Home > Blog

Blog

2016.10.27
遺産税・贈与税

遺言を作る能力

財産の分配は遺言でわかる。しかしながら、その遺言がしっかりした精神状態の下で作られたものでない限り、その遺言は有効でないこともありえる。遺言を作る能力があったのかどうかということが、問題になることがある。アルツハイマーにより、遺言が無効となった裁判事例である。 1968年に"R" と"M"は会った。彼らは結婚をしなかったけれども、RとMはこの14年間はRの家に一緒に住んでいた。1996年になり、Rは自分が死んだらその家をMに残すと言う遺言を作成した。1999年になるとRにはアルツハイマーが出てきた。 2002年5月に、Rの娘は父親であるRを弁護士の事務所に連れて行き、そこでRは自分の家を娘に残すと遺言を変更した。彼が遺言を作成する能力があるかどうか、その時点では精神医学的な評価が行われることはなかった。 MはRが2002年には行為能力はなかったと主張し、遺言の変更は無効であると裁判所に訴えた。一方、娘はRが家族と暮らすため、家にいることを意識的に決定し、自分の2人の娘に家を残す遺言を作ったと主張した。 公判前の段階で2002年までに、Rは食事を準備したり、電話を使ったり、運転することができなかったことが分かった。さらに、彼は年月日もわからず、自分の両親が死んでいたことや自分が引退したのを思い出すことができなかった。彼は失禁状態で、たびたび真夜中に徘徊をしていた。彼は物事を記憶することができなかった。さらに、一人ではシャワーも使うことができず、薬を飲むことや、おむつを替えることもできなかった。彼は、地階にトラが住んでいると幻覚さえ持っていた。 一部のアルツハイマーの痴呆患者が、何年も較的安定していて、おかしくならないことがある一方で、時間の経過とともに、徐々により認知ができなくなることもある。初めは物忘れをするが、時間がたつと、ほとんどすべての面で脳全体に影響を受ける。Rの場合、アルツハイマー病で自分自身のことができず、意思決定を行うことができないことは明らかだった。 Rは、裁判の前に亡くなった。裁判で、Rの娘は、父親が自由意志で遺言を変えたと主張した。しかし、反対尋問中で、Rには行為能力がないことが明らかになる。娘は、彼女の父がテレビと現実が区別できないと認めた。彼女の父が遺言を作った時点では、父親がシャワーを浴びることや、服を着て、薬を飲むことや自分で眠ることもできなかったとさらに認めた。家を譲渡する能力がないのは明らかだった。こうして娘は金銭的な和解に同意している。

Read More
2016.10.27
遺産税・贈与税

すべての財産を愛する妻に

自分が死んだときに自分のすべての財産を愛する妻に残してあげたいと遺言に記載する。きわめてシンプルで美しい話だが、これが本当に額面通りになるのだろうか。 最近はアメリカにおいてはニューヨーク州のように同性婚が認められているところがある。しかし、大多数の州では結婚は異なる性の人間の間で成立する。すべての財産や当事者がニューヨーク州にいて完結すれば問題はないのかもしれない。 そうしたカップルの財産が例えばテキサス州に不動産があったとする。この場合は、テキサス州法により財産が相続される。すると、妻と言うのも規定できるのかわからない。 妻と言うので婚姻が成立していることが最低条件になる。例えば日本人がアメリカ人と結婚している場合だ。アメリカ人の夫に対して日本人の妻で日本に住んでいる。日本の市役所や区役所に婚姻届を出していれば、日本では間違いなく夫婦だ。 でも、アメリカから見た時に日本法で結婚した人を配偶者として認めるのだろうか。これは日本法で結婚していても、夫婦として認めてもらえる。外国法であってもアメリカでは有効とみなしてくれる。 外国法でも良いとするならば、ならば一夫多妻を認める国の法律で結婚しているケースはどうなるのだろう。妻が複数いるようなところではどうするのか。そうした婚姻形態をそもそも認めるのかどうかもわからない。 日本人はほとんどの場合、そうした状況にはならないだろうとは思う。しかし、結婚と離婚が絡む場合はどうなるのだろうか。例えば、日米のカップルがアメリカで出会い、アメリカで結婚する。その後、日本に戻るが、そのカップルが日本で離婚をしたとする。 さらに、そのアメリカ人が別の日本人と再婚するとする。こうした場合、そのアメリカ人がアメリカに不動産を持っていて、妻に不動産を残すと言う場合、前妻が妻なのか後妻が妻なのか。アメリカの結婚証明書は前妻のものであっても、アメリカの記録はそれしか残っていない。アメリカ法で結婚したものがアメリカ法で解消されていない限り結婚の効力は継続しているとされるのだろうか。 そうなると愛する妻と言う表現はあいまいになるので、固有名詞を入れると言うことだろうか。遺言も自分の身辺が変化したら書き直さなければおかしな結果になろう。

