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日本人駐在員家庭に起きている静かな変化

2026年01月18日

アメリカで働く日本人が子どもを帯同する場合、かつては子どもが米国市民でなくても、一定の条件を満たせば税務上「扶養する子ども」として扱われ、税額控除を受けられた。代表例が子ども税額控除(Child Tax Credit)で、子ども1人あたり最大2,000ドルという金額は、学費や生活費の負担を考えると決して小さくない。
子どもが米国市民でない場合、社会保障番号(SSN)は発行されない。そこで、親は代わりにITIN(個人納税者番号)を取得していた。このITINの取得は容易ではなく、1年以上かかるケースもあった。それでも、ITINがあれば控除の対象となり、多くの日本人駐在員家庭が恩恵を受けていた。
• 子ども2人の家庭:年間4,000ドルの控除が可能。
• 長期駐在(3〜5年):累積で数万ドルの節税効果。
2025年からの変更点:SSN必須の厳格化
ところが、2025年分の税務申告から、子ども税額控除を受けるためには、子ども本人が有効なSSNを持っていることが必須条件となっている。ITINしか持たない子どもは、制度上「対象外」となり、控除額はゼロになる。
これにより、子ども2人の家庭であれば、年間4,000ドルの控除が一気に消える。駐在期間が3年、5年と続けば、その影響は家計に決して小さくない。
変更の背景:アメリカ税制のシフトと自国民優先の流れ
この背景には、アメリカの税制と社会保障の考え方の変化がある。税金を集める仕組みと、給付や支援を行う仕組みをより明確に分け、「将来もアメリカ社会を支える人」を中心に制度を組み直す流れが強まっている。
この変更は、国籍を問わずSSNを持たない非市民の子ども全体に適用される。税額控除の中でも、生活支援に近いものは「社会保障的な給付」と見なされ、アメリカが自国民を優先する方向にかじを切っている。
現場の違和感
現場で生活する日本人駐在員家庭にとっては、同僚のアメリカ人と同じように税金を払っているのに、なぜ私たちの子どもだけ対象外なのか?という違和感を覚える人も多いだろう。
国境を越えて働く人々が、どこまでその社会の一員として扱われるのか。その境界線が、静かに、しかし確実に引き直されていると言えよう。

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