2023.02.26
所得税
一人口は食えなくとも
結婚することにより二人の人間が運命共同体として、あたかも一つのユニットとして生きていく。こうなると、夫婦としてそれぞれが所得を得ていたとしても、右のポケットにお金を入れても、左のポケットに入れても一つのユニットとしては変わりがない。
そこでアメリカの税法には、日本にない夫婦合算というファイリングステータスがある。申告を行う時になれば、二人で一つの申告書を作成すれば良い。なにも時間をかけて申告書をそれぞれの人間が提出する事もない。
昔から一人口は食えなくても、二人口は食えると言うわけではないが、標準控除をフルに二人分使えて税額控除を取る幅も広がる。
一方の配偶者に所得がないとか少ない場合で考えると、所得の少ない配偶者は申告も要さず、税額も発生しない。2022年分で言えば個人としての標準控除$12,950を捨ててしまっている。
ところが、夫婦合算での申告をすれば、二人の所得は合計で不変でも、標準控除が2倍となり、使える控除は$25,900となる。もしも、限界税率37%のケースなら$12,950の37%で$4,792($1=130円なら約60万円)税金が少なくなる。結婚がボーナスを与えてくれる。
片方の配偶者が単身赴任をしていて、例えば日本とアメリカにいるとしても夫婦の合算申告は可能だ。
ではファイリングステータスを後から変更して修正申告を提出できるだろうか。ありがたいことに過去3年以内の申告書ならば還付が可能だ。
申告書を提出する事は、納付するべき税金を支払う責務を持つことになる。夫婦であれば、一方の配偶者に、もしも仮に税金を支払う力なない場合は、もう一人の配偶者が支払うことを約している。これはIRSにとっては間口が広がる。
しかしながら夫婦合算で申告していたものを、夫婦個別の申告に修正することは認められない。夫婦個別にすることはその税金の支払いから除外することになりかねない。それは容易には認めますとは言えない。