Read More
2016.10.27
遺産税・贈与税

タブレットの遺言

遺言が紙ではなく、電子情報であっても、紙に書かれた遺言と同じように有効だという判断がオハイオ州の検認裁判所で出されている。 事の発端は、病気のために入院していた人が何とか遺言を書こうとしたが、すぐ身の回りに紙を鉛筆がなかった。そこで、彼は弟の持っていたタブレットで遺言を書いたのだという。彼は遺言をスタイラスペンでサインし、その弟二人も同じように証人としてサインをした。 その後、遺言はタブレットに保存され、その死後、遺言はプリントアウトされる。そしてその遺言はオハイオ州検認裁判所に持ち込まれた。タブレットコンピュータで書かれ署名された遺言はオハイオ州の検認裁判官は合法とした。 これが有効な遺言とされたので、遺言に従い故人の財産は相続される。しかしながら、その遺言が認められない場合、遺言がないことになる。その結果、同州の無遺言相続の規定により両親が財産を相続する。大きな違いがある。 もともと両親は子供の遺産を受け取る意思はなく、故人の遺志を尊重したいという意向だったという。それがこうした判断に影響したのかもしれない。 しかし、電子情報であれば、容易に内容が書き換えられそうで怖い。技術的にはそうした可能性が完全にブロックされているのだろうか。このタブレット遺言が即ち、他の州においても認められるのかどうかは別の話だ。州によってはこうした遺言を認められないことも十分に考えるべきだろう。まして国が違えば容易ではないだろう。 世の中の動きが早く、法律がそれに追いついていない。

Read More
2016.10.27
所得税

サイン

せっかく苦労して申告書を作成しても、サインのない申告書は受け付けてもらえない。サインはローマ字でも、漢字で書いてもどちらでもよい。サインしている書類を添付している場合、ある書類はローマ字で、ある書類は漢字ということがあるかもしれない。本当に本人なのかと余計な証明をしなくてはならないことになると面倒なので、統一していた方がリスクは少ない。 サインをしたくてもサインができないことがある。もっとも極端な場合、配偶者が亡くなってしまっている場合だ。夫婦合算申告で申告をした方が、税額が少なくなることが多い。この場合、亡くなった配偶者が2016年に数日でも(1日でも)生きていたならば、あたかも12月31日まで生存していたように夫婦合算申告ができる。個人のサイン欄に自分でサインをして"Filing as surviving spouse"とか追記する。 家族、兄弟、後見人、裁判所の任命した人とかの代理人が申告書を作り、本人になり替わり委任された人がサインすることもできる。ステートメントを添付し、提出される申告書・年度・本人がサインできない理由・代理人がその処置に同意していることなどを書く。 税金の申告書を作ってサインをすると、書いてある内容に責任を持ち、納税するべき税金がある場合、それをきちんと払いますと約束を行うことになる。重い意味を持つ。 日本で実印を押してくださいといわれると、それは緊張感を持つはずだ。しかしサインの場合は、そこまで緊張感を持ってサインをしているだろうか。税金の申告は日本語であっても簡単に理解できないこともある。それを英語で申告を行うものゆえに決してわかりやすいものでない。内容を理解してサインする。なかなか大変なことだが努力するべきである。 申告書にサインしている以上、自分はよく知らないので税金を払いませんとは言えない。IRSにしてみれば夫婦のいずれからか税金を払ってもらえば良い。

