Home > Blog

Blog

2024.01.21
所得税

初めてアメリカに申告をする

初めてアメリカの申告をされる方もいるので、とても大事な居住者、非居住者を考える。 日本に住んでいる人からすれば、日本に住んでいるのだから日本の居住者と言うのは当たり前だ。アメリカの税務では日本に住んでいても、アメリカの居住者と言うこともあり得る。 日本に住んでいるのだから、同時にアメリカの国土に足を載せて生活ができるわけがない。これは居住地課税の考え方だ。 この考えから外れているのがアメリカの税務の考え方で、どこに住んでいるかより、その人がアメリカ市民ならアメリカ居住者とする。つまりアメリカ市民権(グリーンカードも含む)を持っている人がアメリカ居住者だ。市民権課税がアメリカの考え方だ。さらにアメリカにはアメリカ市民以外の方も大勢住んでいる。その居住期間の長さによりアメリカの居住者となってしまう。 アメリカ市民は世界中どこに住んでいてもアメリカ居住者だ。日本に住んでいれば、当然ながら日本の居住者であり、アメリカの居住者で二カ国の居住者となってしまう。 日本もアメリカも居住者であれば、その人の世界中の所得を自国の税務申告で報告させて課税の対象とする。 日本に申告したからアメリカに申告する必要はないでしょうとはならない。アメリカに申告すべきなのに申告していなければ無申告者で、とても具合の悪いことになってしまう。そうすると、二カ国に申告をする事になってしまう。そこで二カ国の課税を調整して、二重課税ができるだけ発生しないように機能させている。 居住者の反対概念が非居住者だ。非居住者は、全世界の所得に課税を受けるのではなく、アメリカで発生した所得だけがアメリカの申告対象となる。 これは国のレベルで言っているが、アメリカの州税でも大体同じような考え方になる。

Read More
2024.01.14
所得税

大谷翔平の史上最高額となる7億ドルの契約

伝えられるところでは、大谷選手の契約は、向こう10年間は年額200万ドル報酬だ。10年で2,000万ドル、その先の2034年から10年間で6億8000万ドルを支払われるという。金額的には2.85%分を10年でもらい、97.15%を10年過ぎてからもらう契約だ。 毎年の給料が2.9億円(為替レートは$1=145円)×10年で29億円、退職金が986億円(同じレート)の合計1015億円だ。 税金は連邦税の最高税率37%、カリフォルニア州の14.4%を合わせると、約半分が税金となる。 繰延部分の所得税は、一般的にはその繰延支払いを受け取ったときに支払う。分割払いで繰延報酬を受け取ると、年額は少なくなるので、多額の一括払いよりも低い税率で課税され税金が少なくなる。とはいえ大谷選手レベルでは影響ないだろう。 また10年経過して退職金として繰延支払いを受ける場合、所得を得た州ではなく、居住する州で課税される(連邦法4 U.S. Code § 114 - Limitation on State income taxation of certain pension income) いかなる州も非居住者の退職所得には課税をしてはいけないと規定しているからだ。 州税のない州に移れば州の所得税を払わなくてもよい。つまり退職金が入る前にフロリダ州、ワシントン州、ネバダ州など、州の所得税がない州に引っ越すと、カリフォルニア州税を払わなくても良いということになりかねない。 カリフォルニア州から見れば10年で2.85%を受け取り、97.15%が繰延という契約は、州内でのサービスに対する彼の報酬を公正に反映していないと言うだろう。 カリフォルニア州はこれを看過できないとなれば、上記の連邦法の変更も必要になってくる。 現時点で考えると、向こう10年で税法の改正がなければ、大谷選手が退職金(繰り延べ分)をもらう前にカリフォルニア州を出てしまえば、カリフォルニア州は課税できなくなるという事だろう。 さて、大谷選手が10年後、日本に帰国したらどうなるのか。繰り延べた分を年金としてもらうなら、日米租税条約でアメリカの課税ではなく日本の課税になってしまう可能性がある。 個人のケースで連邦法を変える、ましてや租税条約まで変えるとは思えないが、大谷選手がアメリカの税法すら変えかねない桁外れな選手と言う事だ。

