2025年5月

2025.05.25
所得税

アメリカのMain Homeの譲渡

アメリカのMain Homeを売った時に、条件を満たせば、夫婦合算申告なら50万ドルまでの譲渡益控除を受けられる。 50万ドル控除を取れる要件: ①所有要件:過去5年のうち、少なくとも2年以上その家を所有していた(夫または妻のどちらかが満たせばOK)②居住要件:過去5年のうち、少なくとも2年以上その家に居住していた(売主が満たす必要あり)③申告ステータス:50万ドルの控除を受けるには、夫婦合算で申告する。 アメリカに住んでいた夫婦で、夫が日本に帰国し、妻がアメリカに残る。妻もその後、日本に帰国する際に不動産を譲渡するケースがある。 夫婦で同じ屋根の下に住んでいるので、アメリカに住んでいた時の家がMain Homeというのは迷わないだろう。片方の配偶者が日本に帰国してしまったら、さてどっちがMain Homeなのかと考えてしまう。 家族として考えたら夫の仕事や経済的な結びつきやら、もともと日本に生まれているので日本こそMain Homeと考えるかもしれない。しかし、アメリカに残っている妻が経済的に家庭を支え、子供の学校もアメリカとなればアメリカがMain Homeと考えるのが自然かもしれない。 実は所帯に1つのMain Homeと考える事はない。夫婦それぞれが異なるMain Homeを持つことができる。ただし、一人につき1つのMain Homeしか持つことができない。 夫が帰国後、日本で新しいMain Homeを持つと、アメリカの家は夫にとってSecond Homeと見なされる。一方で 妻はそのままアメリカに住んでいるので、引き続きMain Homeとして扱える。 この場合でも夫が所有要件、居住条件を満たすことができれば、たとえ日本にMain Homeを持っていたとしても、夫は居住要件を満たす可能性が残る。ただし、これは時間の経過とともに要件を満たさなくなるため、タイミングが重要と言える。

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2025.05.18
情報申告

FBARとFATCAの報告を一緒にできないのか

FBARとFATCA(Form 8938)の海外金融口座に関する報告内容は極めて近似している。FBARは1970年のBank Secrecy Actに基づき始まり、40年を経て2010年にForeign Account Tax Compliance ActでFATCAが導入されている。それぞれ、仕組みが生まれた背景や目的が異なるものの、個人として報告する内容はほとんど共通している。 (共通する情報)• 口座保有者の情報• 金融機関の情報• 口座番号や類似の識別情報• 最大残高の報告 報告対象の金額が異なっており、FBARは年間のいずれかの時点で海外口座の合計が$10,000を超える場合だ。一方、FATCAは$50,000以上(年末)または$75,000以上(年間いずれかの時点)で海外居住者の場合はより高く$200,000(年末)と$300,000(年間いずれかの時点)となっている。 報告内容が同じなら、なぜ一本化できないのかと思うのが自然な気持ちだろう。 FBARは資金洗浄防止、Form 8938は税務コンプライアンスという異なる目的を持つ。それぞれの異なる法律に基づいて異なる情報が必要となる。FBARはFinCEN、Form 8938はIRSと、報告先が異なる。これらの機関はそれぞれ異なる目的で情報を利用する。 FBARとForm 8938は、報告義務の根拠となる法律、報告対象、報告要件などが異なるため、情報共有の仕組みの構築が容易ではなく一本化が難しいのだろう。 提出期限で言えば、Form 8938はForm 1040の付属フォームとして申告期限までに申告を行う。FBARが昔は6月30日が報告期限だった。これを申告書の提出期限と同期させることになったので、現在は、提出期限がFBARもFATCAも同じとなっている。少なくてもこれが一体化として進んだと言えなくはない。 日本からの報告は、今年は6月16日なのであと1か月時間がある。それまで報告ができない場合、Form 8938はForm 4868で10月15日までの延長申請を行う。しかし、FBARは延長申請がなく10月15日まで自動延長となっている。