Read More
2016.10.27
所得税

申告データの保存

申告が終わると申告書作成に用いたデータや資料類を整理して保存しておきたい。申告書を作成した時には、どうしてこの数字になったのかということを覚えていても、あっという間に記憶が薄れていく。半年もすぎると、あれ、どうしてこの数字だったのかとほとんど理由がわからなくなってしまうことがある。 IRSは過去3年についていつでも税務調査をできることになっている。そのため、申告書やそのデータは、一般的に申告書が提出されてから少なくとも3年間保存する。申告書が調査されて、所得が25パーセント以上過少だと、調査をされる期間は6年まで伸びるので、最低6年間、記録を残すことになる。 故意に申告を怠ったり、詐欺まがいの申告をすれば、犯罪を構成するようになり、いつまででも調査対象になってしまう。申告書作成に関連した記録は持っていなければ証明ができなくなる。 申告データ保存の目安は次のようになる。 申告記録の保存期限          条 件             保存期間   1 通常の場合で下記2,3,4に該当しない場合   3年 2 所得を25%以上過少申告した場合         6年 3 詐欺の申告をした場合              無期限 4 申告をしない場合                無期限 5 申告書を提出した後で控除や還付申請をする    3年もしくは税金が払われてから2年 6 無価値になった有価証券の損失を計上する     7年 不動産などの場合は、将来譲渡した時に譲渡益の計算をするので、不動産を所有している限り、契約書や支払い記録等を取っておく。 出生証明、社会保障番号、グリーンカード、結婚証明、離婚協議書、遺言などを捨てる人はいまい。株式や不動産、美術品などの関係書類も少なくともそれらを所有している間は捨てる人はいないだろう。

Read More
2016.10.27
遺産税・贈与税

詐欺には注意!

いきなり海外から英語でメールが入ってきて、“あなたには10億円相当の遺産が残されました。この遺産は銀行に凍結されています。この遺産を受け取るには預金の凍結を解除するために24時間以内に指定する銀行に500万円なり1,000万円を振り込んでください”と言われたらどうするか。 多分、本当かな?そんなことがあるのかと思うだろう。できすぎておかしな話だと心の中でアラームが鳴るはずだ。しかし、いままで生きてきてやっとこんな良いことに遭遇したのだから、10億円をもらって働くこともやめてハワイでゆっくり一生を過ごすかと考える人もいるかもしれない。 さりとて24時間以内に500万円や1,000万円の現金を用意できて、顔の見えない相手に送金できる人がいるのだろうか。 一呼吸も二呼吸もおいて、冷静に考えてほしい。こうした案件をメールで流すことはありえない。 遺言が残されているならば裁判所での手続きになる。管轄されている裁判所に確認したらよい。死亡の事実も確認するべきだ。 そもそも、自分が相続人であることを海外にいる人がどうして確定できるのか。少なくとも戸籍謄本をすでに海外に送って祖父母や親兄弟が存命かとか確定しているのだろうか。相続できる人全員に通知がなされていなければおかしい。他の相続人に通知はなく自分だけにひっそりとというのはありえない。 相続するために高額なお金を払うこともない。24時間、3日以内とかに500万円、1,000万円を送れというのは、相続という餌をばらまいて、金をだまし取ろうとしているだけだ。 おそらく、ほとんどの人はブレーキが働いて、詐欺にはひっかからないはずだ。もしも、本気になりかけたら、冷静に親兄弟や信頼できるに話してほしい。 海外の裁判所や死亡診断書を出した病院に確認を取りたいが、どうして良いかわからないとかという場合は相談ください。

Read More
2016.10.27
所得税

アメリカに申告するの?

毎年のようにこの質問をされる。多くの場合、税金はきちんと日本に払っているから、それでいいんでしょうと言われる。その気持ちは理解するにしても、それは正しいとは言えない。 日本に住み、日本の会社に勤めている人が給料から日本の税金を納めている。それでおしまいだ。アメリカに接点の無い人にはそれで合っている。 住んでいる国で働き、住んでいる国に税金を支払っている。その住んでいる国で完結している。別の国に税金を払うということは考えない。世界中の国々の多くは、税金をその国に住んでいる人を対象に課税する。これは属地課税で我々の感覚と違和感がない。 しかし、アメリカの考え方はもっと基本的な国籍、市民権、グリーンカードと言った要素で課税関係を考える。住んでいる国はとりあえず無関係で、アメリカの市民、グリーンカードを持っていればアメリカに税金を払いなさいと言う考え方だ。属人課税である。 この考えでは、アメリカ市民が日本に住んでいても、世界中どこに住んでいても、場所とは無関係にアメリカに申告が必要になる。さらに一定期間以上、アメリカに住んでいれば、税務上はアメリカ居住者とみなされて、アメリカに申告をするようになる。 アメリカの市民、グリーンカードを持っている人、一定期間アメリカに住んでいる人はアメリカに税金の申告をする。 さらに普通の日本に住んでいる人であっても、アメリカに不動産を持って家賃収入があるとかの場合、アメリカに申告をするようになる。 極端な話だが、亡くなってしまったらアメリカに申告もなにもあったものではないと思うかも知れない。しかし、アメリカは死んでもなお、故人の所得は亡くなった人が申告を行う。そんな馬鹿な話があるかと思うかも知れない。しかし、アメリカの考え方では、亡くなった人が代理人を通して、最後まで自分の責任を全うする。