Read More
2024.01.07
所得税

今年の申告の時間的枠組み

アメリカの個人所得税を申告するために、まずは2024年申告シーズンの大きな時間的な枠組みをおさえておきたい。 いつから申告ができるのか: 2024年の納税申告シーズンは、例年、1月末からスタートする。正確にいつになるかは今日現在、発表されていない。 いつまでに申告するのか: 2023 課税年度の個人所得税申告書は、2024 年 4 月 15 日までに提出する。納税者はフォーム 1040 (高齢者の場合はフォーム 1040-SR) を提出し、この日までに支払うべき税金を支払う。 納税日は通常 4 月 15 日で、その日が土曜日、日曜日、または休日に当たる場合、納税期限は次の平日に延びる。2024 年では、4 月 15 日は月曜日になるため、その日が納税期限となる。州税は概ね連邦税に準ずるが、個々の州の期限があるので確認を要する。 日本から申告をする場合: 日本からアメリカの申告を行う場合、日本の税金とアメリカの税金の二つの申告となる。この場合、日本で支払った税金をアメリカの税金から控除する形が多い。と言うことは日本の税金が確定していないといけない。日本の確定申告は3月15日期限なので、日本の申告が終わってから申告を行う。 アメリカの申告期限は4月15日だと時間が無くて大変だということになるかも知れない。そこで日本(海外)から申告を行う場合は、2か月の自動延長がある。そのため、6月17日が日本から申告する場合の期限となる。 税金が発生する場合は、納付は4月15日なので、この日は延ばしてもらえない。4月15日以降は延滞金が発生する。 申告期限の延長 申告の期限に間に合わない場合は、10月15日まで申告期限を延長できる。この場合は、当初の申告期限までに申告を延長する手続きを行うことになる。 まずは申告のためにデータを早めに整理すべきだ。

Read More
2023.12.31
その他

12 月 31 日

12月31日はアメリカの税務ではとても意味のある日だ。 婚姻: 結婚しているのか、独身なのかという婚姻のステータスは 12 月 31 日を基準として判断する。2023年12月31日に結婚している場合は、2023年1月1日から12月31日までフルに 1 年間は結婚しているとみなす。夫婦合算で申告するか、夫婦個別の申告を選ぶことができる。 誕生:赤ちゃんが誕生した場合は、1月1日から誕生したものとして扱うことができる。赤ちゃんが 12 月 31 日に生まれたとしても、社会保障番号があれば、その子をフルに1年間扶養家族として申請できる。 死亡:亡くなった方は、12月31日まで生存していたものとして扱うことができる。そのため、通年、夫婦合算の申告が可能となる。 情報申告のFBAR:外国通貨をドルに換算する。この換算レートは12月31日のレートを用いる。FBARでは最高残高を申告する。本来、日本円での最高値と為替レートの相関でドル最高値となる。すると為替レートにより、必ずしも日本円の最高値がドルでの最高値とはならない。これを計算するためには日々の為替レートもチェックしなければならず大変手間がかかる。ところが、FBARで用いられる為替レートは12月31日のレートに固定されているので、日本円の最高値をそのまま使える。 グリーンカードの放棄:Form I-407を2023年12月31日までに郵送した場合は、2023年にグリーンカードを放棄したことになる。発信主義で提出した書類がアメリカに到着を要するものではない。 Form W-8 BEN:租税条約の低減税率適用のために必要な書類だ。この書類は有効期限があり3年で失効する。この3年のカウントは12月31日で1年が経過したものとされる。即ち2023年12月25日に提出した場合、実質的に7日しかなくても1年が経過したものとされる。 皆様には、2024年も従来にも増して、より一層よい年であることを願っています。