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2025.05.11
その他

割り切れない

米国の市民権やグリーンカードを放棄する際、出国税(Form 8854)の対象となる可能性がある。この制度では、出国時に株式等の保有資産の「未実現利益(含み益)」を強制的に実現させ、米国で課税する。通常、課税は資産売却時に発生するが、出国税では未売却の資産も売却済みとみなす独特のルールが適用される。これにより、実際の現金収入がない幽霊利益に対しても課税が行われる。 出国時には資産の「含み益」を強制的に実現させ、アメリカで課税を行う。この含み益が実現するのは、本来は実際に資産を売却した場合だ。売却した場合には、売却代金が手元に入り、そこから税金を支払うことになる。 しかし、出国税では実際の売却は行わない。売却したとみなされ、いわゆる幽霊利益に対して課税が行われる。たとえば、株を50万ドルで購入し、市民権やグリーンカードを放棄する時にその株の価値が100万ドルだとした場合、この含み益50万ドルが実現したものとして課税される。手元に納税資金がなければ、借入をして税金を支払う必要がある。 さて、資産を5年後や10年後に実際に売却したとする。その時、日本に居住して日本の税金の対象となる。この資産の取得原価は100万ドルに引き上げられ、そのときの売却価格が30万ドルだとすると、譲渡損70万ドルが発生する。 ここで問題となるのは、アメリカで出国税が課された未実現利益と、日本で実際に発生した譲渡損失との関係だ。日米の税制を単純に合算すると、実際には70万ドルの損失が出ているにもかかわらず、アメリカでは先行して50万ドルの未実現利益に対して課税が完結しているという状況になる。 アメリカ政府の観点から見ると、市民権またはグリーンカードを放棄した人が未実現利益を抱えたまま出国すると、将来的にその資産を売却した際に得られる譲渡益に対する課税が困難になる。アメリカ非居住者の株式譲渡益は、原則としてアメリカの課税対象とならないためだ。 アメリカの市民権またはグリーンカードを保持している場合、資産の譲渡によって実現する利益には課税され、その税収はアメリカの社会インフラを支える財源となる。しかし、市民権またはグリーンカードを放棄した人は、アメリカの社会インフラを享受して財産を増やしたにもかかわらず、その果実の課税を受けないまま国外に持ち出すことになる。 結局のところ、国としての割り切れなさと個人としての割り切れなさが残る。アメリカが選択した結果は、国としての割り切れなさを優先したものといえるだろう。

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2025.05.04
遺産税・贈与税

Form 3520

アメリカの贈与や相続では課税主体が贈与者、被相続人となる。これに対して、日本は贈与税や相続税の課税を受ける人は受贈者、相続人となる。 仮に相続が発生し被相続遺族人から相続人に1000万円が渡されたとする。アメリカの税制では亡くなった人が課税対象となり、日本では相続をした人が課税を受ける。 つまり、アメリカでは相続や贈与で財産をもらった人は、課税の対象ではないので相続税や贈与税を原則として支払うことはない。これでお終いとなれば簡単だが必ずしもそうならないことがある。 Form 3520という書類がある。非居住者から相続や贈与で1年間に10万ドル以上の財産を受け取った場合に、その事実の報告をしなくてはならない。ごく簡単な報告だ。 ではなぜこの報告を求められるのか。 IRSはアメリカの市民権やグリーンカードを捨てた人のうち、特にアメリカの税金をたくさん払っていたり、財産を持っていたりする人が市民権やグリーンカードを捨てることで、税金を逃れるのを防ぎたいと考える。 市民権やグリーンカードを捨てた人に対しては、税金をかけることが難しくなる。しかし、お金や財産を受け取ったアメリカ市民やグリーンカード保持者に対しては、まだ税金をかけることができる。そこで、Transfer Taxという仕組みを使って、アメリカからお金が逃げるのを防ごうとする。 Transfer Taxは、市民権やグリーンカードを捨てた人が、アメリカ市民やグリーンカード保持者にお金や遺産を渡したりした時に、そのお金や遺産を受け取った人が払う税金だ。 つまりForm 3520の報告を通じて、IRSは市民権やグリーンカードを放棄した人からの贈与や相続を把握し、Transfer Taxの対象となるかどうかを判断する。 その意味で、アメリカでは相続や贈与で財産をもらった人は、課税の対象ではないので相続税や贈与税を支払うことはないとは簡単に言えなくなる。税金を払う人は財産をもらった人となってしまうことがある。

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