Read More
2016.10.27
その他

アメリカ市民権の放棄

アメリカの市民権を持っていると、常にアメリカの税金がついて回る。実際にはアメリカで生まれただけでアメリカ市民として生きていくつもりがないという方がおられる。あるいはアメリカで市民権を取得し、長いこと暮らしていた方が、さまざまな理由で日本に帰国されている方もおられる。両親のいずれかがアメリカ市民の子供として生まれている方もいる。アメリカの税金の申告が重荷で何とか市民権を放棄したいと願う。 日本は重国籍を認めない。外国の国籍と日本の国籍を持っている人は,22歳に達するまでか20歳に達した後に重国籍になった場合は,重国籍になった時から2年以内にどちらかの国籍を選択する必要がある。 そこで、日本国籍だけにしたいと言うことで市区町村役場に出かけて手続きをする。晴れて日本国籍だけになる。 しかし、ここで間違えることがある。自分はもうアメリカの市民権がないのでアメリカの税金とは接点がないと思い込むことだ。 アメリカは日本と異なり、重国籍を認める。日本の市区町村役場で手続きを行っても、あくまで日本の手続きを行っただけだ。日本の市区町村がそれを受けてアメリカ政府に対して、アメリカ市民権放棄の手続きをしてくれるわけではない。 アメリカから見れば何も変わらずアメリカ市民のままだ。アメリカ大使館や領事館に出かけてアメリカ市民権の放棄手続きをしない限り、アメリカ市民であり続ける。依然として税金の申告がついて回る。 日本の手続きが終わったので一件落着とは行かない。

Read More
2016.10.27
所得税

グリーンカードの期限切れ

グリーンカードがあると、アメリカの税法上、アメリカ居住者となる。アメリカ居住者となると全世界所得課税の対象になる。グリーンカードがあればアメリカで得た給与だろうが、日本で得た給与だろうが、世界中の所得をアメリカの申告の対象になる。 これは大変なので、何とかグリーンカードを放棄したいと言う方がおられる。 グリーンカードを放棄するためには、放棄書類を作成して、アメリカ大使館で放棄の宣誓をし、グリーンカードそのものを返却しなければならない。 ところが、何もせずグリーンカードの有効期限が切れてしまっているケースがある。それ故に、アメリカ非居住者だからアメリカに申告しないと考えると間違えてしまう。 移民法ではグリーンカードの効力が無くなっても、税法ではなんらステータスが変わっていない。 下記の財務省規則§301.7701(b)-1(b)を参照。下記の文章に記載されている。 (b) Lawful Permanent Resident— (1) Green Card Test. An alien is a resident alien with respect to a calendar year if the individual is a lawful permanent resident at any time during the calendar year. A lawful permanent resident is an individual who has been lawfully granted the privilege of residing permanently in the United States as an immigrant in accordance with the immigration laws. Resident status is deemed to continue unless it is rescinded or administratively or judicially determined to have been abandoned. アメリカ大使館へ出向きINS Form I–407 “Abandonment of Lawful Permanent Resident Status”を、グリーンカードや再入国許可証と共に提出して受理されることが必須だ。

Read More

Tsuchida & Associates

東京都千代田区紀尾井町4-1
ニューオータニビジネスコート8F
Phone:03-6380-8817
Fax:03-6385-7628


相続税:資産家のための相続税相談申告センター
日本の税務:星泰光・杉沢史郎税理士事務所

アクセス

赤坂見附駅 東京メトロ 銀座線 / 東京メトロ 丸ノ内線
D紀尾井町口 3分
永田町駅 東京メトロ 半蔵門線 / 東京メトロ 南北線
7番口 3分
麹町駅 東京メトロ 有楽町線
2番口 6分
四ツ谷駅 東京メトロ 丸ノ内線 / 東京メトロ 南北線 / JR中央線・総武線
麹町口・赤坂口 8分
Copyright © Tsuchida & Associates All Rights Reserved.
ページTOP