Read More
2023.12.24
所得税

年末の小切手

早いもので2023年もあとわずかで、来月の末には2023年分の申告が始まる。申告を行う基礎データとしてW-2 フォームを使用し、ロイヤルティ、利子、配当などの収入の報告にはさまざまな 1099 フォームを使用する。これはわかりやすい。 しかし、年末ゆえに所得にしろ、費用にしろ2023年分なのか、2024年分なのか判然としないものもあり得る。その一つの例がみなし受領で、現金を伴わなくても報告が義務付けられる場合もある。 現金主義で申告を行っている場合、次のようなケースでは12月分の所得か1月分の所得か迷うかも知れない。 個人事業主は12月20日に仕事が完了し、発注元に30日以内支払い期限を付けた請求書を送る。発注元は12月29日に小切手を個人事業主に郵送する。個人事業主には1月に入って小切手が届く。 この状況では個人事業主は郵送をコントロールできないので、小切手を受け取った1月に所得を認識する。 仮に請求書に記載した住所が旧住所だったり、間違った地番だったことにより、小切手の受領が1月だったとする。この場合は、12月の所得として認識をするように言われても仕方ないかもしれない。 同じケースで小切手が12月31日まで家には届いていたものの、年末年始は日本に戻っており、1月にアメリカに戻ってから実際に小切手を手にする。この場合は、自分の都合で12月に小切手を手にしなかったわけで、12月に所得を認識せざるを得ない。 実際の小切手の受け取りではなく、資金の利用可能性と管理の点から所得を認識することになる。 蛇足ながら、コロナウイルス給付金の小切手を2023年に還付金としてもらっても、そもそも課税対象ではないのでアメリカの所得にあげることはない。

Read More
2023.12.17
所得税

もったいない

日本に住んでいるので、アメリカのコロナウイルスの給付金とは無関係と思う方が多い。確かにそう思うのは無理からぬことがある。日本の税金は日本に居住している人が支払う(属地的)。だから、アメリカの税金の外にいるし、ましてや給付金をもらえるとは思いもよらない。 アメリカの仕組みではアメリカ市民、グリーンカードなどの個人の属性(属人的)によりアメリカ居住者となり、アメリカの税金との接点が出る。そうなると、属人的にアメリカの居住者となる人は、世界中どこに住んでいてもアメリカに申告をする事になる。逆に言えば税金の還付は世界中どこにいてももらえる。現時点では、コロナウイルスの給付金は税金の還付金としてもらえる。 コロナウイルスの給付金は、2020年に$1,200+$600=$1,800、2021年に$1,400あり2年合計で$3,200/人だ。所得の大きさで必ずしも満額もらえないことはあるが、$1=140円で換算すると約45万円/人となる。 申告を行うべき所得に達していないので、2020年、2021年の申告書を提出していないケースがある。この場合は、仮に所得が無かったとしても申告書を提出する。税金がゼロで納税していなくても、コロナウイルスの給付金だけは還付金として支払ってくれる。 そこで問題になるのは還付の期限があることだ。3年ルールと言われるもので、もともとの申告期限から3年以内に確定申告を行う必要がある。 2020年分で言えば2021年5月17日(この年は特別に1か月遅れ)が申告期限で、ここを起点にして3年、2024年5月17日を超えると2020年分の還付は行われない。2021年分はさらに1年先なのでまだ時間はある。 対象になる人は、年末年始、あるいは年が明けてから過去の申告を行い、コロナウイルスの給付金を還付申請したらどうだろう。 アメリカのコロナウイルスの給付金をもらえるのに、流してしまうのはもったいない。

Read More
2023.12.10
所得税

二重認証が有効です

1年間に個人の所得税申告書はどのくらい提出されるのだろう。2023年10月28日にデータをIRSは報告している。IRSのデータによると10月27日までにIRSは1億6,050万件の申告書を受け取り、1億500万件近くの還付に応じた。還付金額は3,190億ドルを超えた。1件あたり平均の還付額は3,054ドルで、$1=150円なら45万円程度と言うことになる。 アメリカのコロナウイルスの支給金をもらい損ねた人は、申告書を提出して最大で$3,200の還付を受けている。 コロナウイルスの支給があった年には残念なことに詐欺が多かった。申告書を提出しようとすると、既に申告書が提出されてしまっており自分の申告書を提出できない。還付金をもらうことができないと言うばかりではなく、税金の支払いだけが自分の所に来たら大変な話だ。 申告書の詐欺に巻き込まれないようにするには、社会保障番号 (SSN) または個人納税者番号 (ITIN)を安易に開示しないことだ。しかし開示せざるを得ないこともある。 この場合は、IRSの保護個人識別番号 (IP PIN) を取得することも有効だ。社会保障番号 (SSN) または個人納税者番号 (ITIN)に加えて、IP PINを使い二重認証とする。2021年から始まった仕組みだが、この番号は本人とIRSしか知らない。このIP PINは1年間有効で次の申告シーズンでは別途更新しなくてはならない。現時点ではIRSのソフト切り替え時期で11月と12月は申し込みができないが、1月中旬には申込ができる。 Get An Identity Protection PIN (IP PIN) 税金関連の個人情報盗難から身を守るために IP PIN を検討してはどうだろう。

