたいで再提出するように言われることもあるかも知れない。ただその確信を持てないのが悩ましい。 そうすると、一体いつ出国していつまで税務申告をしなくてはならないのか迷う。形式ではなく実態で判断すれば、旧フォームでの提出日が有効とされるのではないだろうか。

出国した日は一体いつなのか。一見、どうと言うこともない話のようだが、迷宮への入り口でもある。 大抵はForm I-407を提出する時に出国となる。現在は、日本からだと書類を郵送するだけで良い。日中、郵便局に行って書類を発送する。さて、この日が仮に10月1日だとしたら10月1日で出国となる。出国税はその一日前の9月30日を基準日として申告する。 10月1日だとその日は書類を発送するまでは、アメリカの居住者で、発送した後はアメリカ非居住者になってしまう。と言うことは居住者としての財産目録なのか、非居住者としての財産目録になるのか紛らわしい。 出国税のもともとの狙いが、非居住者になることによってアメリカの課税から抜け落ちる事を防止しようとしている。アメリカでせっせと稼いだ結果、株式が値上がりし年金資産が増えて資産を形成した。アメリカ居住者ならば、アメリカに譲渡益を税金として支払いアメリカ社会に貢献する。 しかし、アメリカのインフラを使い生活をして、財産が増えても母国に帰って、税金を払わずにアメリカにただ乗りして逃げてしまう。非居住者が株式譲渡益を得ても、アメリカの課税とはならない。 これは租税回避となるので、アメリカは許せない。だから出国する時は実際に株式等の財産を譲渡していなくとも、年金をもらっていなくても、みなしで株式を譲渡し、年金を受給したこととして、幽霊利益に税金を払わせる。 居住者ならば全世界所得課税だから、財産目録についてアメリカはすべて課税できる。非居住者だと課税できない財産も出てくる。非居住者の目録を提出しても意味が薄い。 冒頭の例だと9月30日が基準日だ。9月30日の朝に、株や不動産を持っていて、含み益を抱えている。その日のうちに株や不動産をすべて譲渡し、含み益が実現してしまうと報告内容が変わってしまう。と言うことは、9月30日の夜11時59分59秒で一瞬後に10月1日になるタイミングの財産目録と言うことだろう。

申告書を作り、税金を計算して税額の欄では税金が発生しない。ところがもっと下まで行くとSelf employment taxと言うのがあって、税金が発生している。何としてもこれを消したいのだが消すことができない。中身を良くはわからないけど、仕方ないそのまま税金を払ってしまうという方もおられるのではないだろうか。 Self employment taxは日本で言えば社会保険料だ。年金や医療保険のために、所得税とは別に支払っている。アメリカの場合はSocial security taxでTAXとなっている。社会保険料は給料天引きになっていたら特段、動く事はない。しかし、自営の場合は自分でSocial security taxを納付するしかない。 以前の事になるが、日本からアメリカに駐在すると、日本の社会保険料を払い、さらにアメリカのSocial security taxを払うことが行われていた。日本の年金の受給資格を得るためには25年以上支払わなければいけない。ところがアメリカにいる間は、日本の社会保険料を払わない。すると年金を納めた期間が不足して、年金の受給に影響が出てしまう。一方、アメリカで納付した社会保険料も、アメリカの年金受給資格を得ることもなく掛け捨てで終わってしまう。 そこで日米の社会保険協定ができて、不合理な二重払いを解消できるようになった。即ち、年金の受給資格の計算のために両国で働いた期間を相互乗り入れしてカウントできるようになっている。 そこで自営業の場合、どう日米で納付をするか。ごく短期間だけアメリカに行って仕事をするために、日本の社会保険制度から離れてしまうのも現実的ではない。そこで5年基準を設けて、アメリカに行っている期間が2,3年ならそのまま日本の社会保険制度の中にいて、アメリカの社会保険制度に入らなくてもいいとなる。アメリカのSocial security taxを払わないで良くなる。 日本の社会保険制度に入るのか、アメリカの社会保険制度に入るのか、この部分はその方の個人の状況ごとに異なる。しかし、もともと日本人で、ある限られた期間だけアメリカに住んだとなれば、日本の社会保険制度でカバーされるのが自然だろう。結果として所得税がゼロで、Social security taxもゼロで申告するのが適正の方も多い。 市販の税務申告ソフトを使う場合、アメリカに住んでいるアメリカの人を対象に作られている。日本に住んでいる人はそもそも例外となる。 ソフトが自動的に例外を救ってくれるとは限らない。ソフトがそう言うのだから、なぜだかわからないけどそれで良いのだろうと、払わなくても良い税金を払うことになりかねない。

Form 1040のグループにいくつか種類がある。Form 1040-NR, Form 1040-SR, Form 1040A, Form 1040EZ, Form 1040-ES, Form 1040X等がある。めったにお目にかからないのがForm 1040-Cだ。 所得税法のSection6851(d)(1)は次のように言う。 (d)外国人の出国 (1)外国人は、所得税法によって課せられたすべての義務を遵守したという証明書を長官から入手しない限り、米国を出国してはならない。 Form 1040-Cを出国時に提出して、適正に申告を行い、未払いの税金がないので出国していいですよと言う証明をもらう。それからアメリカを出国するという建前だ。但し、除外される人が規定されているので、もともと全員が対象ではない。 実は、この規定は100年以上前の1021年の税法で出現している。100年前と言えば第1次世界大戦が終わって間もない時期で、戦争中に蓄積された多額の債務を返済する必要があった。そうした時期にアメリカの居住外国人が、税金を払わずに出国してしまうのを見過ごすわけにはいかなかったのだろう。 100年前から税法に顔を見せているのだが、日常的にはほとんどお目にかかることがない。アメリカから出国をするタイミングで税金を精算する。あくまで出国のタイミングなので、その年の全期間が確定しているとは言えない。仮締めだから、その後、税金が発生することもあるし、過払いがあれば還付金をもらう。アメリカ出国時に仮精算をしなくとも、通常の確定申告で申告を行えば1回で済んでしまう。 確かに保守的に考えるとこうした出国時の申告フォームの存在の意味はあるだろう。ほとんど行われていないとすれば廃止しても?と思えなくもない。しかしアメリカ市民やグリーンカード所有者が税務上の出国を行う場合は、Form 8854の提出が求められる。外国人にはこうした精算がないのはバランスが悪いというなら、なくするわけにはいかないのかも知れない。

グリーンカードを取得することについて税務上の質問をもらうことは少ない。反対にとても多いのがグリーンカード放棄にかかわる出国税の質問や、税務上の責任を果たしていない事についての相談だ。 若い人よりも年齢が高くなるにつれてグリーンカード放棄の問い合わせが増える。なぜそうなるのか。グリーンカードがいらなくなったということだろう。 アメリカで長いこと暮らして、日本に帰国した場合だ。帰国をするにあたっては、アメリカの生活に区切りをつけて本帰国していることが多い。帰国すれば日本の税務が待っている。それだけでも大変なのに、アメリカの税務申告を継続しなくてはならない。アメリカは市民権、グリーンカードを持っていることで世界中どこにいても毎年、アメリカに税務申告をし続けることになる。さらに様々な情報申告があり、これらを行っていないとペナルティを受ける危険性もある。 グリーンカードが邪魔にならないならばそれで良いのだろう。とりあえず、日本に帰国したとしても、ある年齢に達してからまたもう一度、アメリカに戻ることは容易ではない。それなりの年齢になり、会社の中でもポジションができ、子供の教育も重要になる。年を取る親の今後も考えなければならない。そうした中で、今まで日本で築いていた生活をリセットしてアメリカに飛び込むには相当の覚悟がいるはずだ。 さてグリーンカードを放棄しようとすると出国税の手続きが出てくる。過去15年で8年以上グリーンカードを持っていれば出国税を考えなければならない。こうしたところに常に目配せをしておくことは面倒だし、失念をすることによってペナルティと言われるとストレスにもなる。 もちろんグリーンカードを一般化して良いとか悪いとかは言えない。特に、これからグリーンカードを取得しようとする方は、グリーンカードには税務が付きまとう事を頭に置いておくべきだと思う。

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