Read More
2023.12.03
所得税

Form 1040の電話番号・電子メールアドレス

Form 1040には電話番号とメールアドレスを入力する場所がある。下図の一番下だ。ここは入れても入れなくても、申告書の処理に影響を及ぼすことはない。 IRSが連絡を取る必要がある場合は、米国郵政公社の普通郵便を使う。 IRSから電話や電子メールで突然、お金や個人情報を要求されたら、すぐに頭の中で警戒アラームが鳴るはずだ。しかし、アメリカの申告に慣れていなかったり、日本にいて外国語のメールをもらうと判断が難しいことがあるかも知れない。 原則:IRS を名乗って電話や電子メール個人に連絡し、個人情報やお金を要求する場合は詐欺だと思って良い。 IRSは決して次のことをしない。① 電子メール、テキストメッセージ、またはソーシャルメディアで納税者と連絡を開始し、個人情報または財務情報を要求する。② 納税者に訴訟や逮捕の脅迫電話をかける。③ 電話、電子メール、またはテキストメッセージで、納税者の社会保障番号やID PIN を要求する。 Form 1040でなぜこの欄を設けるのかには理由がある。IRSが税務調査、徴税、犯罪捜査など特定のケースで個人に連絡する場合だ。申告をきちんと適正に行っている人には縁がない。その目的だとしても最初は必ず手紙での連絡となる。 Form 1040を記入しなければならないという場合、とにかく律義に丁寧に記入しようとする。もちろんそれが当たり前で、それにより被害を受けないことが理想だ。現実的にはきれいごとだけではない。 この欄を記入するかどうかは自由で、必ず記入しなければならないことはない。大事な個人情報で、これを盗み取られて詐欺に巻き込まれることを未然に防ぎたい。この記入が強制とならない限りは、元から記入しない事が安全だろう。

Read More
2023.11.26
所得税

痛い延滞税

2022年分の申告を延長申請せずに、延長申請の申告期限の10月17日に申告をして、$400($1=150円で6万円)の税金を納付したとする。ペナルティ・金利は含んでいないので、IRSから後日、ペナルティ・金利の請求があるのは織り込み済みだ。 ペナルティには次の2つがある。① Failure to file penalty (申告遅れ)月当たり残高の5%② Failure to pay penalty (納付遅れ)月当たり残高の0.5% さらに金利は現状で年7%だ。ならば概算で①は$20/月+②は$2/月+金利$2/月=$24の6か月で$144(同レートで2.2万円)と見る。ぺナルティ・金利は2万円ぐらいのものか、まあしかたないなぁ思う。 IRSからペナルティ・金利の請求が来てびっくりする。Original tax amount owed: $400Late filing penalty: $400Late payment penalty: $12Interest: $23.87 納付する元本の$400の2倍以上の合計$835.87の納付となる。 ペナルティだけで$435.87(同レートで6.5万円)だ。元本の6万円を越えてしまっている。仮に元本が100万円なら半年でペナルティがさらに100万円以上払うのか?あり得ない話で、間違いじゃないのかと思ってしまうだろう。 実はこの①Failure to file penaltyには次の条件がついている。60 日を超えて申告が遅れた場合、未払いの税金の 100%または$435(定数)のいずれか少ない方となる。$400前後の元本だと、ペナルティがその倍で2倍税金を払うことになってしまう。 延長申請さえ出していれば、支払い遅れ$12+金利$11.94=$23.94(同レートで3,600円)で終わっている。延長申請を出す・出さないで6万円の差は大きい。ペナルティの詳細はこちらを参照ください。

Read More

カレンダー

2024年3月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

Tsuchida & Associates

〒103-0016
東京都中央区日本橋小網町4-8-403
Phone:03-6231-0301


相続税:資産家のための相続税相談申告センター
日本の税務:星泰光・杉沢史郎税理士事務所

アクセス

水天宮前駅 東京メトロ半蔵門線
6番口 4分
茅場町駅 東京メトロ 東西線
A4出口 徒歩5分
人形町駅 東京メトロ 日比谷線 / 都営浅草線
A2出口 7分
Copyright © Tsuchida & Associates All Rights Reserved.
ページTOP